雨のち晴れ

朔羅那弥

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予行練習

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神宮寺さんとの会う日まで、ソワソワして仕事のスピードが遅くなる。

「椎名が、こんなにゆっくり仕事をするの初めてみた。こうなるなら、毎回神宮寺さんに来てもらいたいね」

「はっ?俺は無理!無理!仕事が出来なくなる。」

「今までがやりすぎる位だったんで、ちょうどいいと思いますけど?」

「そうそう。休みだって、仕事関連のことをしてるからさー。仕事人間でもいいけどさ、また身体を壊すぞ。休まないと。」

「何かをしてないと落ち着かないんだよね。趣味とかないから、結局仕事をするになる」

「それが良くないって言ってんだよ。まず、趣味を見つけようぜ!」

「そうは言ってもな…。難しいよ…。自分でも何が好きかもわかんないし。」

「じゃ、アウトドア派?インドア派って言われたら?」

「…別にどっちでもないな。身体を動かすのは嫌いじゃないよ。あと読書とか好きだし。」

「そういう時は、どっちかを選ぶべきですよ?その方が目的も決めやすいんですから。」

「なるほど…」

「それか、相手に聞いてみて、自分が興味が持てそうなやつを一緒にしてみるとか。例えば、映画が好きと言われて、おすすめを聞いて観てみるとか。」

「まぁ、これはあくまで例えですからね。アウトドア系なら、バーベキュー、キャンプとかあるんで、それを経験してみるとかもありますよー。」

「はぁ….なるほど…?」

未知の話にしか思えなくて、何も出ない。
例えもピンと来ない自分が、どれだけ寂しい人間なのかと思った。

「まぁ、気にすぎるなよ。気にしたところで変わらないだろ?変える必要はない。自分らしさが大事だよ。」

「そうですよー。無理をしたところで、ボロが出てしまい、良くない方向に行きますし。自分らしさが出せない相手とは続かないですよ。それは偽りの自分なんですから。」

「そう、そう。お互いに楽しめるものが一番だよ。」

流石、恋人持ち。

「神宮寺さんなら、きっとお前と一緒に楽しみたいと思うタイプだから気にせず、楽しむことを考えなよ。」

「1回しか会ってないのに、よくわかるな?」

「お前と違って、コミュニケーションには長けてますからね。何となく分かるだけー。」

「はぁ…、なるほど?」

「そんなに不安なら、練習します?土曜日に俺と葛城さんと遊ぶとか。」

「おっ!それ、いい案だな!」

「えっ!お前らと?」

「えっ!嫌ですか?」

「いや、お前ら、恋人との時間は?俺のために使う必要は…「大丈夫だから。俺の彼女に関してはお前のファンだから、喜んで差し出されるから。」「俺も大丈夫です。俺の彼女も似たようなもんなんで。」

「「はい?」」

葛城の彼女はともかく、田中君の彼女も?
と不思議に思ってると。

「俺の彼女も、椎名さんファンなんですよ。なんかの雑誌で椎名さんを見たらしく
、そこから推しらしいです。」

「椎名は顔が良いし、社長だもんなー。Ωの救世主って言われてるしな。」

「雑誌の煽り文句だな…。まさか、そんなとこまで知られてるとは…」

「付き合ってから知ったんですけどね。俺が椎名さんの会社の社員だってことを知ったら、めっちゃ羨ましがられました。」

「俺の彼女もそうなんだよなー。会わせようかとしたら、めっちゃ怒るんだよな。」

「そうなんっすよね。推しは遠くで見たいらしく。」

お互いの彼女の推しの価値観は一緒みたいだ…。

「ってことで、心配無用なんで、遊びに行くこと決定で。」

「葛城…。まぁ、初回でやるよりはいいよな。」

「じゃ、土曜日だな。どこに行こうか?」

「せっかくなんで、デート用の服、選びに行きませんか?」

「おっ、いいことを言うね。じゃ、いろいろ見たいから、近くのショッピングモールで行先は決定!」

「葛城ー、田中君…。」

「ダメなのか?」

「いや、正直に言うと助かります。」

「「じゃ、ショッピングモールで。」」

「よろしくお願いします。」

何だかんだで、また予定が決まるも、さっきで感じていたソワソワ感は消えていた。
そのおかげもあり、仕事のスピードも上がり、定時退社が出来た。




-土曜日 10:00 ショッピングモール入口

慣れない待ち合わせに、緊張していると、
 
「そんなに緊張しなくても…」
「慣れないことにはとことんダメだな…」

葛城、田中君が一緒に着いたようだ。

「いや、ホントになんかソワソワして…」

「まぁ、その緊張は明日に取っておいて、服を買いにいくぞー。」

「まず、目的を果たしましょう!彼女にもアドバイスはもらってきたんで。あと試着したら写真を送れまでの指示が来てますが…」

「あぁ、なるほど。俺の彼女も同じこと言われたよ。」

「…モデルじゃないんですが…。」

「「推しだから」」

「しょうがないのか……。」

2人の後をついていく。2人に連れられて、メンズファッションエリアを歩いていく。

着てるものはシンプルなものが多い。
2人は体型や好きなものを取り入れている感じの服装。

2人がサクサクと選び始め、渡された服

「これ?どう合わせるんだ?」

「とりあえず、同系色で合わせてるから、着てみてください。」

「変にならないように組み合わせてるから安心しろ。」


2人に言われるまま、試着室へと入る。
何回も着替えさせられ、何故か撮影会みたいにもなり、どっと疲れが増した…。


付き合ってくれた2人に、昼飯を奢り、

早めに解散することにした。

「ちゃんと買ったやつ、着ていけよ?」
「わかってるよ。はぁ、気が重い……」
「まぁ、初デートは色々と考えちゃいますよね。ファイトっす。」


2人のおかげで、服装に関しては恥をかかずに済みそうだ……。
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