BLゲームのモブ(俺)は誰にも見つからないはずだった

はちのす

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DLC本編

呼び出されてない!

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江隅との初めての共同作業(?)も無事終了し、クラスにそこそこ馴染んできた頃。


「はい、みなさ~ん!ホームルームの時間ですよ」


あっという間に時間が過ぎて、気がつけばもう下校時間になっていたらしい。
園児に話しかけるテンションで入ってきたモブ先生は、プリントの束を抱えていた。


「この間の小テストも返しちゃいます。…赤点だった子は補習だから明日の放課後、文化祭準備が終わったら残るように!」


プンプンというような可愛らしい効果音がつきそうな表情で、テストを返却していく。
みんなそれぞれテストに目を通すと、なんてことないような表情で紙をカバンに詰める。

(うわ~赤点って懐かしいな。久しぶりに聞いた。)

幼馴染にいじめられ、万年ぼっちで過ごしていた俺は、特に何もすることがなく勉強をしてた。
それだけに学校の勉強だけは得意だったから、こればっかりはいじめてくれたやつに感謝…するわけもない!!!!

いじめ撲滅!!イケメン憎し!!と心の中で唱えていると、隣の席から「げ」と呟くような声が聞こえた。


「どしたの」

「あ、いや…なんでもない」


声のした方を見ると、江隅が紙をくしゃくしゃに丸め、カバンに投げ入れているところだった…え?


「…ってちょっとちょっと!!それテスト用紙じゃん。なんでそんなくしゃくしゃに…」

「見間違いでしょ」

「もしや」

「…明日の放課後、予定なくてよかったわ」

「江隅…強く生きろよ」


頭良さそうなのに…と憐れみの目で江隅を見ると、それが伝わってしまったのか、ペンの先で脇腹を強めに突かれた。


「繊細な俺の柔肌になんてことを!」

「服の上からやったし、手加減したよ?」

「えぇ、痛かったもん!これほんと!!」




そうして1日目の体験学習を終えた俺は、ふらふらと千鳥足で職員室に向かっていた。

教室を出る間際、予想通りに『あ、そうだ田中君。帰りに職員室に寄って行ってくれるかな?』とお達しをいただいたのだ。

やはりこうなってしまったか…
“お仕置き“なんて怖いことを言っていた皇先生に見つかる前に、学校を立ち去ろうとしたのに…


「そうだ、職員室とは言ってもまだ先生がいると決まったわけではないしね。見つかる前に帰ろう…うん、そうしよう」


扉の前でうじうじ数分止まっていたが、意を決して扉を開け放った。


「失礼しま~す」


中を窺うと、一つの人影。


「モブせんせ「遅かったじゃねえか」…間違えました失礼しましたぁぁぁあ!!!!」


バタンッ!!

勢いよく扉を閉めたのはいうまでもない。
あれ?おかしいな。幻聴やら幻覚が見えているかもしれない。

モブ先生らしき人影がやたらキラキラオーラを纏っていたような…

汗をかきながらそんな現実逃避をしていると、腕を捕まれ職員室に引き込まれてしまった。


「ウグゥ!!」

「待っててやったのにその仕打ちか」

「だ、だってモブ先生に呼ばれたのに!!」


肝心の本人いないじゃないですか、というと、皇先生は納得したような表情で頷いた。


「田中のデリバリーをアイツに頼んだのは俺だ。ちなみにアイツには早々に帰ってもらった」

「裏切り者ぉおお!!」

「ま、諦めて座れよ…時間はたっぷりある」


促されて座ったスペースは、応接室のようなスペースで、外からは間仕切りで目隠しされている。

(…捕食される)

なんとなく悟ってしまった。なんてったって、悟君だからね!
焦りっぱなしの脳内では意味不明なことを考えまくっているが、外面はきちんとソファに着席している様は滑稽だ。

先生はそんな俺を気にする事もなく、俺の向かいで長い足を優雅に組んでいた。
表情はまさに獲物を捕まえた肉食獣。

恐る恐る視線を合わせると、先生は口角をあげ獰猛な笑みを浮かべた。


「さて、逃げ回ったツケをどう払ってもらおうか…なぁ、ダーリン?」
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