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積極的な後輩は好かれるよね!

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「部員数は8名。3年と2年は半数ずつだ。」


「へぇ~意外と小規模なんですね。」


「ここの連中は芸術への理解が足りないらしいな。」


「(うっわ凄いマウント取られた気がする…)」


「それも、基本的には教育のせいだ。

文化祭などの出し物を見る限り、各個人のポテンシャルはあるはずなんだがな。

経験するためのシステムがないんだ。」


「(あっ!やっぱり良い人だ…!)」


話していると確かに人格者らしいことが窺える。
ヨッ!生徒会長ッ!!!!


「会長の作品、見せてもらうことはできますか?すごく気になります!」


「へぇ、そうか…意欲的で良いな。備品室に作品を保管しているんだ。来るか?」


「っはい!…あ、里田はあのままで大丈夫っす。」


「…確かにその様だ。」


里田は既に興味が薄れたのか、美術室の隅で紙飛行機を作っていた。

アイツ窓から放り投げてやがる…!!!
後で拾いに行かせよっと。


(さて、思い掛けず生徒会長の初期スチル獲得の機運が来たっ…!!!!!)


天は俺に味方している。



「ここだ。」


「えっ…す、す、」


「…す?」


「スゲェェェェエエエエエ!!!」


俺は余りの感動に叫んでしまった。

有名な画家が描きました!と言われても納得してしまう様な絵がズラリと並んでいた。


「これ全部会長の作品ですか?」


「ああ。いくつか賞を受賞しているんだ。

受賞したものはここに保管している…卒業後、寄贈する予定だ。」


「受賞…寄贈…?!マジでハンパないっす…」


俺がそう褒めると、生徒会長はニヤついた笑顔を消し、少し照れた様な表情を浮かべた。


「そ、そうか……田中。」


「はい?」


振り返ると、会長は何やら白い紙を手に持っていた。


「入部届、お前に渡しておく。

気持ちが固まったら渡しに来い。」


「はいっ!!!」


(ここで会長に会えるなら、入部一択だな…!)


俺は持っていたペンを取り出すと、
空いている机で書類を書き出した。


「は?オイ、よく考えて…」


「入ります!!よろしくお願いします
!!」


「…ハハッ、そうか。
気合十分だな、よろしく頼むぞ。」


「はい!会長さんが部長ですか?」


「皇でいい…そうだ。何かわからないことがあれば聞け。」


「皇…担任と被るので、秀先輩でも良いですか…?」


そう、ここでッ!!!名前呼びチャレェェェェンジ!!!

何を隠そう、俺は積極的で熱いパッションを持った男だからな。
これぐらいのチャレンジは朝飯前なのだ。

すると会長は眉を顰めた。


「後輩からそんな要求を受けたのは…お前が初めてだ。」


「あれ、そうなんですか!じゃあ部長さんで…」


チッ、チャレンジ失敗か…と沈んでいると
会長が俺の話を遮る様に話し始めた。


「いや、好きに呼べ。構わない。」


「…秀先輩?で、いいんですか?」


「あぁ。」


「ありがとうございます!よろしくお願いします、秀先輩!」


「まあ、悪い気はしないな。」


先ほどの表情とは打って変わり、秀先輩もどことなく嬉しそうな雰囲気を醸し出していた。

予想外の嬉しいイベントに、今後の展開にワクワクしながら紙飛行機量産機と化した里田を迎えに向かった。
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