BLゲームのモブ(俺)は誰にも見つからないはずだった

はちのす

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もしかして #○○

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「(なんかよく分からないけど、勘違いされていそうなことは分かった)…ねえ黒木、今日部活ないし、一緒に帰らん?」


「うん、一緒に帰ろう」


「わ~い!!!」


キタキタ!友情エンド回収のかほり…!

握られたままの手には疑問が残るが、
回収が割と難しい友情エンドフラグがチラついて来たし、なんとか頑張れる気がするぞ!!



あっという間に放課後。
俺はいつも通り担任に目をつけられながら、寸のところでペナルティを回避するという神業を成し遂げていた。

ボーッとしてただけで、寝てはいないからね!!!!


「田中君。」


「あ、黒木!さっさとかえろーぜ!!主人に見つかる前に!!!」


忘れていたがアイツ帰宅部だった。
もし二人でいるのがバレれば、友情エンド回収が難しくなるんだよ…

エピソード回収は基本的にタイマン張って得るものだからな!!


「うん、そうしよ。」


黒木は最近辿々しさや、控えめ過ぎる面がなくなり、しっかりとした会話を交わせるようになって来た。

俺を見る目は相変わらず淀んでいるが、
良い兆しなのかもな。


校門を出たあたりで、黒木が話しかけてくる。


「田中君、寄り道しない?」


「え?どこに行くん??俺家めっちゃ近いんだけど…」


何とこのゲーム、かなりの親切設計で、学校から家まで徒歩10分なのだ。

商業施設のような立ち寄れる場所も、特には無いんだよなぁ…


「俺のウチ。」


「えっ、黒木ん家?!いいの?!」


「うん。田中君ならいつでも。」


何を隠そう、俺は学校帰りに友達の家に行く、という一大イベントを経験したことがない。

原因は基本的に家から徒歩数分の学校に通っていたこと、そもそも友達がいなかったことの2点だ。

な、泣いてなんかないからな!!!!


「学校入ってから友達ん家初めて行くな~!!!めっちゃワクワクする!!」


「初めて…?」


黒木は隣の俺をジッと見つめ、ニコリと微笑んだ。

その淀んだ目が、一瞬ギラリと光った気がした。
…気がした、だけだよな?


それから数分歩くと、割とすぐに黒木の家に到着する。

都会っぽい高層マンションだ。
うわ、もしかして黒木って金持ち???


「へぇ~黒木の家、マンションなんだ!」


「そうだよ。俺一人暮らしだから。」


「へぇ、一人暮らし…一人暮らし?!」


高校生の一人暮らしにしては、家豪華すぎない?!

挙動不審になる俺を気にもせず、高級そうなマンションに入っていく。

テンプレ的に高層マンションの最上階!というわけではなく、中間層くらいでエレベーターは止まった。


「どうぞ。」


「え、あ、ありがと…」


黒木に促され入った部屋は、物が少ないが、デザイン性の高い家具ばかりだった。

カッコいい男の一人暮らし、と言った感じだ。


そこのソファに座ってて、と言われてドギマギしながら座った。


「めちゃくちゃオシャレやん…」


「そう?ありがとう。コーヒーでいい?」


言いながら、黒木は俺の前にコーヒーの入ったマグカップ、ミルクと砂糖を数個置いた。


(この男…!できる…ッ!!!)


俺が昼休みにコーヒー牛乳をいつも飲んでいるのを見ていた模様。

これじゃあヤンデレというか、スパダリだ。


「田中君。」


ボーッとコーヒーを眺めていると、
いつかの日と同じように、音もなく黒木が隣に座っていた。

近くで見ると、更に際立って見えるその顔立ち。
顎線は細く、目は二重だけど切れ長で、どちらかというと、暗がりに潜むドラキュラのような雰囲気を漂わせている。

あれ、黒木ってこんな印象だったっけ?


「ひゃいっ!!!」


「緊張してる…?」


「(し、してないです…っ!)」


声にならない声をあげてしまう。
それもそのはず、黒木は朝と同じように、俺の手を取り軽く握りながら、肩を寄せてきていた。

吐息がかかりそうな距離に、仰天した俺は小動物のようにフリーズしてしまう。


(これが、イケメン黒木の実力か…ッ)


「確かに、田中君、すごい良い香りする。」


俺の首や手に鼻を近づけると、スンスンと鼻を鳴らして嗅いでいる。

そして顔を背けていた俺の顎に触れると、
目線を合わせた。

少し淀んでいるが、何かの感情が溢れ出しそうな目と視線が合い、背筋がゾクッと震える。


「何て言うんだろう…食べちゃいたい、感じ。」


「~~~~ッ?!!」


これ、この甘ったるい雰囲気!!!


「(もしかして #恋愛ルート…!)」
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