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47,我慢
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「は…はぁ…っ」
蓮は身体の敏感な部分に軟膏を塗られてから、しばらく放置されていた。媚薬とかゆみを伴う成分が入っているのか、胸も自身も後孔の中までもがうずく。起ち上がった先端からは先走りが漏れ始め、それにさえ感じて身体が震え、呼吸が荒くなってくる。胸の突起は固く主張し、後孔は勝手にひくひくと開閉する。それでも、拘束された手足ではわずかに身体をよじらせることしか出来ない。この様をニヤニヤと見ている彼らに、後孔に何か突っ込み自身を思い切りしごいてイカせろと頼みたい衝動に何度もかられる。
「ん…っ」
蓮は唇を噛み、目を閉じて何とか自我を失わずに耐えていた。
「さて、そろそろでしょうか」
「ああ、これだけ我慢させたから相当気持ちいいだろうよ」
「…!」
男たちが再び周りに集まり、蓮はびくっとして顔を上げる。今、こんなに高ぶった身体に触られたら、間違いなくイってしまう。眼が輝かないことを不審に思われ、『身代わり』だと気づかれてしまうかもしれない。それによって、最悪な事態になることだけは避けたい。
「ん、んん…っ」
蓮は近づく彼らに必死に首を横に振る。
「そう遠慮するな。早く触って欲しかったんだろ?」
「あっ?!」
脇腹に触れられただけで、びくんと大きく身体が跳ねるほどの快感。
「すごい濡れようですね」
「んぅう…!」
先走りで濡れた自身の先端をぐりっとなでられ、腰を引いて刺激に耐える。
「お待ちかねの、太いものを突っ込んでやるよ!」
「ぃ…っ?!」
ぬるついた性器を模した張り型がうずく後孔に当てられる。それがためらいなく一気に根元まで押し込まれた。
「あっ?!んぁあーっ!!」
ヤベ…っイク…!
待ちかねた過敏な粘膜への直接的な刺激に悲鳴が出、たまらない快感が頭の先まで突き抜ける。
「ぅあ…っあ…!」
しかし、あまりに強い刺激で射精することが出来ず、先走りだけがとろとろとあふれ出る。ガクガクと身体中が震え、繋がれた鎖が耳障りな音を鳴らす。
「いい反応だな、王子様…!」
「さぁ、眼を見せてくださいよ?」
張り型をぐちゅぐちゅと動かされ、伏せた顔をのぞき込まれる。
「ぁ、は…っはあ…っ」
蓮はぎゅっと目をつぶり、治まらない身体中をかけ巡る熱さに耐え続けた。
応接室を出たシオンとクラウドは蓮の居場所を突き止める手がかりを探すべく、廊下を疾走していた。
「まさか黒幕がメンバル王ってことはないよな?」
「あり得ません。イレグー大臣が主導者で間違いないでしょう」
クラウドの問いをシオンは否定する。
「なら、まず王を探せば…っ」
療養中でもメンバル王ならば、この異常な事態の訳を何かしら知っているはず。
「おそらく、王は亡くなっています」
「はぁ?!」
クラウドは予想もしていなかったシオンの推理にさすがに驚く。
「病に伏せられ、王国との交流がほぼ途切れていた3年の間に亡くなったと思われます。それを機にイレグー大臣が実権を握り、金眼を狙う国に成り下がったのでしょう。そして、今日我々をここに招くために王の死を隠し続けたのです」
「唯一の交流国だったのをまんまと利用されたって訳か…っ」
シオンの考えに納得がいき、さらに怒りがわいてくる。
「ええ。メンバル王は戦争を嫌い、武器を持つことも許していませんでした。だからこそ、先代ウェア王陛下のご友人として深い交流をなさっていたのです。病に伏せられていてもご存命であれば、このような状況になるはずありませんから」
「ああ、だろうな」
廊下の先を見て、シオンとクラウドは立ち止まる。
「おい!!護衛が生きているぞ!!」
「必ず殺せとの命令だ!やれ!!」
槍や剣を持ち、武装した兵士がぞろぞろと現れて広い廊下を埋めていく。
「動けますか、クラウド」
「金眼の血縁、ナメるなって言ってるだろ!」
