夫婦戦争勃発5秒前! ~借金返済の代わりに女嫌いなオネエと政略結婚させられました!~

麻竹

文字の大きさ
30 / 50

30

しおりを挟む
「一時はどうなる事かと思ったわ……。」

馬車に揺られながら、ランスロットは溜息交じり言ってきた。

「何がですか?」

彼の言葉にエレノアは首を傾げる。

「何がって、あの令嬢達との事よ。」

エレノアの反応に、ランスロットは眉間に皺を寄せながら言ってきた。

「え?あの位、普通ですわよ?」

「は?」

エレノアの言葉に、ランスロットは目を見張る。

「ふ、普通って……あれが?」

あの遣り取りを、さも当たり前の事のように言ってきたエレノアに、ランスロットは恐る恐る訊ねてきた。

「はい。あの程度のことは夜会に参加すれば、よくある事ですわ。」

「な、なにを……。」

わなわなと震えるランスロットに、エレノアはさらに衝撃の事実を伝えてきた。

「令嬢達なんて、皆相手を蹴落とす事しか考えておりませんわ。上位貴族ならまだしも、わたくしのような名ばかりの貧乏貴族や下位貴族達は格好の獲物ですから。」

淡々と説明するエレノアに、ランスロットはショックを受ける。

「あ、あんたって、意外と強いのね……。」

ランスロットの呟きに、エレノアは眉を吊り上げてきたのであった。

「強くなければ貴族など、やっていられませんわ。」

「え?」

ぴしゃりと言い放つエレノアに、ランスロットは目を丸くする。

「気を抜いて足元を掬われれば、たちまち蹴落とされて苛めの対象になってしまうのです。貴族たるもの油断は大敵!貴方も貴族なら、その位ご存じでしょう?」

「そ、そうね……その通りだわ……。」

エレノアの言葉に、ランスロットは深く頷く。

「以前にも言いましたが、あのような輩は放っておいたら直ぐ付け上がるのです。相手をしてはいけませんが、放置するのはもっと駄目です!相手を助長させます。びしっと毅然な態度で相手を言い負かす事も必要な事ですわよ。」

「ああ、そうだな……全くその通りだ。」

きりっとした顔で言ってきたエレノアの言葉に感動し、また彼女の事が格好良く見えてしまったランスロットは、珍しく素直に頷いてきたのであった。

――え?何なのこの人……急に素直になったわ、気持ち悪!!

しかし悲しいかな、そんなランスロットの態度にエレノアは、喜ぶどころか素直な彼の反応に寒気を覚え胸中で悪態を吐いていたのであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。

専業プウタ
恋愛
ミリア・カルマンは帝国唯一の公爵家の次女。高貴な皇族の血を引く紫色の瞳を持って生まれたワガママな姉の陰謀で、帝国一裕福でイケメンのレナード・アーデン侯爵と婚約することになる。父親であるカルマン公爵の指示のもと後継者としてアカデミーで必死に勉強してきて首席で卒業した。アカデミー時代からの恋人、サイラスもいる。公爵になる夢も恋人も諦められない。私の人生は私が決めるんだから、イケメンの婚約者になど屈しない。地位も名誉も美しさも備えた婚約者の弱みを握り、婚約を破棄する。そして、大好きな恋人と結婚してみせる。そう決意して婚約者と接しても、この婚約者一筋縄ではいかない。初対面のはずなのに、まるで自分を知っていたかのような振る舞い。ミリアは恋人を裏切りたくない、姉の思い通りになりたくないと思いつつも彼に惹かれてく気持ちが抑えられなくなっていく。

サマー子爵家の結婚録    ~ほのぼの異世界パラレルワールド~

秋野 木星
恋愛
5人の楽しい兄弟姉妹と友人まで巻き込んだ、サマー子爵家のあたたかな家族のお話です。  「めんどくさがりのプリンセス」の末っ子エミリー、  「のっぽのノッコ」に恋した長男アレックス、   次女キャサリンの「王子の夢を誰も知らない」、   友人皇太子の「伝統を継ぐ者」、  「聖なる夜をいとし子と」過ごす次男デビッド、   長女のブリジットのお話はエミリーのお話の中に入っています。   ※ 小説家になろうでサマー家シリーズとして書いたものを一つにまとめました。

【完結】溺愛?執着?転生悪役令嬢は皇太子から逃げ出したい~絶世の美女の悪役令嬢はオカメを被るが、独占しやすくて皇太子にとって好都合な模様~

うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
 平安のお姫様が悪役令嬢イザベルへと転生した。平安の記憶を思い出したとき、彼女は絶望することになる。  絶世の美女と言われた切れ長の細い目、ふっくらとした頬、豊かな黒髪……いわゆるオカメ顔ではなくなり、目鼻立ちがハッキリとし、ふくよかな頬はなくなり、金の髪がうねるというオニのような見た目(西洋美女)になっていたからだ。  今世での絶世の美女でも、美意識は平安。どうにか、この顔を見られない方法をイザベルは考え……、それは『オカメ』を装備することだった。  オカメ狂の悪役令嬢イザベルと、  婚約解消をしたくない溺愛・執着・イザベル至上主義の皇太子ルイスのオカメラブコメディー。 ※執着溺愛皇太子と平安乙女のオカメな悪役令嬢とのラブコメです。 ※主人公のイザベルの思考と話す言葉の口調が違います。分かりにくかったら、すみません。 ※途中からダブルヒロインになります。 イラストはMasquer様に描いて頂きました。

王女殿下のモラトリアム

あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」 突然、怒鳴られたの。 見知らぬ男子生徒から。 それが余りにも突然で反応できなかったの。 この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの? わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。 先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。 お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって! 婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪ お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。 え? 違うの? ライバルって縦ロールなの? 世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。 わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら? この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。 ※設定はゆるんゆるん ※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。 ※明るいラブコメが書きたくて。 ※シャティエル王国シリーズ3作目! ※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、 『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。 上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。 ※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅! ※小説家になろうにも投稿しました。

変人令息は悪女を憎む

くきの助
恋愛
「ブリジット=バールトン。あなたを愛する事はない。」 ああ、ようやく言えた。 目の前の彼女は14歳にしてこれが二度目の結婚。 こんなあどけない顔をしてとんでもない悪女なのだ。 私もそのことを知った時には腹も立ったものだが、こちらにも利がある結婚だと割り切ることにした。 「当初話した通り2年間の契約婚だ。離婚後は十分な慰謝料も払おう。ただ、白い結婚などと主張されてはこちらも面倒だ。一晩だけ付き合ってもらうよ。」 初夜だというのに腹立たしい気持ちだ。 私だって悪女と知る前は契約なんて結ぶ気はなかった。 政略といえど大事にしようと思っていたんだ。 なのになぜこんな事になったのか。 それは半年ほど前に遡る。

身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】 妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

処理中です...