48 / 80
第47話 健気な想い
しおりを挟む
翼の不在で、フラップ・フリーリーにも混乱が生じていた。
バンドのメンバーは、ヴォーカルの翼が居ない事によってライヴ活動を休止せざるを得なくなっていた。
この先翼が戻るのか否か、先行き不透明なことから、フラップ・フリーリーの方向性も定まらぬまま不安な時を過ごすことになる。
そして、キラリのレディースチームのメンバー達も、キラリが全くレディースの活動をしなくなったことに心配の声が上がっていた。
そして翼が戻って来なくなってから時は過ぎ、キラリも二学期を迎える。
薫「キラリ~、起きなさい!今日から学校だよ!」
珍しくキラリは既に目が覚めていた。
キラリ「母ちゃん………学校行きたくない………」
キラリはベッドの布団の中で目だけ出して薫に駄々をこねる。
薫「何言ってるの。ちゃんと高校ぐらいは行かなきゃダメ!せっかく今まで翼が頑張ってキラリの成績上げてくれたんだから!」
キラリ「もう勉強する意味無くなっちゃったもん………」
薫「キラリ………そうじゃないでしょ!勉強は翼の為じゃ無くて、自分自身の為なんだよ?」
キラリ「どうして?どうして私のため?私みたいな頭の悪いやつが高校出たからって、結局社会に出たらそういう扱いしかされないんじゃない?」
薫「………わかった。じゃあ学校行かなくていいよ。自分のことは自分で決めさせてあげる。行かないならさっさと学校辞めてすぐに家を出て働いてもらうよ!」
キラリ「べ……別に辞めるなんて……」
薫「キラリはいいよね………自分の人生自分で決めて選択することが出来るんだから………翼はどうだろうね………おそらく親の会社継がなきゃならなくなって連れ戻されたんだろうさ………」
キラリ「そうなの?」
薫「翼からハッキリ聞いたことは無いけど、おそらくあの子の実家は相当な大金持ちで、大企業の子息だと私は思うよ。
本来ウチなんかに居ること自体場違いなんだよ。
だから、本人がどんなに抵抗してみても、生き方を簡単に選ぶ事すら出来ないんだよ………でも、翼は言ってたよね?キラリには学校卒業して欲しいって………きっと翼は、キラリがちゃんと卒業してこれからの人生の選択肢の幅を拡げて欲しいんだと思うよ。いつか翼が再びキラリの前に現れた時に、キラリが中途半端な気持ちで今までの努力を全てドブに棄ててしまったことを知ったらどう思うだろうね………」
キラリ「母ちゃん………」
薫「別に私はいいよ………キラリの人生なんだから………いつまでも子供では居られないし………」
キラリ「母ちゃん………ゴメン………なさい………私………ちゃんと学校行く………」
薫「そう?じゃあ早く支度しないと、始業式から遅刻してたら内申にも響くぞ!」
キラリ「はい………」
翼………また………会えるかな………もし会えたとしても………次に会ったら翼は大企業の社長なのかな………
翼が凄く遠くに行っちゃったような気がする………
翼………
それからキラリは毎日学校に通い、そして帰宅後は熱心に一人で勉強に取り組んでいた。
そして、いつもいつもキラリの中で、翼がすぐ側に居るイメージをしながら妄想の中で翼に甘える。
そんなある日
うーん………ここ難しいなぁ………
キラリ「ねぇ、翼~………ここちょっとよくわかんないんだけど?」
キラリは思わずここに翼が居るものだと思って振り返った。
キラリ「あっ………」
振り返ったそこには、薫が立っていた。
薫「キラリ………」
キラリ「か……母ちゃん………」
薫はキラリが大好きなジュースを手に持っていた。
薫「キラリ、こっち来て!」
薫はキラリのベッドの上に座り、自分の横に座るように促した。
キラリは椅子から立ち上がり、ゆっくり薫の横に座る。
そして薫がキラリにジュースを手渡して、ギュッと我が子を抱き締めた。
キラリ「か……母ちゃん……?」
薫「キラリ………愛してるよ………」
キラリ「え!?」
薫は健気に翼のことを一途に想い続ける我が子がたまらなくいとおしくなっていた。
キラリ「ど………どうしたの?何か変だよ?」
薫「キラリ………寂しいだろうに………よく頑張ってるね………」
うん………だって………いつか神様は………私の前に翼を連れてきてくれるかも知れないから………
あの時翼が言ったもん………神様信じろって………
きっと………きっといつか神様が私の願い事聞いてくれて………また翼と会わせてくれるから………
だから………その時まで………ちゃんと勉強して………
そしてまた翼に言って欲しいんだもん………
キラリ………よく頑張ったね!
