また逢える日まで

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また逢える日まで

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その頃、学校では、カナとユミが自習しながら4人について話していた。
「どんな感じかなぁ…テスト大丈夫かなぁ?」
暇だからと絵を描いていたカナがふと心配になり、ユミに問う。
「あの4人なら大丈夫っしょー?ユウはともかくあの3人は緊張すらしてなさそう」
そう朗らかに笑い飛ばした。
「お前らー。きちんとやれー」
「そういう先生こそ、なんで携帯弄ってるんですかー」
注意をしたつもりが、逆に注意されてしまったゴウ先生は、弁解した。
「これは、受験生たちの状況を見ているんだ」
「状況?」
カナとユミはほんと?と言わんばかりに先生の携帯を見ようとした。
「ほら、レンからきてるぞ。報告」
二人に携帯を見せ、嘘は言っていないぞという顔をした。
「先生ー、ユウとミキが緊張しててやべーかも。俺とリュウは余裕。あと、カナとユミに伝言よろしく。あいつら、絶対心配してるから。伝言内容は、俺たち絶対合格するから、待ってろ!あと、合格したら泣いて喜べ!って」と書いてあった。
その言葉に、カナはすでに号泣。
「そんなこと言われたら泣いちゃうじゃん。レンのバカー」
ユミは頷きながら、カナの頭を優しく撫でた。

全力を出し切った四人が結果を待ちわびる日々が続き、ついに発表の日がやってきた。
「そろそろ行くか」
レンが準備を整え、他の三人に声をかけた。三人はそれに頷いた。
「おー、行ってらーと言いたいところなんだが、こいつらも連れてけ」
校門のところに立っているユミとカナを呼んだ。
「え、だって、学校は?」
ユウが先生に理由を訊ねる。
「理由はこいつらから聞け。ほら」
二人を自分の前に押しやり、答えさせる。
「ごめん、どうしても一緒に結果見に行きたくて、親に頼んだんだけど、学校行きなさいって言われて…。だったら、校長先生に泣き落としで訴えてやる!って親に言って、今日、家出てきて…。校長室前まで来たら、先生に会って事情を話したら、じゃあ、親の方に俺から、ちゃんと学校来てますって連絡してやるから行ってこいって言われた」
カナが謝りながら、答えた。ユミも謝りながら頷いた。
「そーいうことなんで、ほら、さっさと連れてけ」
ひらひらと手を振りながら、ゴウ先生は校門を閉めて去っていった。
「じゃあ、行くか。ほら、いつまで下向いてんだよ。行くぞ」
レンが二人に手を差し出し、こちらに来るよう促す。
「うん!ありがとう!」
二人はぱっと顔を上げ、礼を言いながら、レンの手をとった。

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