シオンとクラウドは覇気を高めて構え、武器を手に向かってくる兵士たちの中に飛び込んでいった。
「ぐあっ?!」
「ぎゃあっ!!」
ふたりの王室護衛は武装した兵士たちへ、素手で次々と一撃をくらわせる。廊下は倒れてうめく彼らで足の踏み場もなくなっていく。その人数はゆうに千人を超えていた。
長銃を持った兵士たちが、ふたりの行く先をふさぐように整列する。
「撃て!撃てぇ!!」
彼らは長銃を一斉に構え、ふたりに狙いを定める。しかし、引き金に指をかけた瞬間、標的はそこから消えていた。
「物騒なもの向けるなよ」
「な…っ?!」
何メートルも先にいたはずのクラウドに真横から話しかけられ、兵士たちは驚いて振り向く。焦っている間に銃を叩き落とされ、あごや腹に一撃をくらう。
「こんなもの、こうしてしまいますね」
同じくいつの間にか目の前にいたシオンに長銃の筒部分を握られ、鉄で出来ているはずのそれがメキメキと曲がっていく。
「ひ…っひぃい?!」
「ば、化け物だぁあっ!!」
その常人離れした力に兵士たちは青ざめ、半数以上が銃を置いて逃げ出す。
「失礼ですね」
「間違ってはいないけどな」
シオンは曲げた銃を投げ捨て、クラウドは苦笑いして気絶させた兵士を放る。
「それより、向かってくるのは下っぱばかりでキリがないぞ!」
護衛を殺せという命令以外何も知らない兵士ばかりで、蓮の居場所を知っていそうな者は見当たらない。
「今のところ、イレグー大臣か、その側近が現れるまで戦うことが最も近道です」
兵士たちの戦力を全滅させるか、それに近い状態にし、黒幕を引きずり出すしかないとシオンは考えていた。
「チッ…レン、無事でいろよ…っ」
クラウドも他に蓮を探す手だてがわからず、また湧くように集まってくる兵士たちに向かっていった。
「護衛どもが生きていただと?!」
イレグーは従者からの報告に椅子から立ち上がる。
かつてメンバル王が使用していた執務室。落ち着いた内装だったはずのそこは高価な調度品やイレグーの肖像画などで飾られ、見る影もない。
「念のため兵士を召集していただろう!すぐに殺すのだ!!」
「ですが、恐ろしい力で、もう半数近い兵士たちが戦闘不能に…っ」
「たった3人にか?!何のために3年も戦闘訓練し、莫大な軍事費をつぎ込んだと思っているのだ!!」
「いえ、ふたりだそうで…」
「ふ、ふた…っど、どうでも良い!!鉄砲隊も大砲隊も投入してかまわん!!」
「とっくにしております!大砲が効かないなど、もう意味がわかりません!!」
従者は半分泣きながら訴える。
「な、に…っ」
イレグーはがく然としてふらふらと椅子に座る。ウェア王国王室護衛の異常とも言える戦闘能力の高さは重々わかっていた。だからこそ、念には念を入れて数人の護衛に対して強力な毒ガスを使い、戦闘訓練を積んだ二千人以上の兵士を召集していたのだ。しかし、彼らはそれを上回ってきた。目的である王子は監禁出来たが、このままでは奪還されてしまう。
「…『金眼』だ。ウェア王の『金眼』さえあれば…!」
イレグーは机の引き出しから拳銃を取り、懐にしまった。
殺風景なコンクリート壁の部屋に、卑猥な水音と蓮のあえぐ声が反響していた。
「おらっ!早くイケよ…っ!」
「んぁ…っ!は、あぁ…!」
太い張り型が乱暴に出し入れされ、めちゃくちゃに中の粘膜を突かれ、蓮の身体はびくんびくんと跳ねる。
「くあぁ…っ?!」
硬く反り返る自身を強くしごかれながら先端に爪をたてられて、悲鳴と共に透明な粘液がふき出る。それは足を伝って垂れ、コンクリートの床を濡らしていた。
「あぁっ…ん、んぁ…っ」
胸の突起も指で弾かれ、引っ張られて赤くなり、痛いほど尖る。
蓮への凌辱を始めて1時間。全身に汗をにじませ、肌は赤く染まり、確かに感じているはずなのに落ちず、射精もしない彼に、男たちはさすがに焦れてくる。
「薬が効き過ぎましたかね…」
「眼もあまり変わらないな。どうする?生で犯すか?」
「んあっ!はぁあ…っ」
