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第67話 終わりと始まり
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翼が部屋を出たあとすぐに翼の父は歩実に電話をかけた。
歩実「はい、もしもし?おじ様どうなされました?」
翼の父「歩実お嬢さん……言いにくいんだが……私はあの娘から翼を諦めさせるように仕向けて欲しいとは頼んだが、犯罪まがいのことまでやって欲しいとは言った覚えは無いんだ…君のやり方はちょっと度が過ぎている……一歩間違えば犯罪の片棒どころか主犯格として捕まってもおかしくないのだよ?なぜそんなことまでやってしまったんだね?」
翼の父は頭を抱えながら話している。
歩実はその言葉を聞いて、まるで奈落の底に突き落とされたような錯覚に陥っていった。
歩実「お……おじ様?だって……だって私は……おじ様が喜んでくれると思って……翼にもあんなおバカな女なんて似合わないし……斎藤家にも相応しく無いって思って……だから……だからおじ様の為に……」
翼の父「いいかね?何事にも程度というものがあるのだよ?君がしたことはまぎれも無く犯罪なのだよ……そのやり方が正しいのか正しく無いのかの分別はいくら何でも君にも付くだろうと思っていたのだが……ちょっと君には失望したよ……悪いが君のお父さんにもこの件に関しては話させてもらうよ……」
歩実「お……おじ様ちょっと待って下さい!私はおじ様の……」
翼の父「とにかくわかったね?これ以上あの娘には一切何もしてはいけないよ?」
そう言って返事を待たずに電話を切ってしまった。
そんな……何で!?どうして!?私はおじ様が喜んでくれると思ってやったのに……あの女を地獄に叩き落として斎藤家を諦めればおじ様だって助かると思ったのに……全部……全部おじ様や翼の為を想ってやったことなのに……おかしいじゃない!そんなのおかしいわよ!!!どうして私が悪者に変わるわけ?全てはあの女が悪いんじゃない!!!許せない!!!絶対許せない!!!もうあの女……死んでしまえば良いんだわ!そうよ……それが一番みんな幸せになれるのよ……
歩実の頭の中はもうキラリに対する復讐の感情にとり憑かれてまともな判断が出来なくなってしまっていた。
そしてそこへ歩実のスマホに着信……
歩実の父「もしもし?歩実か……ハァ~……どうやらお前はとんでもないことをしでかしてくれたようだな……今会長から連絡があった……会長は酷くご立腹のご様子だ…仕方ないからお前を留学という体(てい)で海外に送り出さなければならなくなってしまった……ま、これも自業自得だから仕方ないな……」
歩実の父は一方的に話して電話を切ってしまった。
歩実はその場に呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。
~翌日~
キラリが授業を終え学校の校門を抜けていくと、見慣れないシルバーの高級車から運転手の男が降りてきて、キラリに一礼し歩み寄って来た。
運転手「お疲れ様でした。キラリさん、社長がお呼びですのでご同行願います」
隣に居た凛花が
凛花「キラリ……この間会った人のことだよ……花嫁修業の話ししてたでしょ?」
キラリ「うん……なんか緊張するな……」
凛花「私もついて行こうか?」
運転手「いえ、キラリさんお一人で来て頂きます。これはキラリさんのお仕事ですので、お友達にはご遠慮願います」
キラリは凛花の方へ向いて強くうなずいて見せた。
キラリ「凛花……ありがとう……私さ、昨日翼に会えるかもって時に改めて思ったんだ。今は会えなくて凄く辛いけど、いつかは翼とずっと一緒に居られるようになるなら、どんな事でも頑張れるって……やっぱ私には翼が必要だからさ……それしか翼に会う可能性が無いならそれに賭けるよ!」
凛花「……………そっか、わかった!行ってらっしゃいキラリ!」
キラリは凛花が今自分のことを本気で心配してくれていることを理解している。そして全力で応援してくれていることも。
だからただ一言
キラリ「うん!」
と、うなずいて運転手の男に
キラリ「お願いします」
と言って促されるままに乗り込む。
凛花は振り返ることも無く行ってしまったキラリの背中に
キラリ……頑張れ!恋も全力で行けぇ~~~!!!
