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違和感2
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急にあったはずの賑やかさがなくなり辺りは波の音だけ。
不安に駆られ、辺りを再度見渡すが誰もいない。
『一毅さん、こんなに人が居ないことってこの辺りではないんです。何か変です。』
雫ちゃんも不安に思ったのか脅えたように辺りを見渡している。
すると急に薄い雲がかかったかのように辺りが薄紫色に包まれた。
静かだった波も高くなり海の家まで押し寄せてきそうだ。
「雫ちゃん、ここは危なそうだ。とにかく人の居そうな方へ。女将さん達も心配だ、旅館へ戻ろう。」
『えぇ、そうしましょう!』
そう言い、朝来た道をかけ戻った。
それでも高波は徐々に距離を詰めながら押し寄せてくる。
男女では走るスピードもスタミナも差があり、徐々に雫ちゃんが遅れがちとなる。
雫ちゃんが巻き込まれないように手を引き共に走る。
緊張からか、雫ちゃんの手は氷のように冷たい。
背筋に冷や汗が流れ落ちる。
極力後ろを振り向かないように走る。走る。
旅館にたどり着き、雫ちゃんの方へ向き直ると。
雫ちゃんは腐ったように崩れ落ち、そこには何も残らなかった。
後ろに迫っていた高波は消え、目元に包帯を巻いた人間が3人何かを探すように彷徨いている。
後退り、旅館へ身体の向きを変えようとしたとき、足元の小石に躓き、音がでる。
すると、包帯3人が一斉にこちらを向き、寄ってくる。
極度の緊張から金縛りにあったように身体が動かない。
もうダメだ…っと思ったら腕を掴まれ旅館の方へ引っ張られる。
『お兄さん!ボーッとしない!早く!こっち!』
海ちゃんだった。
そのまま旅館へ引きずられるように入り込み、施錠する。
玄関のすりガラスの向こう側にはまだ包帯3人が彷徨いている。
不安に駆られ、辺りを再度見渡すが誰もいない。
『一毅さん、こんなに人が居ないことってこの辺りではないんです。何か変です。』
雫ちゃんも不安に思ったのか脅えたように辺りを見渡している。
すると急に薄い雲がかかったかのように辺りが薄紫色に包まれた。
静かだった波も高くなり海の家まで押し寄せてきそうだ。
「雫ちゃん、ここは危なそうだ。とにかく人の居そうな方へ。女将さん達も心配だ、旅館へ戻ろう。」
『えぇ、そうしましょう!』
そう言い、朝来た道をかけ戻った。
それでも高波は徐々に距離を詰めながら押し寄せてくる。
男女では走るスピードもスタミナも差があり、徐々に雫ちゃんが遅れがちとなる。
雫ちゃんが巻き込まれないように手を引き共に走る。
緊張からか、雫ちゃんの手は氷のように冷たい。
背筋に冷や汗が流れ落ちる。
極力後ろを振り向かないように走る。走る。
旅館にたどり着き、雫ちゃんの方へ向き直ると。
雫ちゃんは腐ったように崩れ落ち、そこには何も残らなかった。
後ろに迫っていた高波は消え、目元に包帯を巻いた人間が3人何かを探すように彷徨いている。
後退り、旅館へ身体の向きを変えようとしたとき、足元の小石に躓き、音がでる。
すると、包帯3人が一斉にこちらを向き、寄ってくる。
極度の緊張から金縛りにあったように身体が動かない。
もうダメだ…っと思ったら腕を掴まれ旅館の方へ引っ張られる。
『お兄さん!ボーッとしない!早く!こっち!』
海ちゃんだった。
そのまま旅館へ引きずられるように入り込み、施錠する。
玄関のすりガラスの向こう側にはまだ包帯3人が彷徨いている。
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