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本編
2-6
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そんなこんなで夕飯。
を食べるつもりだった。本当に。なんだけど、気づいたら寝てた。嘘だぁ!?
「あ、おはよ~。まだ夜だけど」
「……修学旅行だぁ……」
俺のベッドの横で同級生がだらだらしてる。いや同じ年なだけで同級生ではないけど……。
「修学旅行みたいなもんだよ。旅先ってなんもしてなくても疲れるよねぇ」
アーウィン、もはやその気遣いは学級委員というより保健室の先生のレベルに入って来てるんだよな。
「う、うう……体力だけは自信のあるオタクだったのに……」
「気疲れしてたんだろ。ほら、夜食用に食事残してくれてるから」
ルドガーの優しさが沁みる。本当にお腹減ってたから助かる。ありがたくいただこう。
「ほんとごめんな……救世主ってもっとなんかすげー感じの奴来るって思ってただろ……」
寝起きと空腹のせいか弱気になってくる。ほんとに情けなくて申し訳ない。アーウィンもルドガーも、めちゃくちゃいい奴だから余計になんか……ほんとに申し訳ないな。
「いや別に」
「え!?」
って思ってたら間髪入れずに否定されて、出鼻を挫かれる。そんな気遣いしてくれなくてもいいのに!?
「そもそもウチの兄貴があれじゃん。あの感じで本当に人外レベルの天才だからな」
「いや、ユリウスまでいくと逆にそういうキャラっぽいかなっていうか……」
「うちの兄上も、別にそこまで完璧人間ってわけじゃないよ。得意不得意あって当たり前でしょ」
あのクロードに欠点ある!?アーウィンの言葉はさすがに疑った。あの王様までいい感じにしておいて、めちゃくちゃパーフェクトヒューマンすぎるな…って思ってたけど!?
「ぐ、具体的に」
「それ推しの苦手分野知りたいオタク心?」
「と、アーウィンの気遣いがデカすぎるな…って気持ち……」
「いや気遣いじゃなくて、兄上ほんとちょっと変なとこあるよ」
気遣いじゃなくてマジの話らしい。普通に気になってきた。あのクロードの苦手分野というか変なとこ。
「つーかオレも気になんだけど。あのクロードさんの変なとこ」
ルドガーも気付いてないんだ。いや気になるな。
「ほら、恋愛観とか」
「そ、そうなんだ」
「あはは、急に生身の話出てきて動揺してる」
あはは、じゃなくて。
アーウィン、もしかして結構なんというか……図太い系なのか?
「いきなりぶっ込むな。ビビるだろ」
「ルドガーもびっくりするんだ。変じゃない?兄上の恋愛観」
「いや知らんし。なんだよクロードさんの変な恋愛観て」
「ええ?」
話噛み合ってなさそうで笑ってしまった。何年も付き合いありそうなのに、こうなることもあるんだ。
「っていうか、クロード…さんって、恋人いるんだ?」
「あ~、クロードさんて、セシリア皇太女と付き合ってるとか付き合ってないとか噂になりまくってたのに、結局セシリア殿下、別の人と結婚したじゃん。その話か?」
あ、セシリア女王って、ここだとセシリア皇太女なんだ。まあ王様がまだ現役だしそうか。
「いや、その話じゃないんだけど……。え?ほんとにルドガー気付いてない?」
「なにが?」
「気付いてないならノーコメントで……」
「自分で話題振っておいてなんなんだよ」
急にアーウィンが気まずい顔になったので笑ってしまった。
あるよな、みんな知ってる話だと思って持ち出したら、全然そんなことなかった時……覇権アニメだと思ったら俺だけが見てたとき……。
「まあそんなわけで、別に僕ら『救世主』には普通に会話出来たらラッキーぐらいの感じで迎えに行ったから。本当に気にしないでいいから」
「うん……」
まあ無職らしいし、いいのかも。
お腹も少し膨れて、気持ちも落ち着いてきた。
ってところで、ここで鳴るはずのない音がした。
「ユウ。この音、危険はない?」
早速アーウィンに聞かれて、俺は頷いた。
まさかまさかの。
スマホが鳴っている。
「と、遠くの人と会話出来るアイテムなんだけど、ここ電波入んの!?」
「その辺はあとで兄貴に聞こうぜ。多分知り合いからなんだろ」
こういうとき遠慮なくユリウスに丸投げする提案してくれるルドガー助かる!
アーウィンも頷いて促してくれた。交流スキルSSランク初期加入メンバーすぎるありがとう!!
ていうか着信だけど!?着信!?マジで!?
多分親かバイト先か学校のどれか。学校はまだないか。夏休みだし
恐る恐る通知を見る。
日泉灯。
ひ、日泉さんだー!!!???