と心の中で叫んでいた。
~とある高層ビル~
キラリは高層ビルの建ち並ぶ一等地の会社と思わしきビルに到着した。車を降りてすぐに一人の若い女性がキラリを出迎えていた。
その若い女性はスーツを綺麗に着こなし、凛とした立ち振舞いでキラリは思わず憧れの眼差しで見入ってしまう。
エントランスのガラスには〝Future Tycoon〟(将来の大物)と書かれているが、キラリにはこれが何を意味するものか理解出来なかった。
ただ、それは会社名なのだろうと何となく感じ取っていた。
このビルは本社のグループ会社で、あらゆる人材育成を目的とした用途として設けられたものである。
入口自動ドアを抜け広いエントランスに入ると、若い女性はキラリをエレベーターの方へ誘う。
25階の所でエレベーターは止まり扉が開く。
若い女性「どうぞこちらです」
そう言って先にエレベーターを降りてキラリを殺風景なだだっ広い部屋に招き入れた。
そこは、壁に鏡がぐるりと貼られ、窓はどこにも存在しない。真ん中辺にポツンと大きなテーブル一つとパイプ椅子が数脚並べられている。
若い女性「どうぞあちらの席でお待ち下さいませ」
そう言ってテーブルの方を指差しキラリを座らせ退室した。
歩実「はい、もしもし?おじ様どうなされました?」
翼の父「歩実お嬢さん……言いにくいんだが……私はあの娘から翼を諦めさせるように仕向けて欲しいとは頼んだが、犯罪まがいのことまでやって欲しいとは言った覚えは無いんだ…君のやり方はちょっと度が過ぎている……一歩間違えば犯罪の片棒どころか主犯格として捕まってもおかしくないのだよ?なぜそんなことまでやってしまったんだね?」
翼の父は頭を抱えながら話している。
歩実はその言葉を聞いて、まるで奈落の底に突き落とされたような錯覚に陥っていった。
歩実「お……おじ様?だって……だって私は……おじ様が喜んでくれると思って……翼にもあんなおバカな女なんて似合わないし……斎藤家にも相応しく無いって思って……だから……だからおじ様の為に……」
翼の父「いいかね?何事にも程度というものがあるのだよ?君がしたことはまぎれも無く犯罪なのだよ……そのやり方が正しいのか正しく無いのかの分別はいくら何でも君にも付くだろうと思っていたのだが……ちょっと君には失望したよ……悪いが君のお父さんにもこの件に関しては話させてもらうよ……」
歩実「お……おじ様ちょっと待って下さい!私はおじ様の……」
翼の父「とにかくわかったね?これ以上あの娘には一切何もしてはいけないよ?」
そう言って返事を待たずに電話を切ってしまった。
そんな……何で!?どうして!?私はおじ様が喜んでくれると思ってやったのに……あの女を地獄に叩き落として斎藤家を諦めればおじ様だって助かると思ったのに……全部……全部おじ様や翼の為を想ってやったことなのに……おかしいじゃない!そんなのおかしいわよ!!!どうして私が悪者に変わるわけ?全てはあの女が悪いんじゃない!!!許せない!!!絶対許せない!!!もうあの女……死んでしまえば良いんだわ!そうよ……それが一番みんな幸せになれるのよ……
歩実の頭の中はもうキラリに対する復讐の感情にとり憑かれてまともな判断が出来なくなってしまっていた。
そしてそこへ歩実のスマホに着信……
歩実の父「もしもし?歩実か……ハァ~……どうやらお前はとんでもないことをしでかしてくれたようだな……今会長から連絡があった……会長は酷くご立腹のご様子だ…仕方ないからお前を留学という体(てい)で海外に送り出さなければならなくなってしまった……ま、これも自業自得だから仕方ないな……」
歩実の父は一方的に話して電話を切ってしまった。
歩実はその場に呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。
~翌日~
キラリが授業を終え学校の校門を抜けていくと、見慣れないシルバーの高級車から運転手の男が降りてきて、キラリに一礼し歩み寄って来た。
運転手「お疲れ様でした。キラリさん、社長がお呼びですのでご同行願います」
隣に居た凛花が
凛花「キラリ……この間会った人のことだよ……花嫁修業の話ししてたでしょ?」
キラリ「うん……なんか緊張するな……」
凛花「私もついて行こうか?」
運転手「いえ、キラリさんお一人で来て頂きます。これはキラリさんのお仕事ですので、お友達にはご遠慮願います」
キラリは凛花の方へ向いて強くうなずいて見せた。
キラリ「凛花……ありがとう……私さ、昨日翼に会えるかもって時に改めて思ったんだ。今は会えなくて凄く辛いけど、いつかは翼とずっと一緒に居られるようになるなら、どんな事でも頑張れるって……やっぱ私には翼が必要だからさ……それしか翼に会う可能性が無いならそれに賭けるよ!」
凛花「……………そっか、わかった!行ってらっしゃいキラリ!」
キラリは凛花が今自分のことを本気で心配してくれていることを理解している。そして全力で応援してくれていることも。
だからただ一言
キラリ「うん!」
と、うなずいて運転手の男に
キラリ「お願いします」
と言って促されるままに乗り込む。
凛花は振り返ることも無く行ってしまったキラリの背中に
キラリ……頑張れ!恋も全力で行けぇ~~~!!!
と心の中で叫んでいた。
~とある高層ビル~
キラリは高層ビルの建ち並ぶ一等地の会社と思わしきビルに到着した。車を降りてすぐに一人の若い女性がキラリを出迎えていた。
その若い女性はスーツを綺麗に着こなし、凛とした立ち振舞いでキラリは思わず憧れの眼差しで見入ってしまう。
エントランスのガラスには〝Future Tycoon〟(将来の大物)と書かれているが、キラリにはこれが何を意味するものか理解出来なかった。
ただ、それは会社名なのだろうと何となく感じ取っていた。
このビルは本社のグループ会社で、あらゆる人材育成を目的とした用途として設けられたものである。
入口自動ドアを抜け広いエントランスに入ると、若い女性はキラリをエレベーターの方へ誘う。
25階の所でエレベーターは止まり扉が開く。
若い女性「どうぞこちらです」
そう言って先にエレベーターを降りてキラリを殺風景なだだっ広い部屋に招き入れた。
そこは、壁に鏡がぐるりと貼られ、窓はどこにも存在しない。真ん中辺にポツンと大きなテーブル一つとパイプ椅子が数脚並べられている。
若い女性「どうぞあちらの席でお待ち下さいませ」
そう言ってテーブルの方を指差しキラリを座らせ退室した。
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