張り型を勢いよく引き抜き、びくんと身体をのけ反らせた蓮のあごをつかんで目をのぞきこむ。
「狂いたくないぞ、俺は!」
「召集している兵士を何人か連れてきて、マワさせますか?」
「そうだな…」
と、蓮から手を離して相談し始める。
「…っふ…はぁ…っ」
蓮は触れられなくてもなお全身がびくびく震え、乱れる息をやっと吐く。鎖に繋がれ血のにじむ手首と足首に体重をかけるしかなく、身体中の熱さと痛みにうめいてうつ向いた。
「『金眼』は…っ『金眼』はどうなった?!輝きだしたか?!」
部屋の扉が勢いよく開き、イレグーが叫びながら入って来る。
「い、イレグー様!」
「いえ…っどうやら、薬が効き過ぎてしまったらしくあまり変化が…」
「何をしているのだ!!こんな小僧をよがり狂わすくらい簡単であろう?!」
イレグーは側近の言い訳に頭を抱えて怒鳴る。
「申し訳ありません!これから兵士を数名呼び、犯させようと話しておりまして…!」
「ならば、そうしろ!急げ!!」
「はい!!」
男のひとりはあわてて部屋を出て行った。
「ふん…私は男に興味はないが…美しい身体ではあるな」
「…」
イレグーは目を細め、うなだれている蓮をまじまじと見つめる。
「おや?王陛下が身に着けるにしては安っぽい首飾りだな」
蓮の首を飾るチョーカーに気づき、近づくと手を伸ばす。
「…っ汚ねー手で触んな!!」
指先が触れる寸前、蓮は顔を上げると噛みつかんばかりに怒鳴った。
「?!」
あえぎ声以外出さなかった蓮の怒鳴り声とその迫力に驚き、イレグーも男たちも思わず蓮から一歩離れる。同時に、イレグーは殺気だつ目でにらむこの少年がティリアス王子ではないと感づいた。
「き…っキサマ、ティリアス王子ではないな?!何者だ!!」
言葉使いと目付きが王族の者とは思えないのだ。
「そんなまさか…っ写真と同じ顔で、金髪金眼で…!」
イレグーの言葉で、側近たちも王子だと疑いもしなかった少年を改めて見定めるが、どう見ても王子の情報と違わない。
「た…確かめろ!!」
側近たちは蓮の頭をつかみ、閉じている左目に無理やり指先を入れる。
「ぃ…!」
金のコンタクトレンズが外れ、ころんと床に落ちる。金髪のカツラも強引に引っ張られて取れ、生来の黒髪があらわになる。
「ほ、本当に別人…?!」
「信じられない…」
男たちは黒髪、黒い瞳の少年を呆然と見つめた。
蓮は身体の敏感な部分に軟膏を塗られてから、しばらく放置されていた。媚薬とかゆみを伴う成分が入っているのか、胸も自身も後孔の中までもがうずく。起ち上がった先端からは先走りが漏れ始め、それにさえ感じて身体が震え、呼吸が荒くなってくる。胸の突起は固く主張し、後孔は勝手にひくひくと開閉する。それでも、拘束された手足ではわずかに身体をよじらせることしか出来ない。この様をニヤニヤと見ている彼らに、後孔に何か突っ込み自身を思い切りしごいてイカせろと頼みたい衝動に何度もかられる。
「ん…っ」
蓮は唇を噛み、目を閉じて何とか自我を失わずに耐えていた。
「さて、そろそろでしょうか」
「ああ、これだけ我慢させたから相当気持ちいいだろうよ」
「…!」
男たちが再び周りに集まり、蓮はびくっとして顔を上げる。今、こんなに高ぶった身体に触られたら、間違いなくイってしまう。眼が輝かないことを不審に思われ、『身代わり』だと気づかれてしまうかもしれない。それによって、最悪な事態になることだけは避けたい。
「ん、んん…っ」
蓮は近づく彼らに必死に首を横に振る。
「そう遠慮するな。早く触って欲しかったんだろ?」
「あっ?!」
脇腹に触れられただけで、びくんと大きく身体が跳ねるほどの快感。
「すごい濡れようですね」
「んぅう…!」
先走りで濡れた自身の先端をぐりっとなでられ、腰を引いて刺激に耐える。
「お待ちかねの、太いものを突っ込んでやるよ!」
「ぃ…っ?!」
ぬるついた性器を模した張り型がうずく後孔に当てられる。それがためらいなく一気に根元まで押し込まれた。
「あっ?!んぁあーっ!!」
ヤベ…っイク…!