「はいっ!名取です!!」
『名取くん、今日シフトじゃなかったっけ。遅刻珍しいね』
バイト先のSSSランクしごでき優しい先輩日泉さんだ!!よかった!!でも状況的に良くない!!
ど、どうしよ~~~~。日泉さんにバイトすっぽかし野郎って思われたくないよ~~~~~!!
「あの、ちょっと……その、突然友達に秘境に連れて行かれてまして……」
『秘境。……ええと、危ないバイトとかじゃないよね?』
「え!?労働はしてないんで大丈夫だと思います!ほんと!スローライフしてます!」
闇バイトの心配された。やっぱSSSランク先輩すぎる。涙出てきた。
『そのお友達は大丈夫なお友達?名前は?』
「はいっ!ええと……その……」
アーウィンとルドガーと目が合う。
友だち、って言ってもまあ、許されるかな、許されるよな。
「あ……アーウィンって言って……」
『アーウィン』
「あ、あ、あの、外国の人なんですけど、大丈夫な友達です」
ごめんアーウィン、名前出して。
急に嘘つけなかった。
『そうなんだ。それじゃ、中々繋がらなかったのもそれかな?』
「た、多分そうです!めちゃくちゃ秘境で電波ないんで!」
ていうか、ないと思い込んでたのに電波あってびっくりしたんですよね!?もしかしてこの世界GPSとかもある!?
『僕から家族に連絡しておこうか?出来そうな時にメッセージも送っておいて貰えたら転送しておくから』
「あ、あ、ありがとうございます~ッ!!面接の時の履歴書に親の連絡先あるんでお願いします!」
『うん。でも何かあったらすぐ連絡するんだよ。僕のスマホ、多分比較的繋がりやすいやつだから、気軽に連絡入れてくれていいからね』
「はいっ!!」
日泉さん、なんかめちゃくちゃいいスマホ持ってるんですか!?ちょっと気になったけど、そこ深掘りしてこっちの状況聞かれても困るので、この辺にしておいた。
そうして通話を切って、一息して。
つな……繋が……ってないけど!?電波!?
「便利だね、それ。異世界でも繋がるんだ」
「繋がるはずないのに繋がってて怖いんだけど!?」
「兄貴~聞いてんだろ~解説~」
急に虚空に向かってルドガーがユリウスを呼ぶので、更に怖くなっちゃった。
ベロン、って漫画のページめくるメタ表現みたいにユリウスが出てきてそれどころじゃなくなったけど。
「ウワーッ!!!???」
「ルドガーちゃんてば、お兄ちゃん使い荒いな~」
「そのためにいるんだろ。明日にしたらユウが寝れねーだろこれ」
ルドガーありがとうありがとうありがとう!!ほんとに恐怖体験になりつつある!!電波ないのに通話出来ちゃうのはだめだろ!!
「まあそう。『デンパ』の送受信地点が二重になってるよ、その道具」
「ユリウスさんって科学にも強い!!!???」
チートじゃん!!!!!??????
「いやエネルギーとデータの送受信って意味では、こっちの通信魔法とほぼ同じだからね。送受信地点の半分はこっちだけど、残り半分は救世主くんがこっちに来る前の場所に残ってるよ。そこ頼りに繋がったんだろうね」
「でも他の通信機能全部だめになってるんですよ!?」
「相手がこっちに『繋がりやすい』タイプだったのかもね。救世主くんもそのタイプだから救世主として召喚されたんだろうし……」
日泉さん、たしかに主人公とか勇者の格のあるタイプだからなぁ……もしかして日泉さんが救世主だったんじゃないかってぐらいの……。
……そうかも……。
「……もしかして日泉さんの方が救世主だったかも……」
「え~?まあどっちでもいいよ。解決しなきゃいけないことまだないし。あ、こっちから通信する時はオレ呼んでくれる?さっき軽くは調べたけど、いろいろ解析試したいから」
「は、はい……」
さっき軽く調べたって、何?部屋にいなかったのに?いやなんか魔術でルドガーの周りの音聞いてるらしいけど、それにしてもそこまでいろいろやれるもんなの?
天才、こわい……。
「というわけで、また明日。夜更かししないで寝なさいよ少年たち」
帰りはドア使って帰るんだ。まあなんか魔力めちゃくちゃ使いそうだもんな、空間移動。
「……ユウ、寝れそうか?」
「ルドガーとアーウィンって……、ざ……雑魚寝とかアリのタイプ?」
情けないけど普通に色々怖い。電話もそうだしユリウスも怖いし。
アーウィンとルドガーは顔を見合わせた。仲良し古馴染みのやりとりだぁ……。
「「アリのタイプ」」
二人同時に言われて、俺はようやくほっとして肩の緊張が解れた気がした。
を食べるつもりだった。本当に。なんだけど、気づいたら寝てた。嘘だぁ!?