ほんとお前は凄いよ!
お前はほんと可愛いな!
お前みたいなの………俺は嫌いじゃないよ………
いつか………いつかまた言って欲しいんだもん………
翼………
翼に会いたい………
また優しく頭を撫でて………
そして抱き締めて欲しい………
もし今度会えたら………その時は………
私ちゃんと素直になる……………
素直になって………
ちゃんと………
翼のこと………
バンドのメンバーは、ヴォーカルの翼が居ない事によってライヴ活動を休止せざるを得なくなっていた。
この先翼が戻るのか否か、先行き不透明なことから、フラップ・フリーリーの方向性も定まらぬまま不安な時を過ごすことになる。
そして、キラリのレディースチームのメンバー達も、キラリが全くレディースの活動をしなくなったことに心配の声が上がっていた。
そして翼が戻って来なくなってから時は過ぎ、キラリも二学期を迎える。
薫「キラリ~、起きなさい!今日から学校だよ!」
珍しくキラリは既に目が覚めていた。
キラリ「母ちゃん………学校行きたくない………」
キラリはベッドの布団の中で目だけ出して薫に駄々をこねる。
薫「何言ってるの。ちゃんと高校ぐらいは行かなきゃダメ!せっかく今まで翼が頑張ってキラリの成績上げてくれたんだから!」
キラリ「もう勉強する意味無くなっちゃったもん………」
薫「キラリ………そうじゃないでしょ!勉強は翼の為じゃ無くて、自分自身の為なんだよ?」
キラリ「どうして?どうして私のため?私みたいな頭の悪いやつが高校出たからって、結局社会に出たらそういう扱いしかされないんじゃない?」
薫「………わかった。じゃあ学校行かなくていいよ。自分のことは自分で決めさせてあげる。行かないならさっさと学校辞めてすぐに家を出て働いてもらうよ!」
キラリ「べ……別に辞めるなんて……」
薫「キラリはいいよね………自分の人生自分で決めて選択することが出来るんだから………翼はどうだろうね………おそらく親の会社継がなきゃならなくなって連れ戻されたんだろうさ………」
キラリ「そうなの?」
薫「翼からハッキリ聞いたことは無いけど、おそらくあの子の実家は相当な大金持ちで、大企業の子息だと私は思うよ。
本来ウチなんかに居ること自体場違いなんだよ。
だから、本人がどんなに抵抗してみても、生き方を簡単に選ぶ事すら出来ないんだよ………でも、翼は言ってたよね?キラリには学校卒業して欲しいって………きっと翼は、キラリがちゃんと卒業してこれからの人生の選択肢の幅を拡げて欲しいんだと思うよ。いつか翼が再びキラリの前に現れた時に、キラリが中途半端な気持ちで今までの努力を全てドブに棄ててしまったことを知ったらどう思うだろうね………」
キラリ「母ちゃん………」
薫「別に私はいいよ………キラリの人生なんだから………いつまでも子供では居られないし………」
キラリ「母ちゃん………ゴメン………なさい………私………ちゃんと学校行く………」
薫「そう?じゃあ早く支度しないと、始業式から遅刻してたら内申にも響くぞ!」
キラリ「はい………」
翼………また………会えるかな………もし会えたとしても………次に会ったら翼は大企業の社長なのかな………
翼が凄く遠くに行っちゃったような気がする………
翼………
それからキラリは毎日学校に通い、そして帰宅後は熱心に一人で勉強に取り組んでいた。
そして、いつもいつもキラリの中で、翼がすぐ側に居るイメージをしながら妄想の中で翼に甘える。
そんなある日
うーん………ここ難しいなぁ………
キラリ「ねぇ、翼~………ここちょっとよくわかんないんだけど?」
キラリは思わずここに翼が居るものだと思って振り返った。
キラリ「あっ………」
振り返ったそこには、薫が立っていた。
薫「キラリ………」
キラリ「か……母ちゃん………」
薫はキラリが大好きなジュースを手に持っていた。
薫「キラリ、こっち来て!」
薫はキラリのベッドの上に座り、自分の横に座るように促した。
キラリは椅子から立ち上がり、ゆっくり薫の横に座る。
そして薫がキラリにジュースを手渡して、ギュッと我が子を抱き締めた。
キラリ「か……母ちゃん……?」
薫「キラリ………愛してるよ………」
キラリ「え!?」
薫は健気に翼のことを一途に想い続ける我が子がたまらなくいとおしくなっていた。
キラリ「ど………どうしたの?何か変だよ?」
薫「キラリ………寂しいだろうに………よく頑張ってるね………」
うん………だって………いつか神様は………私の前に翼を連れてきてくれるかも知れないから………
あの時翼が言ったもん………神様信じろって………
きっと………きっといつか神様が私の願い事聞いてくれて………また翼と会わせてくれるから………
だから………その時まで………ちゃんと勉強して………
そしてまた翼に言って欲しいんだもん………
キラリ………よく頑張ったね!