待ちかねた過敏な粘膜への直接的な刺激に悲鳴が出、たまらない快感が頭の先まで突き抜ける。
「ぅあ…っあ…!」
しかし、あまりに強い刺激で射精することが出来ず、先走りだけがとろとろとあふれ出る。ガクガクと身体中が震え、繋がれた鎖が耳障りな音を鳴らす。
「いい反応だな、王子様…!」
「さぁ、眼を見せてくださいよ?」
張り型をぐちゅぐちゅと動かされ、伏せた顔をのぞき込まれる。
「ぁ、は…っはあ…っ」
蓮はぎゅっと目をつぶり、治まらない身体中をかけ巡る熱さに耐え続けた。
応接室を出たシオンとクラウドは蓮の居場所を突き止める手がかりを探すべく、廊下を疾走していた。
「まさか黒幕がメンバル王ってことはないよな?」
「あり得ません。イレグー大臣が主導者で間違いないでしょう」
クラウドの問いをシオンは否定する。
「なら、まず王を探せば…っ」
療養中でもメンバル王ならば、この異常な事態の訳を何かしら知っているはず。
「おそらく、王は亡くなっています」
「はぁ?!」
クラウドは予想もしていなかったシオンの推理にさすがに驚く。
「病に伏せられ、王国との交流がほぼ途切れていた3年の間に亡くなったと思われます。それを機にイレグー大臣が実権を握り、金眼を狙う国に成り下がったのでしょう。そして、今日我々をここに招くために王の死を隠し続けたのです」
「唯一の交流国だったのをまんまと利用されたって訳か…っ」
シオンの考えに納得がいき、さらに怒りがわいてくる。
「ええ。メンバル王は戦争を嫌い、武器を持つことも許していませんでした。だからこそ、先代ウェア王陛下のご友人として深い交流をなさっていたのです。病に伏せられていてもご存命であれば、このような状況になるはずありませんから」
「ああ、だろうな」
廊下の先を見て、シオンとクラウドは立ち止まる。
「おい!!護衛が生きているぞ!!」
「必ず殺せとの命令だ!やれ!!」
槍や剣を持ち、武装した兵士がぞろぞろと現れて広い廊下を埋めていく。
「動けますか、クラウド」
「金眼の血縁、ナメるなって言ってるだろ!」
シオンとクラウドは覇気を高めて構え、武器を手に向かってくる兵士たちの中に飛び込んでいった。
「ぐあっ?!」
「ぎゃあっ!!」
ふたりの王室護衛は武装した兵士たちへ、素手で次々と一撃をくらわせる。廊下は倒れてうめく彼らで足の踏み場もなくなっていく。その人数はゆうに千人を超えていた。
長銃を持った兵士たちが、ふたりの行く先をふさぐように整列する。
「撃て!撃てぇ!!」
彼らは長銃を一斉に構え、ふたりに狙いを定める。しかし、引き金に指をかけた瞬間、標的はそこから消えていた。
「物騒なもの向けるなよ」
「な…っ?!」
何メートルも先にいたはずのクラウドに真横から話しかけられ、兵士たちは驚いて振り向く。焦っている間に銃を叩き落とされ、あごや腹に一撃をくらう。
「こんなもの、こうしてしまいますね」
同じくいつの間にか目の前にいたシオンに長銃の筒部分を握られ、鉄で出来ているはずのそれがメキメキと曲がっていく。
「ひ…っひぃい?!」
「ば、化け物だぁあっ!!」
その常人離れした力に兵士たちは青ざめ、半数以上が銃を置いて逃げ出す。
「失礼ですね」
「間違ってはいないけどな」
シオンは曲げた銃を投げ捨て、クラウドは苦笑いして気絶させた兵士を放る。
「それより、向かってくるのは下っぱばかりでキリがないぞ!」
護衛を殺せという命令以外何も知らない兵士ばかりで、蓮の居場所を知っていそうな者は見当たらない。
「今のところ、イレグー大臣か、その側近が現れるまで戦うことが最も近道です」
兵士たちの戦力を全滅させるか、それに近い状態にし、黒幕を引きずり出すしかないとシオンは考えていた。
「チッ…レン、無事でいろよ…っ」
クラウドも他に蓮を探す手だてがわからず、また湧くように集まってくる兵士たちに向かっていった。
「護衛どもが生きていただと?!」
イレグーは従者からの報告に椅子から立ち上がる。
かつてメンバル王が使用していた執務室。落ち着いた内装だったはずのそこは高価な調度品やイレグーの肖像画などで飾られ、見る影もない。
「念のため兵士を召集していただろう!すぐに殺すのだ!!」