「あ、おはよ~。まだ夜だけど」
「……修学旅行だぁ……」
俺のベッドの横で同級生がだらだらしてる。いや同じ年なだけで同級生ではないけど……。
「修学旅行みたいなもんだよ。旅先ってなんもしてなくても疲れるよねぇ」
アーウィン、もはやその気遣いは学級委員というより保健室の先生のレベルに入って来てるんだよな。
「う、うう……体力だけは自信のあるオタクだったのに……」
「気疲れしてたんだろ。ほら、夜食用に食事残してくれてるから」
ルドガーの優しさが沁みる。本当にお腹減ってたから助かる。ありがたくいただこう。
「ほんとごめんな……救世主ってもっとなんかすげー感じの奴来るって思ってただろ……」
寝起きと空腹のせいか弱気になってくる。ほんとに情けなくて申し訳ない。アーウィンもルドガーも、めちゃくちゃいい奴だから余計になんか……ほんとに申し訳ないな。
「いや別に」
「え!?」
って思ってたら間髪入れずに否定されて、出鼻を挫かれる。そんな気遣いしてくれなくてもいいのに!?
「そもそもウチの兄貴があれじゃん。あの感じで本当に人外レベルの天才だからな」
「いや、ユリウスまでいくと逆にそういうキャラっぽいかなっていうか……」
「うちの兄上も、別にそこまで完璧人間ってわけじゃないよ。得意不得意あって当たり前でしょ」
あのクロードに欠点ある!?アーウィンの言葉はさすがに疑った。あの王様までいい感じにしておいて、めちゃくちゃパーフェクトヒューマンすぎるな…って思ってたけど!?
「ぐ、具体的に」
「それ推しの苦手分野知りたいオタク心?」
「と、アーウィンの気遣いがデカすぎるな…って気持ち……」
「いや気遣いじゃなくて、兄上ほんとちょっと変なとこあるよ」
気遣いじゃなくてマジの話らしい。普通に気になってきた。あのクロードの苦手分野というか変なとこ。
「つーかオレも気になんだけど。あのクロードさんの変なとこ」
ルドガーも気付いてないんだ。いや気になるな。
「ほら、恋愛観とか」
「そ、そうなんだ」
「あはは、急に生身の話出てきて動揺してる」
あはは、じゃなくて。
アーウィン、もしかして結構なんというか……図太い系なのか?
「いきなりぶっ込むな。ビビるだろ」
「ルドガーもびっくりするんだ。変じゃない?兄上の恋愛観」
「いや知らんし。なんだよクロードさんの変な恋愛観て」
「ええ?」
話噛み合ってなさそうで笑ってしまった。何年も付き合いありそうなのに、こうなることもあるんだ。
「っていうか、クロード…さんって、恋人いるんだ?」
「あ~、クロードさんて、セシリア皇太女と付き合ってるとか付き合ってないとか噂になりまくってたのに、結局セシリア殿下、別の人と結婚したじゃん。その話か?」
あ、セシリア女王って、ここだとセシリア皇太女なんだ。まあ王様がまだ現役だしそうか。
「いや、その話じゃないんだけど……。え?ほんとにルドガー気付いてない?」
「なにが?」
「気付いてないならノーコメントで……」
「自分で話題振っておいてなんなんだよ」
急にアーウィンが気まずい顔になったので笑ってしまった。
あるよな、みんな知ってる話だと思って持ち出したら、全然そんなことなかった時……覇権アニメだと思ったら俺だけが見てたとき……。
「まあそんなわけで、別に僕ら『救世主』には普通に会話出来たらラッキーぐらいの感じで迎えに行ったから。本当に気にしないでいいから」
「うん……」
まあ無職らしいし、いいのかも。
お腹も少し膨れて、気持ちも落ち着いてきた。
ってところで、ここで鳴るはずのない音がした。
「ユウ。この音、危険はない?」
早速アーウィンに聞かれて、俺は頷いた。
まさかまさかの。
スマホが鳴っている。
「と、遠くの人と会話出来るアイテムなんだけど、ここ電波入んの!?」
「その辺はあとで兄貴に聞こうぜ。多分知り合いからなんだろ」
こういうとき遠慮なくユリウスに丸投げする提案してくれるルドガー助かる!
アーウィンも頷いて促してくれた。交流スキルSSランク初期加入メンバーすぎるありがとう!!
ていうか着信だけど!?着信!?マジで!?
多分親かバイト先か学校のどれか。学校はまだないか。夏休みだし
恐る恐る通知を見る。
日泉灯。
ひ、日泉さんだー!!!???
