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4 優秀すぎる王子

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「今回の暗殺対象の名前はアルフォード・クライシス。
 クライシス王国の第2王子で、王のお手付きとなったメイドが生んだ王子だ」

「………………、」

「これはあくまで噂だし、俺の独り言なんだが、……………第2王子は優秀すぎるらしい。
 それはそれは優秀で、隣国の王家出身の王妃が生んだそこそこ優秀な第1王子が王太子が決まらないくらいには」

(なるほど、その王子さまとやらは、厄介払いのために殺されなくちゃならないのね。
 ………………無能が国王になっても使い道は傀儡だけなのだから、第1王子もおとなしく第2王子に王位を譲っておけばいいのに。
 ………………ま、そうとも言えないのが国政のいうものだったわね)

 アザリアは自分の思考を打ち払うかのように首を振り、自分の首にかかっているネックレスをぎゅっと握りしめた。捨てられたときに首にかかっていたらしい小さなエメラルドのついた不思議なネックレス。
 光を当てると3人の人影が現れるネックレスは、雇い主のはからいで今もアザリアの手元に残っている。

「ま、ここまでが俺のちょっと大きな独り言だったわけだが、まあ死なない第2王子暗殺に白羽の矢が立ったのが、あれにもっとも自然に近づけるであろう女のお前だってことだ。
 年が近くて美人で、アサシンとして優秀な人間はもうお前しか残っていない。
 ………心してかかってくるんだ」

「承知いたしましたわ、ハンドラー。
 必ずや彼の首を勝ち取ってまいりましょう」

 残酷なこの世界で生き残るには、殺すか殺されるかしか道はない。だからこそ、情けはかけてはいけない。この世は、弱肉強食なのだから。

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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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