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第二章 日常のようで非日常
★絶頂からの抱擁
しおりを挟む「…っ、あっ!ひぁ…、ぁ…んぁ…っ」
粘膜を撫でるようにして穏やかに動かされる。
しかし、快楽を知ってしまった俺の中は前よりも敏感に反応してしまって。
「ふっ、…っあ…んっ!…あっ!」
声が抑えられない。
「ネロちゃん気持ちよさそう。でも俺の存在も忘れないでほしいなー」
オネストの邪魔にならないよう、俺の頭の横に伏せて顔を擦り寄せてきた。
柔らかい毛が首に当たり、くすぐったさに思わず首をすくめた俺。
タキトゥスは止めるどころか、舌先で鎖骨から首、耳まで舐めてくる。
耳の中に舌を出し入れしたりする度、頭に直接厭らしい音が聞こえている気がして「ひあっ!」と大きな声が出た。
「っ!……っ…あっぶね。イきそうだった」
無意識のうちに締め付けていたのか、オネストが苦虫を噛み潰したような顔で静止していた。
「ごめんごめん。ネロちゃん思った以上に耳弱くてさー」
そう言いながら耳朶を歯で軽く噛んだ。
「んんっ!…っ、…耳……ゃ、め」
手で耳を隠そうとすると前足で押さえられてしまう。
この二人はすぐに前足で人のことを押さえようとしてくる。
肉球の感触が柔らかくて気持ちいい。
抵抗する気を削ぐ狙いなのだろうか、と思わずにはいられない。
「っ、タキトゥス……ワザとだろ」
「はははっ。さぁねー?でも耳が弱いならこっちも弱そうだよな」
耳から離れて今度は別の場所へと顔を寄せ、今度は大きく口を開いてから噛み付いてきた。
「ひぁっ!…もぉ…か、まなぃ…で」
「ほりゃね。きゅび、ひょわかった」
「んっ、っ…ぁ…喋っちゃ、だめ…っ」
それは肉を引き千切るような強さではなく甘噛みで、首の皮膚に硬い歯とザラついた舌が触れては離れていく。
口の中は予想以上に熱くて、表面が焼けそうだ。
「ネロ、俺を見ろ」
意識がタキトゥスにいっていたのが気にくわないのか、オネストが律動を早めた。
「あぁっ!あっ、んっあ、…ふっ…やぁ…っ…はっ」
前立腺を擦っては奥へと進んでいき、粘膜がオネストの動きに合わせて吸い付いている。
そのせいか中にあるオネストの形を覚え始めていて、奥へ突き入れて止まる一瞬で最適な状態へと形を変える優秀さ。
こんなところでそんな記憶力を発揮しなくてもいいだろうに、と悪態をつきながらも気持ちよくて。
もっと突いてほしいとさえ思った。
「汗びっしょり。可愛い」
汗だくの額にへばりついた髪を前足で退かしてくれた。
そして首への甘噛みを再開させて、尻尾で頭を撫でてくれる。
中でオネストの“モノ”が脈打っていて、それと同時に激しさを増す律動。
腰を叩きつけている様は人族の姿だというのに獣で。
視界の端にタキトゥスの銀色の毛を映しながらも、唇を噛み締めながら動ごくオネストを見上げた。
「っ……イ、く……っ!!!」
「んぁっ、あっ、んっ、あっ!あっ!あっ!あぁあぁぁぅ!!!」
眉間に皺を寄せてこれでもかと腰を押し付けてくるオネスト。
最後の最後で尻尾を俺の“モノ”に巻きつけて扱いてきたタキトゥス。
「はぁっ、…はっ……っ……は……二人のバカぁ…」
気持ちいいものと認識してからのセックスは最初から最後まで快感しかなくて。
あまりの恥ずかしさと気持ち良さで涙目になってしまった俺は、ようやく解放された両手で顔を隠した。
「ネロちゃんネロちゃん。隠すなって。可愛いから見せて。な?」
「ネロ、手をどかしてくれないか?」
指の間からこっそり様子を伺うとオネストは上位怪狼族の姿に戻っていて、二人の青い双眼が近くにあった。
「隙間からじゃなくてちゃんと見ろよー。そんでもってギューして!もふもふさん達はネロちゃんのぎゅー待ちでーす」
「です」
顔を覆う手に肉球でスタンプを押すようにペタペタと触ってきて、行為によって疲弊した体に温もりが伝わるぐらい密着させてくる。
「……っ、朝一でお風呂入りますからね!」
「ふふふっ。はーい」
「わかった」
腕を広げて力の限り抱きしめる。
朝早いだとか、賢者タイムだとかそんなの考えられなくて。
今までとは違った幸せを噛みしめるように、ただただ二人の体温を感じたいと思った。
いつか別れがくるのだろうか。
感が出ただけで心が締め付けられる。
「……気付きたくなかった」
寝静まった部屋に、俺の声だけが虚しく響いた。
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