「はいっ!名取です!!」
『名取くん、今日シフトじゃなかったっけ。遅刻珍しいね』
バイト先のSSSランクしごでき優しい先輩日泉さんだ!!よかった!!でも状況的に良くない!!
ど、どうしよ~~~~。日泉さんにバイトすっぽかし野郎って思われたくないよ~~~~~!!
「あの、ちょっと……その、突然友達に秘境に連れて行かれてまして……」
『秘境。……ええと、危ないバイトとかじゃないよね?』
「え!?労働はしてないんで大丈夫だと思います!ほんと!スローライフしてます!」
闇バイトの心配された。やっぱSSSランク先輩すぎる。涙出てきた。
『そのお友達は大丈夫なお友達?名前は?』
「はいっ!ええと……その……」
アーウィンとルドガーと目が合う。
友だち、って言ってもまあ、許されるかな、許されるよな。
「あ……アーウィンって言って……」
『アーウィン』
「あ、あ、あの、外国の人なんですけど、大丈夫な友達です」
ごめんアーウィン、名前出して。
急に嘘つけなかった。
『そうなんだ。それじゃ、中々繋がらなかったのもそれかな?』
「た、多分そうです!めちゃくちゃ秘境で電波ないんで!」
ていうか、ないと思い込んでたのに電波あってびっくりしたんですよね!?もしかしてこの世界GPSとかもある!?
『僕から家族に連絡しておこうか?出来そうな時にメッセージも送っておいて貰えたら転送しておくから』
「あ、あ、ありがとうございます~ッ!!面接の時の履歴書に親の連絡先あるんでお願いします!」
『うん。でも何かあったらすぐ連絡するんだよ。僕のスマホ、多分比較的繋がりやすいやつだから、気軽に連絡入れてくれていいからね』
「はいっ!!」
日泉さん、なんかめちゃくちゃいいスマホ持ってるんですか!?ちょっと気になったけど、そこ深掘りしてこっちの状況聞かれても困るので、この辺にしておいた。
そうして通話を切って、一息して。
つな……繋が……ってないけど!?電波!?
「便利だね、それ。異世界でも繋がるんだ」
「繋がるはずないのに繋がってて怖いんだけど!?」
「兄貴~聞いてんだろ~解説~」
急に虚空に向かってルドガーがユリウスを呼ぶので、更に怖くなっちゃった。
ベロン、って漫画のページめくるメタ表現みたいにユリウスが出てきてそれどころじゃなくなったけど。
「ウワーッ!!!???」
「ルドガーちゃんてば、お兄ちゃん使い荒いな~」
「そのためにいるんだろ。明日にしたらユウが寝れねーだろこれ」
ルドガーありがとうありがとうありがとう!!ほんとに恐怖体験になりつつある!!電波ないのに通話出来ちゃうのはだめだろ!!
「まあそう。『デンパ』の送受信地点が二重になってるよ、その道具」
「ユリウスさんって科学にも強い!!!???」
チートじゃん!!!!!??????
「いやエネルギーとデータの送受信って意味では、こっちの通信魔法とほぼ同じだからね。送受信地点の半分はこっちだけど、残り半分は救世主くんがこっちに来る前の場所に残ってるよ。そこ頼りに繋がったんだろうね」
「でも他の通信機能全部だめになってるんですよ!?」
「相手がこっちに『繋がりやすい』タイプだったのかもね。救世主くんもそのタイプだから救世主として召喚されたんだろうし……」
日泉さん、たしかに主人公とか勇者の格のあるタイプだからなぁ……もしかして日泉さんが救世主だったんじゃないかってぐらいの……。
……そうかも……。
「……もしかして日泉さんの方が救世主だったかも……」
「え~?まあどっちでもいいよ。解決しなきゃいけないことまだないし。あ、こっちから通信する時はオレ呼んでくれる?さっき軽くは調べたけど、いろいろ解析試したいから」
「は、はい……」
さっき軽く調べたって、何?部屋にいなかったのに?いやなんか魔術でルドガーの周りの音聞いてるらしいけど、それにしてもそこまでいろいろやれるもんなの?
天才、こわい……。
「というわけで、また明日。夜更かししないで寝なさいよ少年たち」
帰りはドア使って帰るんだ。まあなんか魔力めちゃくちゃ使いそうだもんな、空間移動。
「……ユウ、寝れそうか?」
「ルドガーとアーウィンって……、ざ……雑魚寝とかアリのタイプ?」
情けないけど普通に色々怖い。電話もそうだしユリウスも怖いし。
アーウィンとルドガーは顔を見合わせた。仲良し古馴染みのやりとりだぁ……。
「「アリのタイプ」」
二人同時に言われて、俺はようやくほっとして肩の緊張が解れた気がした。
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