また逢える日まで

文字の大きさ
6 / 12
また逢える日まで

忠告

しおりを挟む
葵高校に着き、六人は結果が貼りだされている所まで行った。結果は…。
「俺、合格してるわ」
「俺も」
「俺も…」
「うちも」
最初に自分の受験番号を見つけ、口にしたのはレンで、そのあとに、リュウ、ユウ、ミキと順々に自分の受験番号を見つけた。
「……全員合格じゃん!よかったね!」
「おめでと!!」
ちょっと間があってから、ユミとカナは四人を祝福した。
「お前ら…泣いて喜べって言ったじゃん…」
レンは二人に背を向けながら、呟いた。
「みんなが泣いてるから、泣くどころじゃないよねー?」
ユミがカナに同意を求めた。
「うん!みんな、泣くほど嬉しかったんだね!」
カナが満面の笑みで頷いた。
みんながやっと泣き止み、いろいろと手続きを終えたのは、昼を迎えたころだった。
「報告行くか」
レンが書類をしまいながら、みんなに問いかけた。
「腹減ったー」
ユウがお腹を押さえながら、唸る。
「確かに。もう昼時か。報告行く前にご飯行くか?先生に許可とって」
「そうだな。じゃあ、電話するわ」
リュウの提案に賛同したレンは、ゴウ先生へと電話をかける。
「お、レンか。どうだった?つか、ちゃんと言いに来いよ」
「先生電話出んの遅い。あと、俺たち、ご飯食べたいんだけどいい?」
何度目かのコールで出た先生に文句を言い、自分たちの要件を伝えた。
「まぁ、いいけど。寄り道すんなよ」
「はーい、ありがとうございまーす」
レンは、そう礼を言い、電話を切ろうとしたとき、、先生が慌てて一声叫んだ。
「なんか嫌な予感がしたから、言っとくな!気をつけて帰って来いよ!」
その一声と同時に通話が途切れた。充電切れのせいだった。
「気をつけろか…」
携帯をしまいながら、レンは先生の言葉を復唱した。
「気を付けろって言われたの?」
隣を歩いていたミキが訊ねてきた。
「ああ。切羽詰まった感じでな。なんか、嫌な予感がしたんだと」
レンは顎に手をやりながら、答えた。
「そんな心配することでもないだろ」
ユウはそう笑い飛ばした。
この時、カナもレンと同じく、先生の様子と言動が気になっていた。
「ほら、早く行こうぜ?」
ユウがみんなを歩こうと促す。
「そうだよ、これからご飯食べるんだし。暗いこと考えるのやめよ!」
ユミもそう言い、歩き出した。それにみんなもそうだなと歩き出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

M性に目覚めた若かりしころの思い出 その2

kazu106
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、終活的に少しづつ綴らせていただいてます。 荒れていた地域での、高校時代の体験になります。このような、古き良き(?)時代があったことを、理解いただけましたらうれしいです。 一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...