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即行動の漢、田中。
しおりを挟む「ただいまっ…イハウス!!!!」
思わずいつもの合言葉を言い忘れてしまうところだった。
「パソコンパソコン…」
俺は帰ってきた時の格好のまま、パソコンを弄り始める。
アーカイブを確認してみると…
「あぁぁぁぁ……」
主人: ✔︎初期 ✔︎友情 ✔︎R18
里田: ✔︎初期 ✔︎友情 ✔︎R18
黒木: ✔︎初期 ✔︎友情 ✔︎R18
嘉賀: ✔︎初期 ✔︎友情 ✔︎恋愛
皇秀: ✔︎初期 ✔︎友情 ー?
皇輝: ✔︎初期 ✔︎友情 ✔︎R18
+他2エピソード
「やっぱりかぁあ…」
秀先輩のエピソードは回収出来ていなかった。
もう次の部活を待つことはできない。
月曜日に会う約束も出来ていないし、勿論連絡先も知らない。
「クリア目前で…」
折角、嘉賀先輩から助け出してくれて仲が深まったと思ったのに…
(…ん?嘉賀先輩…??)
あ、やばい…嘉賀先輩に一方的に『またね!』とか言って帰ってきちゃった…!!!
公衆の面前でキスされるって言うハプニングを起こしたにしても、あまりに対応が酷かったかもしれない。
怒ってるよな、きっと。
「挨拶も出来てないしなあ…」
ソワッ…
「ウッ!!気になり出してしまった…。」
(俺は気になり出したら止まらないんだよ…)
1気になったら100まで気になるタイプだ。
心配性とも違うけど、厄介な性格。
「先輩、まだ屋上で寝てたりしないよな…?」
もしかしたら道中秀先輩に会えるかもしれないし!
俺は後先考えず、ついさっき帰ってきたはずの道を急いだ。
*******
「こ、こうしゃ…ついた…」
まだ運動部は活動している時間らしく、体育館には灯が灯っていた。
「毎日大変だなあ~」
とぼやきながら旧校舎に移動する。
まだ施錠する時間ではないのか、鍵はかかっておらず出入りは自由に出来た。
ただ、校舎は薄暗い状態で、ちょっとした肝試しって感じだ。
「嘉賀先輩に湯たんぽにされた日はもっと暗かったなあ……思い出したくないけど。」
道中で秀先輩を見かけることはなく、
ついに屋上まで辿り着いてしまった。
(自分で来ておきながら何言ってんだって感じだけどね。)
「たのもぉ~!!!!!」
ギィィッと音を立てて開いたドアに反応する人は誰もいない。
「ここにはいないか…あ、」
もしかして、まだ寝てる…?
貯水槽付近にいるかもしれない、と思い直し梯子を登る。
しかし、
「やっぱいないか~!!」
そこに人影はなかった。
俺はいつも嘉賀先輩が横になっているあたりにゴロリと寝転ぶと、両手足をジタバタしてみた。
あ、夕日が綺麗。
「うーー!!!最後に挨拶くらいしときたかったーっ!!!」
「何が最後だって?」
「だから転校前に挨拶を…ぎぇっ?!?!?!!!」
突然、視界が暗くなったかと思ったら人の顔が俺を上から覗き込んでいた。
真正面に広がる銀の髪と良い顔に、驚いて変な声が出てしまった。
「転校…?」
思いがけず転校のことを話してしまった。
みるみるうちに、嘉賀先輩の顔は怖くなっていく。
「あ、そ、そうなんですぅ~…」
「なんだ田中ァ、俺から逃げる気か。」
「ち、違いますよう!!だって挨拶に来たじゃないですか!!やむを得ない事情です。」
「…どうだかな。」
先輩はどかっと隣に座ると、小さな声で続ける。
「ようやく楽しいと思えたんだがな…ここも。」
「嘉賀先輩…」
「またお前がいないとなると、パンが手に入らなくなる。」
「パシリですか?!俺!!!」
「…嘘だ。パンぐらいどうにでもなる。」
嘉賀先輩はおもむろ立ち上がると、寝っ転がったまま上体を起こしている俺を見下ろした。
「つまんねぇな、お前も…俺も。」
「…へ?」
先輩は、半分起き上がっていた俺の肩を押し、再び地面と仲良くさせた。
「なに…、!」
一瞬目を瞑ったその瞬きの間、先輩は身を乗り上げて、俺を地面に縫い付ける。
「お前は息をする様に嘘をつくし、俺はそんなお前を繋ぎ止めようとしてる…滑稽だな。」
鋭い眼光で睨まれ、初めて会った日のことを思い出す。
ああ、これが嘉賀先輩の本気の目か。
俺は重なる唇を避けることが出来ないまま、
身を震え上がらせた。
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