雨のち晴れ

朔羅那弥

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内心は……

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あの日、彼からの思いもよらぬ発言に、
どれほどの歓喜が自分の中で溢れていたか、彼は知らないだろう…..

 フェロモンが出ない体質で、発情期ヒートが軽い等、自分の知っている知識の中には無いもので、正直なところ、驚いていた。何とか冷静に保つのが精一杯だった。
また、その話が俄には信じられなかった。

彼の近くにいるだけで、安心出来て
いい匂いを感じるのだから。
そして、確信へと変わった。

彼こそが自分だけのだということに。

彼から拒否されること分かっていたが、ここで諦めるわけにはいかない。
その想いで、何がなんでも彼をつなぎとめたくて、あんな提案をしていた。
そうしなければ、彼との繋がりが無くなる気がした。多分、彼はこののことに関しては、する気は無かったのだと思う。特殊な体質を持っていると自覚しているのなら、尚更一人で生きていくと決めていたのではないかと…。

Ωは殊更、偏見を持たれるし、αを誘うとされる匂いフェロモンがあるからこそ、価値があり、利用されることが多い。

その匂いフェロモンが出ないとなると、
自分の番となる人はいないと思ってしまう可能性は高い。

それに彼はその分野の専門家だ。
自分の体質に関しては一番分かっているはず。

だからこそ、自分の匂いフェロモンを感じ取れる人が現れたとなると、今までのことが何だったのかと思ってしまうこともある。

だからこそ、彼には愛される存在になれることを伝えないとダメなんだと思った。

友達からとは言ったが、俺の中では恋人になる気満々だった。

俺からの提案に戸惑ってはいたが、嫌悪感は彼からは感じられなかった。

きっとこれからの行動が、大事になる。
それだけはハッキリと分かった。


彼と連絡先を交換して、すぐにデートを申し込むもそれに関しての返事は貰えず…..

彼なりの考えや気持ちもあるだろうと思い、当たり障りのない内容でやり取りをすることにした。その成果もあり、短めの返事はくれるようになった。

彼が焦らずに、ゆっくり落ち着いて出来るように心がけた。

自分でも、こんな風に出来る、考えられることに驚いたが、絶対苦にならなかった。

彼との出会いに感謝し、日々の仕事へと精を出す。

そんなやり取りを続けていたある日、

椎名さんから連絡が来た


『お疲れ様です。休みのことですが、基本土日休みなので、神宮寺さんの休みに合わせます。都合がいい日を教えてください』

送られてきた内容に驚いた。
なかなか予定を教えてくれなかった彼からの提案に、すぐにでも会いたい気持ちが抑えられそうに無かったが、何とか冷静に返事をする。

『お疲れ様です!連絡、ありがとうございます。では、今度の日曜日はどうですか?


ニヤニヤしそうになりながらも、彼からの返信を待つ。しばらくすると、スマホが鳴る。

『返事が遅れてすみません。今度の日曜日で大丈夫です。』

少しだが、前に進めた様な気がする。
彼との初デートに、どこへ行くか考えるだけでも楽しいと思えることにも、驚きつつ、嬉しさを隠せなかった
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