3 / 93
第二章【旅路編】
3.やりたくないけど、またおつかい頼まれたので双子山へ行きます!
しおりを挟む
双子山には、その日の内に辿り着く事ができた。
というのも実は双子山は、ここ東の森――クリムゾンフォレスト――にあるのだ。
とはいえ、相手は山である。
二つの山が並ぶこの森は、東の大地で最も広大な面積を誇っている。
その為、目的の場所に辿り着くには数時間を要した。
そしてその双子山は、今も活動をしている活火山だった。
双子山と呼ばれるだけあって、見た目はまったくそっくりな形をしている。
森の入り口から向かって左側が、サラマンダー山で、右がカーラ山と呼ばれており、なんでも、この山に住む火の精霊の名前が付けられているのだそうだ。
今回、向かうのはカーラ山の方だった。
そこに、ララに頼まれた黄金蜘蛛が生息しているのだ。
黄金蜘蛛はその名の通り、黄金色をした巨大な蜘蛛だ。
しかも熱い所が好きらしく、溶岩のある場所に生息している。
その蜘蛛が作り出す糸は熱に強く、とても強靭でしかも織物にすると、どんな布よりも軽くて丈夫なものになる。
しかも、熱に強く保温性もあるのに、熱いときでも涼しく使えるという不思議な効果があった。
そして、その使用感だけでなく、その見た目も美しかった。
とある商人が、「黄金蜘蛛の糸でできた織物は、どんな宝石にも勝るとも劣らないほど美しい」と絶賛したくらいだ。
そんな素晴らしい素材、誰だって喉から手が出るほど欲しい事はわかる。
わかるのだが……。
「もっとこう、手っ取り早く商人に頼むとか、冒険者に依頼するとか、無かったんですかねぇ。」
思わず口から、ぼやきが漏れてしまった。
目の前には荒れた海の如く、マグマが渦を巻いて火口の中で暴れ回っていた。
さすが、超希少品と言われるだけあって、そう簡単には手に入らないようだ。
市場に出るのも珍しい為、贔屓にしている商人や冒険者に頼んだところで、無事に取って来れるかどうかわからない。
だからといって、僕達に取って来いって簡単に言われてもなぁ。
と、目の前の光景を見ながら、ついつい胸中で愚痴が零れてしまう。
マクレーンは、荒れ狂う火口を再度覗き込んだ。
この火口の下には、溶岩の河が流れている。
落ちたら一瞬で真っ黒焦げだ。
そうならない為に出発する前、姉達から幾つかの便利アイテムを渡されていた。
その一つが、熱を防ぐ効果のある魔道具だった。
これは、ララの住んでいる北の大地で開発された発明品だ。
氷の魔石が腕輪に付いていて、付けた相手を氷のバリアで包み熱から護ってくれるのだとか。
まあ、まだ試作品らしく、どこまで効果があるかは実験段階なのだそうだが……。
要するに、体良く実験台にされているというわけだ。
さすがは姉さんたち……アイテムを受け取った時から嫌な予感はしていたけど、ここまで的中するとはね。
マクレーンは、アイテムと一緒に渡された説明書を読みながら、胸中で毒吐く。
「他のアイテムも何があるのかな。」
「ん?何か言ったか?」
マクレーンが思わず呟くと、隣にいたアランに気づかれてしまった。
「いえ、なんでもないです。」
アイテムの実験云々の事は、アランには内緒である。
とりあえず、姉達に頼まれた「おつかい」を済ませてしまおうと、マクレーンは目の前のマグマに集中した。
というのも実は双子山は、ここ東の森――クリムゾンフォレスト――にあるのだ。
とはいえ、相手は山である。
二つの山が並ぶこの森は、東の大地で最も広大な面積を誇っている。
その為、目的の場所に辿り着くには数時間を要した。
そしてその双子山は、今も活動をしている活火山だった。
双子山と呼ばれるだけあって、見た目はまったくそっくりな形をしている。
森の入り口から向かって左側が、サラマンダー山で、右がカーラ山と呼ばれており、なんでも、この山に住む火の精霊の名前が付けられているのだそうだ。
今回、向かうのはカーラ山の方だった。
そこに、ララに頼まれた黄金蜘蛛が生息しているのだ。
黄金蜘蛛はその名の通り、黄金色をした巨大な蜘蛛だ。
しかも熱い所が好きらしく、溶岩のある場所に生息している。
その蜘蛛が作り出す糸は熱に強く、とても強靭でしかも織物にすると、どんな布よりも軽くて丈夫なものになる。
しかも、熱に強く保温性もあるのに、熱いときでも涼しく使えるという不思議な効果があった。
そして、その使用感だけでなく、その見た目も美しかった。
とある商人が、「黄金蜘蛛の糸でできた織物は、どんな宝石にも勝るとも劣らないほど美しい」と絶賛したくらいだ。
そんな素晴らしい素材、誰だって喉から手が出るほど欲しい事はわかる。
わかるのだが……。
「もっとこう、手っ取り早く商人に頼むとか、冒険者に依頼するとか、無かったんですかねぇ。」
思わず口から、ぼやきが漏れてしまった。
目の前には荒れた海の如く、マグマが渦を巻いて火口の中で暴れ回っていた。
さすが、超希少品と言われるだけあって、そう簡単には手に入らないようだ。
市場に出るのも珍しい為、贔屓にしている商人や冒険者に頼んだところで、無事に取って来れるかどうかわからない。
だからといって、僕達に取って来いって簡単に言われてもなぁ。
と、目の前の光景を見ながら、ついつい胸中で愚痴が零れてしまう。
マクレーンは、荒れ狂う火口を再度覗き込んだ。
この火口の下には、溶岩の河が流れている。
落ちたら一瞬で真っ黒焦げだ。
そうならない為に出発する前、姉達から幾つかの便利アイテムを渡されていた。
その一つが、熱を防ぐ効果のある魔道具だった。
これは、ララの住んでいる北の大地で開発された発明品だ。
氷の魔石が腕輪に付いていて、付けた相手を氷のバリアで包み熱から護ってくれるのだとか。
まあ、まだ試作品らしく、どこまで効果があるかは実験段階なのだそうだが……。
要するに、体良く実験台にされているというわけだ。
さすがは姉さんたち……アイテムを受け取った時から嫌な予感はしていたけど、ここまで的中するとはね。
マクレーンは、アイテムと一緒に渡された説明書を読みながら、胸中で毒吐く。
「他のアイテムも何があるのかな。」
「ん?何か言ったか?」
マクレーンが思わず呟くと、隣にいたアランに気づかれてしまった。
「いえ、なんでもないです。」
アイテムの実験云々の事は、アランには内緒である。
とりあえず、姉達に頼まれた「おつかい」を済ませてしまおうと、マクレーンは目の前のマグマに集中した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる