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また逢える日まで
一般試験
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合否の結果を学校にいる先生、ミキに伝えに行った。
「おー。お前らー。結果はどうだった?つか、レンとリュウ。学校休んでんじゃねーよ」
我らのホスト先生(見た目が)こと担任のゴウ先生がミキを引き連れ、お出迎えしてくれた。
「いやー、すみません。どうしてもこいつらが心配だったんで」
男がやってもあまり可愛くはないだろう…てへぺろポーズをしながらレンは謝る。その姿に謝罪の影はない。
「どうしても…こいつらの合否結果をこの目で見たかったんです。無断欠席してすみませんでした」
きっちり九十度に腰を折り、謝るリュウは先生方からも信頼の厚い優等生くんだ。
「ほんと、性格真反対なのに仲いいよな。お前ら」
二人の謝罪にゴウ先生は嘆息交じりに呟いた。
「小さい頃からの腐れ縁なんで」
レンはそう言うと当たり前でしょと言わんばかりにウィンクしてきた。
「まぁ、いい。とにかく、合否結果はどうだったんだ?」
相手にするのも面倒になったゴウ先生は、突然聞いてきた。
「えっと……」
「俺だけが落ちましたね」
カナが答えようとしたのをユウが遮って答えた。
「そうか。じゃあ、ユウは一般入試で合格しろ」
ゴウ先生は励ますでもなく、慰めるでもなく、平然とした顔でそう言った。
「はい!絶対合格します!」
ゴウ先生の言葉に一瞬呆気にとられたものの、覚悟を決めたのか大きく頷き、宣言した。
あっという間に時は過ぎ、一般入試がやってきた。
「やっと、一般か。長かったなぁ~!」
レンは大きく伸びをしながら、叫んだ。
「受かる…受かる…受かる…俺は受かる…受かるんだぁぁぁぁ!!」
呪文のように受かると連呼していたユウが、突然叫びながら走り去っていった。
「こらこら。落ち着け。どこ行くんだ、お前は」
校門を抜け、そのままどこかに走り去って行きそうだったユウを、校門付近にいたリュウが首根っこ捕まえて止めた。
「あ、リュウ。すまん、緊張しててな…」
リュウに止められ、我を取り戻したユウはリュウに詫びた。
「はぁ、緊張しすぎだろ…!ミキを見習え!まるで彫刻のようだろ!全く動かないぞ!」
ミキを指差し、豪語する。
「いや…それは緊張のあまり固まってるんじゃないか…?」
ミキを見ながら、ユウは首を傾げる。
「確かにあれは固まってんな」
同じくミキを見ていたリュウも頷く。
「まさかとは思ったけど、マジかよ…。おい、ミキ。大丈夫か?」
呆れたレンが、ミキの頭を軽く小突く。
「ん?ああ、うん。大丈夫だと思うよ」
ちょっと間があってから、ミキはレンの方を振り返り返事する。
「ほんとかよ…まぁ、いいや。ほら、行くぞ。お前ら」
後ろにいたユウとリュウの方を振り返りながら、先を促す。
「おう!」
2人は先を歩くレンたちに返事し、追いかけた。
「おー。お前らー。結果はどうだった?つか、レンとリュウ。学校休んでんじゃねーよ」
我らのホスト先生(見た目が)こと担任のゴウ先生がミキを引き連れ、お出迎えしてくれた。
「いやー、すみません。どうしてもこいつらが心配だったんで」
男がやってもあまり可愛くはないだろう…てへぺろポーズをしながらレンは謝る。その姿に謝罪の影はない。
「どうしても…こいつらの合否結果をこの目で見たかったんです。無断欠席してすみませんでした」
きっちり九十度に腰を折り、謝るリュウは先生方からも信頼の厚い優等生くんだ。
「ほんと、性格真反対なのに仲いいよな。お前ら」
二人の謝罪にゴウ先生は嘆息交じりに呟いた。
「小さい頃からの腐れ縁なんで」
レンはそう言うと当たり前でしょと言わんばかりにウィンクしてきた。
「まぁ、いい。とにかく、合否結果はどうだったんだ?」
相手にするのも面倒になったゴウ先生は、突然聞いてきた。
「えっと……」
「俺だけが落ちましたね」
カナが答えようとしたのをユウが遮って答えた。
「そうか。じゃあ、ユウは一般入試で合格しろ」
ゴウ先生は励ますでもなく、慰めるでもなく、平然とした顔でそう言った。
「はい!絶対合格します!」
ゴウ先生の言葉に一瞬呆気にとられたものの、覚悟を決めたのか大きく頷き、宣言した。
あっという間に時は過ぎ、一般入試がやってきた。
「やっと、一般か。長かったなぁ~!」
レンは大きく伸びをしながら、叫んだ。
「受かる…受かる…受かる…俺は受かる…受かるんだぁぁぁぁ!!」
呪文のように受かると連呼していたユウが、突然叫びながら走り去っていった。
「こらこら。落ち着け。どこ行くんだ、お前は」
校門を抜け、そのままどこかに走り去って行きそうだったユウを、校門付近にいたリュウが首根っこ捕まえて止めた。
「あ、リュウ。すまん、緊張しててな…」
リュウに止められ、我を取り戻したユウはリュウに詫びた。
「はぁ、緊張しすぎだろ…!ミキを見習え!まるで彫刻のようだろ!全く動かないぞ!」
ミキを指差し、豪語する。
「いや…それは緊張のあまり固まってるんじゃないか…?」
ミキを見ながら、ユウは首を傾げる。
「確かにあれは固まってんな」
同じくミキを見ていたリュウも頷く。
「まさかとは思ったけど、マジかよ…。おい、ミキ。大丈夫か?」
呆れたレンが、ミキの頭を軽く小突く。
「ん?ああ、うん。大丈夫だと思うよ」
ちょっと間があってから、ミキはレンの方を振り返り返事する。
「ほんとかよ…まぁ、いいや。ほら、行くぞ。お前ら」
後ろにいたユウとリュウの方を振り返りながら、先を促す。
「おう!」
2人は先を歩くレンたちに返事し、追いかけた。
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