完 暗殺姫は、今日も溺愛王子を殺せない

水鳥楓椛

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『それにしても、第2王子殿下は何故側近を持っていないのですか?
 側近が自分にいないからという理由で第1王子殿下にお仕事を押し付けているのですから、側近を持てば第1王子殿下に、』

『それはなりませんわ。身の程を弁えさせませんと。
 アレには側近など要らぬのです。アレは第1王子のための使い潰しの駒。精々苦労に喘がなくてはならぬのです。
 それによって我が愛しの息子に被害が及ぼうとも関係ありません。
 あの子は王となる人間。妾の厳しき愛の鞭に耐えられぬようでは、王など務まらないわ』


 うっそりと微笑んだ王妃は短い髪をいじりながら、アザリアのことをまっすぐと見つめていた。
 その瞳の奥には燃え盛るような憎悪が滲み出ていて、背筋に冷や汗が流れたのをはっきりと覚えている。


(何をやらかしたらあそこまで憎まれるのかしら)


 ———ぎぃっ、


 自らに与えられている上品な部屋に入り、扉に背中を預けたアザリアは顎に拳を当てて首を傾げる。


『流石ですわ、王妃さま。
 ですが、第2王子殿下には昔側近がいたと伺ったのですが………、彼らはどうなったのですか?』

『側近?第1王子のお下がりである無能な臣下がいるとは聞いたことがあるけれど、側近はずっといないはずよ』

『あら?では、このお話は嘘でしたのね』


 王妃の話からすると、彼のが先日言っていた言葉は嘘となる。


『………………昔の側近の幼馴染が赤の一族の娘、だっ、たんだ』


 彼の瞳には嘘の色彩がなかったように見えた。
 隠し事はしていたけれど、完璧な嘘ではなかった。


(ならば、選択肢は2つ。1つ目は臣下の中に赤の一族の幼馴染を持つ者がいるという選択肢。そしてもう1つは———………、)


*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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