4 / 19
BA、聖女召喚の儀式に巻き込まれる
4
しおりを挟む「はっ、マジ?」
これが異世界クオリティーか。HPとかそんな感じだよな、ポ◯ケモンみたいな。
どれどれ。
■*■*■*■
トキトウ レン(24) ♂
種族;人間/地球人
体力;2900/3000
マナ;4500/4500
属性;不明
スキル;【異世界のコスメBOX】Lv.1
→トキトウ レンが所有するメイクボックス。地球のコスメやメイクツールが入っている。
尚、一度手にしたコスメ、ツールは全て自動で補填される。
【ヘア&メイクの申し子】Lv.3
→ヘア&メイクを施す事が出来る。
【成分鑑定/生成】Lv.1
→成分の鑑定が出来る ※但し制限有り
トキトウ レンが有する知識を用いて、希望した効能、効果の成分を生成出来る。
加護;無
備考;ハルシファー王国の聖女召喚の儀式に巻き込まれ、サクラダ ヒナコと共に地球から来た異世界人。
■*■*■*■
字面だけ見たら、神スキル! ここが異世界でなければなっ。
しかし、髪もか。ヘアアレンジは専門外のはずだが、出来るのか?
だったら嬉しい。仕事の幅も広がるし。まあ、同じ仕事が出来たらの話だが。
【異世界のコスメBOX】って、俺の仕事道具の事かな。
そういや、俺の荷物どこいった。目が覚めた時は、持ってなかったし、やっぱ消えちまってるーーよな。
体力とマナってのは、基準が分からないから保留だ。
種族のところは、まだ分かるとして。
この性別表記はどうにかならないのか? ♂って言われると違和感が強い。
間違ってはないんだが、男じゃダメなのか。加護もねーし。
普通、異世界モノは加護なりチートなりがあるもんじゃねぇの?
これじゃ、自立は当分先になりそうだ。
24歳独身、健康体、男。あだ名は国のヒモ、とかになったらどうしよう。
小心者な日本人魂が、NOと言っている。
「ハァ、仕事探そ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
王城の一角、ハルシファー国王の執務室では錚々たるメンバーが机を囲って居た。
「此度は、皆ご苦労だった。
ではウイリアムから報告を始めてくれ」
一際威厳を放つ男アルフォンス・ハルシファーは、魔術師団団長ウイリアム・ドバースに視線をやった。
「ハッ。本日予定しておりました召喚の儀は成功し、無事 聖女ヒナコ樣をお迎えする事が出来ました。
尚、儀式を実行した上級魔術師8名、中級魔術師21名は全員マナが欠乏し、3ヶ月程度の休養が必要かと思われます。斯く言う私奴も、1ヶ月は初級以上の魔術は行使出来ないでしょう。
また、中級魔術師の中には、恐らく今後魔術を一切使えない者も数名居る様です」
「…そうか、大義であった。
して、聖女殿以外にも男が1人召喚されたと聞いたが、その者は何者だ。
もしや、勇者や聖女に関する何かか」
「分かりませぬ。すぐに歴史学に精通する者に調べさせましたが、この様な事案は初めてで、王都に保管されている文献には、記載が有りません。
さらに、儀式中に術の乱れやイレギュラーも発生しなかった事から、儀式自体に問題は無く、聖女様もしくは本人に何らかの力が加わったと推測されます」
「分かった。引き続き調査せよ。
ーーウイリアムはどう思う。その者は我が国の脅威になり得るか?」
アルフォンスの鋭い眼光を向けられたウイリアムは、わずかに眉を顰め視線を下に下げた。
今まで団員や自身の陥った事柄にも、スラスラと淀みなく答えていた老人の憚る姿に、宰相をはじめ、その場に居る面々は動揺した。
「答えられぬのか?
第二王子の報告では、肝は据わっているが別段害はない、とあったが。
ベイリー、そうであったな」
「はい。声色や態度から、その様な素振りは見受けられませんでした。マナの流れも安定していましたし、理性的な人間に見えました。感情的にマナを暴走させる恐れも低いでしょう」
「そうだ、その様にお前から聞いた。
それは自分の判断か? それとも精霊獣の判断か」
その指摘に、突如ベイリーの頭上が淡く光り、小さな鳥が姿を現した。
「勿論、どちらもです」
「ふむ、精霊獣が言うのであれば間違いはないだろうが………ウイリアムよ、何が引っかかっているのだ」
再び彼等の視線が老人へ集中する。
「成功したか確認する為に用意した鑑定士に、聖女様だけでなく、彼も鑑定させました」
「ほう、で」
「体力やマナの数値は平均より少し優れているぐらいでした。
が、属性が不明で、何より加護が文字化けしていたのです」
ーーザワッ
「何だとっ!? それは真か!
