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「ウーデラハイト公爵令嬢のライトオパールも見事でしたが、宰相さまのウォーターオパールも見事なものですね。ここまで大きなものもそうですが、オパールをめいいっぱいに生かした工芸品は初めてお目にかかります」
「そうなんですよ。公爵令嬢の分もわたくしめが手配したために、手に入れるのに本当に苦心いたしました。磨かれたものを購入したため磨く手間はなかったのですが、やはり入手困難と言われるだけあって本当に時間がかかりましたよ………」
「まあ、やはり」
「このオパールの輝きを理解できるとは、流石は今世紀1番の宝石商とまで言われたお方です」
手放しに褒められて、私の心はふわふわと浮き足立つ。
「ありがとうございます、宰相さま。わたしは寿退社してしまいましたが、是非今後ともアイリーン商会をご贔屓に」
「えぇ。もちろんですとも」
大きく頷いてくださった宰相さまに満足げに頷いたわたしは、どうしてもうっとりした瞳でオパールのことを物欲しげに見つめてしまう。
「やはり世界中で愛される石は輝きが違いますわね」
「そうでしょうとも、そうでしょうとも。もしよろしければ、オードリー嬢に入手の機会を設けましょうか?このオパールを手に入れた際に、伝手が出来上がりましたので」
「まぁ!素敵なお誘いをありがとうございます。ぜひお願いいたします」
宰相さまはわたしの言葉に優雅に頷いて、別れの挨拶をした。
軽く手を振って、穏やかに微笑んでさっていく宰相さまと、ギリギリと歯を食いしばりながら去っていくウーデラハイト公爵令嬢を見送る。
その背中がわたしの視界から消えた瞬間、わたしはすっと笑みを消した。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
「そうなんですよ。公爵令嬢の分もわたくしめが手配したために、手に入れるのに本当に苦心いたしました。磨かれたものを購入したため磨く手間はなかったのですが、やはり入手困難と言われるだけあって本当に時間がかかりましたよ………」
「まあ、やはり」
「このオパールの輝きを理解できるとは、流石は今世紀1番の宝石商とまで言われたお方です」
手放しに褒められて、私の心はふわふわと浮き足立つ。
「ありがとうございます、宰相さま。わたしは寿退社してしまいましたが、是非今後ともアイリーン商会をご贔屓に」
「えぇ。もちろんですとも」
大きく頷いてくださった宰相さまに満足げに頷いたわたしは、どうしてもうっとりした瞳でオパールのことを物欲しげに見つめてしまう。
「やはり世界中で愛される石は輝きが違いますわね」
「そうでしょうとも、そうでしょうとも。もしよろしければ、オードリー嬢に入手の機会を設けましょうか?このオパールを手に入れた際に、伝手が出来上がりましたので」
「まぁ!素敵なお誘いをありがとうございます。ぜひお願いいたします」
宰相さまはわたしの言葉に優雅に頷いて、別れの挨拶をした。
軽く手を振って、穏やかに微笑んでさっていく宰相さまと、ギリギリと歯を食いしばりながら去っていくウーデラハイト公爵令嬢を見送る。
その背中がわたしの視界から消えた瞬間、わたしはすっと笑みを消した。
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