オネエな幼馴染と男嫌いな私

麻竹

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幕間4

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「なあ……俺も参加して本当に良かったのか?」

うららかな日差しが降り注ぐ街道で、ジュリアスは少々困惑した表情をしながら、馬車の向かい側に座る幼馴染に話しかけてきたのであった。

ジュリアスは、ストラウスに誘われてフォレス家の領地に休暇を利用して遊びに来ていた。

しかも出発当日にフォレス家に向かうと、なんとヴィヴィアーナも一緒に行く手筈になっていたのであった。

既に馬車に乗って出発を待っていたヴィヴィアーナは、現れたジュリアスを見て思いっきり眉を顰めてきたのである。

こりゃ聞かされてなかったな、と出迎えてきた婚約者の兄を見れば、こちらは涼しい顔で「じゃ出発しようか」とジュリアスに話しかけてきたのであった。

「いやお前、出発するって……ヴィ―が、凄い顔で睨んできてるんだが……。」

あちらを振り返るのが怖い位、負のオーラを全身から漂わせている婚約者に、さすがのジュリアスもオネエ言葉を忘れてストラウスに詰め寄る。

「ああ、気にしない気にしない♪さ、出発しようか。」

しかしストラウスは、憎らしい程の素敵な笑顔で言うと、さっさと馬車に乗り込んでしまったのであった。



というのが、数時間前の出来事である。

そして領地に向かう間、後ろの馬車からはおどろおどろしい殺気がビシバシと伝わってきており、とうとう堪え切れなくなったジュリアスが冒頭の台詞を吐いたというわけだった。

「ああ、大丈夫だよ。父上と母上には許可は取ってあるから。」

「いや、そうじゃなくて……。」

にこやかに答えてきたストラウスに、ジュリアスはさすがに不味いだろ?と、小窓からヴィヴィアーナの乗っている馬車をチラリと見る。

「あはははは、君は変な所で律義になるよねぇ~。いつもは、もっと酷い事してるのに。」

そんなジュリアスの気遣いを、何を今更とストラウスは笑顔で笑い飛ばしてきたのであった。

「…………。」

爽やかな笑顔を向けてくる幼馴染に、ジュリアスは無言になる。

こういう笑い方をする時の彼が、見ため通りの心情ではない事を長年の付き合いで熟知していたジュリアスは、諦めたように溜息を吐いたのであった。
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