「ですが、恐ろしい力で、もう半数近い兵士たちが戦闘不能に…っ」
「たった3人にか?!何のために3年も戦闘訓練し、莫大な軍事費をつぎ込んだと思っているのだ!!」
「いえ、ふたりだそうで…」
「ふ、ふた…っど、どうでも良い!!鉄砲隊も大砲隊も投入してかまわん!!」
「とっくにしております!大砲が効かないなど、もう意味がわかりません!!」
従者は半分泣きながら訴える。
「な、に…っ」
イレグーはがく然としてふらふらと椅子に座る。ウェア王国王室護衛の異常とも言える戦闘能力の高さは重々わかっていた。だからこそ、念には念を入れて数人の護衛に対して強力な毒ガスを使い、戦闘訓練を積んだ二千人以上の兵士を召集していたのだ。しかし、彼らはそれを上回ってきた。目的である王子は監禁出来たが、このままでは奪還されてしまう。
「…『金眼』だ。ウェア王の『金眼』さえあれば…!」
イレグーは机の引き出しから拳銃を取り、懐にしまった。
殺風景なコンクリート壁の部屋に、卑猥な水音と蓮のあえぐ声が反響していた。
「おらっ!早くイケよ…っ!」
「んぁ…っ!は、あぁ…!」
太い張り型が乱暴に出し入れされ、めちゃくちゃに中の粘膜を突かれ、蓮の身体はびくんびくんと跳ねる。
「くあぁ…っ?!」
硬く反り返る自身を強くしごかれながら先端に爪をたてられて、悲鳴と共に透明な粘液がふき出る。それは足を伝って垂れ、コンクリートの床を濡らしていた。
「あぁっ…ん、んぁ…っ」
胸の突起も指で弾かれ、引っ張られて赤くなり、痛いほど尖る。
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「んあっ!はぁあ…っ」
張り型を勢いよく引き抜き、びくんと身体をのけ反らせた蓮のあごをつかんで目をのぞきこむ。
「狂いたくないぞ、俺は!」
「召集している兵士を何人か連れてきて、マワさせますか?」
「そうだな…」
と、蓮から手を離して相談し始める。
「…っふ…はぁ…っ」
蓮は触れられなくてもなお全身がびくびく震え、乱れる息をやっと吐く。鎖に繋がれ血のにじむ手首と足首に体重をかけるしかなく、身体中の熱さと痛みにうめいてうつ向いた。
「『金眼』は…っ『金眼』はどうなった?!輝きだしたか?!」
部屋の扉が勢いよく開き、イレグーが叫びながら入って来る。
「い、イレグー様!」
「いえ…っどうやら、薬が効き過ぎてしまったらしくあまり変化が…」
「何をしているのだ!!こんな小僧をよがり狂わすくらい簡単であろう?!」
イレグーは側近の言い訳に頭を抱えて怒鳴る。
「申し訳ありません!これから兵士を数名呼び、犯させようと話しておりまして…!」
「ならば、そうしろ!急げ!!」
「はい!!」
男のひとりはあわてて部屋を出て行った。
「ふん…私は男に興味はないが…美しい身体ではあるな」
「…」
イレグーは目を細め、うなだれている蓮をまじまじと見つめる。
「おや?王陛下が身に着けるにしては安っぽい首飾りだな」
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「…っ汚ねー手で触んな!!」
指先が触れる寸前、蓮は顔を上げると噛みつかんばかりに怒鳴った。
「?!」
あえぎ声以外出さなかった蓮の怒鳴り声とその迫力に驚き、イレグーも男たちも思わず蓮から一歩離れる。同時に、イレグーは殺気だつ目でにらむこの少年がティリアス王子ではないと感づいた。
「き…っキサマ、ティリアス王子ではないな?!何者だ!!」
言葉使いと目付きが王族の者とは思えないのだ。
「そんなまさか…っ写真と同じ顔で、金髪金眼で…!」
イレグーの言葉で、側近たちも王子だと疑いもしなかった少年を改めて見定めるが、どう見ても王子の情報と違わない。
「た…確かめろ!!」
側近たちは蓮の頭をつかみ、閉じている左目に無理やり指先を入れる。
「ぃ…!」
金のコンタクトレンズが外れ、ころんと床に落ちる。金髪のカツラも強引に引っ張られて取れ、生来の黒髪があらわになる。
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