ほんとお前は凄いよ!
お前はほんと可愛いな!
お前みたいなの………俺は嫌いじゃないよ………
いつか………いつかまた言って欲しいんだもん………
翼………
翼に会いたい………
また優しく頭を撫でて………
そして抱き締めて欲しい………
もし今度会えたら………その時は………
私ちゃんと素直になる……………
素直になって………
ちゃんと………
翼のこと………
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
エモパレ ―感情が見えるぽっちゃりな私が、オジさま副局長を無自覚なまま搦め捕るまで―
久乃亜
恋愛
前世の記憶を持つぽっちゃり看板娘ハルネは、
人の「感情の色」が視える魔眼『エモパレ』と、持ち前の経営手腕で、実家の香房を切り盛りしていた。
そんなある日、とある事件から、
オジさま――第二調査局副局長、通称「鬼のヴァルグレイ」に命を救われ、
ハルネの理想のオジさま像に、一瞬で恋に落ちる。
けれど、彼がハルネに告げたのは、愛の言葉ではなく
――理不尽な『営業停止』の通告だった!?
納得いかないハルネは、自らの足と異能で犯人を追い詰めることを決意する。
冷徹で無表情な彼だが、なぜかハルネに同行し、過保護なまでに手伝ってくれて……?
「人生2週目」のポジティブぽっちゃり娘と、不器用な冷徹最強騎士が織りなす、
お仕事×捜査×じれじれの初恋溺愛ファンタジー!
※ 第1部(1~3章)完結済み。 毎日投稿中
課長のケーキは甘い包囲網
花里 美佐
恋愛
田崎すみれ 二十二歳 料亭の娘だが、自分は料理が全くできない負い目がある。
えくぼの見える笑顔が可愛い、ケーキが大好きな女子。
×
沢島 誠司 三十三歳 洋菓子メーカー人事総務課長。笑わない鬼課長だった。
実は四年前まで商品開発担当パティシエだった。
大好きな洋菓子メーカーに就職したすみれ。
面接官だった彼が上司となった。
しかも、彼は面接に来る前からすみれを知っていた。
彼女のいつも買うケーキは、彼にとって重要な意味を持っていたからだ。
心に傷を持つヒーローとコンプレックス持ちのヒロインの恋(。・ω・。)ノ♡
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
年下男子に追いかけられて極甘求婚されています
あさの紅茶
恋愛
◆結婚破棄され憂さ晴らしのために京都一人旅へ出かけた大野なぎさ(25)
「どいつもこいつもイチャイチャしやがって!ムカつくわー!お前ら全員幸せになりやがれ!」
◆年下幼なじみで今は京都の大学にいる富田潤(20)
「京都案内しようか?今どこ?」
再会した幼なじみである潤は実は子どもの頃からなぎさのことが好きで、このチャンスを逃すまいと猛アプローチをかける。
「俺はもう子供じゃない。俺についてきて、なぎ」
「そんなこと言って、後悔しても知らないよ?」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜
侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」
十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。
弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。
お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。
七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!
以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。
その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。
一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる