BLゲームのモブ(俺)は誰にも見つからないはずだった

はちのす

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王子様 とモブ(俺)

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「ただいマイハウスゥ…」


昨日と同じ掛け声で帰宅するが、今日は自分でも分かるくらいに元気がない。


「はぁ…嘉賀先輩エンドから回収しちゃいそう…」


「元の世界に帰れると思えば、やる価値はあるんだけど…
なにぶんこれ18禁ゲームなんですわ…」


相談相手もいないので、誰もいない空間に向かって語りかける。

虚しくないさ…


「さてと、今日のレポート書くか…」


嘉賀先輩に湯たんぽにされたこと、3人で仲良く昼メシを食べたこと…

…今日収穫少ない??


案の定、集約された後に残ったのは2行だった。


✔︎嘉賀      友情エンド
✔︎黒木+主人+里田 友情エンド


しかも…っ!


「やっぱり嘉賀先輩、あれで友情なのね!」


お腐れ世界の友情基準が高過ぎるわ!!
他の奴の友情エンドもなんだか怖くなって来たよ。

(収穫が少ないと、やる気も落ちて来てしまうし…)


「…手短なところから埋めていくしかないよな"ぁぁぁ~!」


(分厚い本に書いてあった攻略キャラクターは確か…)


『王子様系、俺様系、爽やか系、ヤンデレ系、不良系か…』


あ、思い出した。

全部は読んでないからこれで全てのキャラクターを網羅したわけではないけど…

多分主人公は…分類すれば爽やか系なのかな?
俺的には腹黒系って感じだけどね!ププッ!

初期スチルが手に入ってないのは、生徒会長と…


「あ、里田。」


王子様こと、里田のスチルも無いな。


「そういや、2人で話す機会ってなかったな。」


いっつも会う時は主人とセットだった。


「よし!明日は最低でも里田のスチルを回収しよう!!!」


決心をした3秒後、俺は秒速の入眠をキメた。



「はよっ!里田!!と主人!」


「はよ~」


「オイ、俺はオマケか」


「いや、目に入った順。

あ!黒木オハヨ~!!」

視界に入った黒木に大きめの声で呼びかける。

黒木は目を丸くして驚きながらも、ちょっと手を振ってくれた。

キュン!!!!


「田中って黒木のこと好きだよね~」


「そこは俺にしろよ。」


「だから何でそうなるの!!!!」


もしや、これ冗談じゃなかったりする…?
それなら、主人のエンド回収って案外簡単なのかもしれない。

でもでも!今日は里田って決めてるからな!


「なあなあ里田!と主人!」


「ん?どしたの?」


「だから俺はオマケか!」


「部活ってなに入るか決めた?」


そう、そろそろ部活勧誘の時期だ。


「あ~。俺はバスケ部かな…」


「そっか!里田、バスケ好きって言ってたもんな。」


「俺は帰宅部。」


「主人は仕事あるもんなぁ~!俺どうしよう…」


「バスケ部にしなよ」

「帰宅部だろ」


里田と主人は交互に俺を勧誘してくる。

俺は元々偉大な帰宅部員だった。
勿論、部員の人には会ったことすらもない。

でも俺は、青春をやり直したい…っ!

かといって。バスケは手と足が一緒に出ちゃうから出来ないッッ!

ウジウジしていると、里田が俺の手を握って満面の笑みで話しかけて来た。


「決まらないなら、今日一緒に部活見学しよっか!」


「え、いいの?」


「本当は一緒にバスケ部がいいけど…無理にとは言わないし!」


「おま、良い奴だな…」


「おい里田、俺が今日仕事があるって言ったからだな?田中を独占するつもりだろ?」


「べっつにー?」


「明日覚えてろよ…」


オイオイどうしちゃったの皆…


「俺の為に争わないで!!!」


と叫ぶと、何故か頭を叩かれた。



…あれ?やっぱ冗談だったの??
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