鑑定者は誰だ!」
「アルテス教会の総本山、アルテス神殿の神官長テルス樣です。
尤も、神官長のご好意だった為、非公式で記録にも残しておりませんが」
「そういう事か。道理で事前の書類に鑑定士の名が無かったわけだ。
てっきり、聖女を疑うなど不敬と教会に文句を言わせない為だと思っていたが、まさかその教会の権力者とはな」
「左様でございます。申し訳ありません」
「いや、構わん。非公式であれば、教会に借りを作った事にはならん。
おまけに聖女が本物だという確証も得られ、もう1人の人間についても興味深い情報が得られた。結果オーライとでも言うべきか」
「ハッ、ありがとう存じます」
ーーバンッ ガタッ
すると、黙って聞いていた小太りな男、財務大臣マニー・ガンスが勢いよく机を叩いて立ち上がり、意を唱えた。
「陛下っ! それを鵜呑みにしても良いのでしょうか。
アルテス神殿は王国の力が及ばぬ、独立国家です!
件の男の鑑定結果は虚偽かも知れませぬ。属性が不明など、聞いた事もありません。
さらに加護とは、神聖な力。それを神に仕える神官長ともあろう者が鑑定を拒まれるなんて!
そもそも、男は本当に召喚されたのですか?
神官長が細工した可能性も考えられます!」
「私は、マニー卿が言う事にも一理あると思います。ですが陛下、どの様な経緯で来たのであれ、彼の印象については、ベイリー殿下に同意します。
それにアルテス神を信仰するテルス殿が、己の能力を卑下する嘘をつくとは考え難いでしょう」
ジークは、マニーの呈した説に理解を示しながらも、数時間前に出会ったばかりの鴇藤を擁護した。
宰相としての彼の働きぶりを古くから知る一部の者達は、少し驚きながらも同意する様に各々小さく頷いている。
「宰相が言う様に大臣の考えも尤もだ。
だが今回は、これも宰相が言う様に可能性は限りなく低いだろう。ベイリーの精霊獣の事もある。
しばらくは客人として様子を見る事としよう。異議がある者は挙手しろ」
ーーシン…
「決まりだな。その者については、第二王子の預かりとする。
よって先に言った通り、ウイリアムは不問とする。
次、聖女殿の様子を報告せよ」
報告を始めたのは、ベイリーによく似た、少し堅物そうな青年。
王位継承権第1位、第一王子ベルヘルム・ハルシファー、その人だ。
「彼女は酷く取り乱している様で、状況を把握するのに時間がかかりそうです。
今は錯乱状態にあった為、侍医長の催眠魔法で眠りについています。
本人から、自身の情報を聞き出せていないので、すぐに行動に移って頂くのは厳しいでしょう」
「ふむ、困ったな。すぐにでも慣れてもらいたかったが仕方あるまい。
明日も同じ状態なら、同郷の男を接触させて説得しろ。
後で、ベイリーと打ち合わせする様に。問題ないな、ベルヘルム」
「……承知しました。必ずや説得してご覧に見せます」
「うむ、任せたぞ」
「ハッ! (クソッ)」
「 (避けられない事とは言え、これは荒れそうだ。
完璧主義で貴族の重鎮にも顔が効く第一王子ベルヘルム様と、気は弱いが庶民に人気の高い第二王子ベイリー様。
ベルヘルム殿下にもう少し柔軟性と気遣う心があれば、非の打ち所がないんだが………こればっかりはどうにもならんな。全てが完璧な王など存在しない。当たり前の事だ。
無いものねだりは良くない。
しかし何故だろう。少し話しただけだが、トキトゥが何か変化をもたらしてくれる様な気がする。
ーーどちらの王子にとっても、良い影響を与えてくれたら喜ばしいのだけどな。
やはりウイリアム殿が言った、加護が1番気がかりだ。私の方でも、歴史学者や教会に当たって見るか)」
今後についての流れや予算、警護、著しく戦力不足に陥った魔術師団員の補充、引継ぎの議題がどんどん進む中、意見をまとめながらも、ジークの心は2人の王子の未来を案じていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ーーーよ、異なる時空を越えた者よ。聞こえるか」
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
召しませ、私の旦那さまっ!〜美醜逆転の世界でイケメン男性を召喚します〜
紗幸
恋愛
「醜い怪物」こそ、私の理想の旦那さま!
聖女ミリアは、魔王を倒す力を持つ「勇者」を召喚する大役を担う。だけど、ミリアの願いはただ一つ。日本基準の超絶イケメンを召喚し、魔王討伐の旅を通して結婚することだった。召喚されたゼインは、この国の美醜の基準では「醜悪な怪物」扱い。しかしミリアの目には、彼は完璧な最強イケメンに映っていた。ミリアは魔王討伐の旅を「イケメン旦那さまゲットのためのアピールタイム」と称し、ゼインの心を掴もうと画策する。しかし、ゼインは冷酷な仮面を崩さないまま、旅が終わる。
イケメン勇者と美少女聖女が織りなす、勘違いと愛が暴走する異世界ラブコメディ。果たして、二人の「愛の旅」は、最高の結末を迎えるのか?
※短編用に書いたのですが、少し長くなったので連載にしています
※この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる