僕のおつかい

麻竹

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第二章【旅路編】

3.やりたくないけど、またおつかい頼まれたので双子山へ行きます!

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双子山には、その日の内に辿り着く事ができた。
というのも実は双子山は、ここ東の森――クリムゾンフォレスト――にあるのだ。
とはいえ、相手は山である。
二つの山が並ぶこの森は、東の大地で最も広大な面積を誇っている。
その為、目的の場所に辿り着くには数時間を要した。
そしてその双子山は、今も活動をしている活火山だった。
双子山と呼ばれるだけあって、見た目はまったくそっくりな形をしている。
森の入り口から向かって左側が、サラマンダー山で、右がカーラ山と呼ばれており、なんでも、この山に住む火の精霊の名前が付けられているのだそうだ。
今回、向かうのはカーラ山の方だった。

そこに、ララに頼まれた黄金蜘蛛が生息しているのだ。
黄金蜘蛛はその名の通り、黄金色をした巨大な蜘蛛だ。
しかも熱い所が好きらしく、溶岩のある場所に生息している。
その蜘蛛が作り出す糸は熱に強く、とても強靭でしかも織物にすると、どんな布よりも軽くて丈夫なものになる。
しかも、熱に強く保温性もあるのに、熱いときでも涼しく使えるという不思議な効果があった。

そして、その使用感だけでなく、その見た目も美しかった。
とある商人が、「黄金蜘蛛の糸でできた織物は、どんな宝石にも勝るとも劣らないほど美しい」と絶賛したくらいだ。
そんな素晴らしい素材、誰だって喉から手が出るほど欲しい事はわかる。
わかるのだが……。

「もっとこう、手っ取り早く商人に頼むとか、冒険者に依頼するとか、無かったんですかねぇ。」

思わず口から、ぼやきが漏れてしまった。
目の前には荒れた海の如く、マグマが渦を巻いて火口の中で暴れ回っていた。
さすが、超希少品と言われるだけあって、そう簡単には手に入らないようだ。
市場に出るのも珍しい為、贔屓にしている商人や冒険者に頼んだところで、無事に取って来れるかどうかわからない。

だからといって、僕達に取って来いって簡単に言われてもなぁ。

と、目の前の光景を見ながら、ついつい胸中で愚痴が零れてしまう。
マクレーンは、荒れ狂う火口を再度覗き込んだ。
この火口の下には、溶岩の河が流れている。
落ちたら一瞬で真っ黒焦げだ。
そうならない為に出発する前、姉達から幾つかの便利アイテムを渡されていた。

その一つが、熱を防ぐ効果のある魔道具だった。
これは、ララの住んでいる北の大地で開発された発明品だ。
氷の魔石が腕輪に付いていて、付けた相手を氷のバリアで包み熱から護ってくれるのだとか。
まあ、まだ試作品らしく、どこまで効果があるかは実験段階なのだそうだが……。

要するに、体良く実験台にされているというわけだ。

さすがは姉さんたち……アイテムを受け取った時から嫌な予感はしていたけど、ここまで的中するとはね。

マクレーンは、アイテムと一緒に渡された説明書を読みながら、胸中で毒吐く。

「他のアイテムも何があるのかな。」

「ん?何か言ったか?」

マクレーンが思わず呟くと、隣にいたアランに気づかれてしまった。

「いえ、なんでもないです。」

アイテムの実験云々の事は、アランには内緒である。
とりあえず、姉達に頼まれた「おつかい」を済ませてしまおうと、マクレーンは目の前のマグマに集中した。
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