天才魔術師の仮面令嬢は王弟に執着されてます

白羽 雪乃

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第1章

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 私は自分の命を守るためにこの家を出る必要がある。

 普通ならまだ子供の私が家を出るなんて不可能だけど、あまり会ったことはないけど頼ったらもしかしたら助けてくれる可能性がある人がいる。

 それはお母様がとても嫌っている私のお祖母様とお祖父様だ。

 どんな人物なのかは周りの噂話でしか聞いたことがないけど、人付き合いは苦手みたいだけど身内と認めた人には愛情深い人だと言われている。

 今までお母様が嫌がるから直接会いに行ったことはない。

 お祖母様達も会いに来ませんし、お祖母様の息子であるお父様もお祖母様達と年に数回だけ当主として会いに行ってるだけみたいだった。

 自分の父方のお祖母様とお祖父様に滅多に会えないなんておかしいわよね。

 母方のお祖父様とお祖母様なら何回も会ったことがある。
 お母様に似てるお姉様ばかり可愛がっていて、私やお兄様にはあまり関心がないみたいだった。

 だから頼るとしたら父方のお祖父様とお祖母様しかいない、正直に言うと会いに来てくれない2人を頼るのも不安しかない。

 私に少しでも興味があるなら会いに来るはずだと思う私の考えは間違ってるのかしら?

 だけど会いに来ないだけで嫌われてはいないはずだから、一か八かでお二人に頼ってみるしか私には逃げ道が他にない。

 この家から逃げるためには、私の現状をお二人に知ってもらう必要があるわ。

「マリーにお願いがあるの」

「何でしょうか?私にできることなら何でもいたします!!」

「これから手紙を書くからこの家の誰にもバレないように届けてほしいの」

「何方にでしょうか?」

「ランズベリー前当主のお祖父様とお祖母様よ」

 手紙の送り主を知ったマリーはゴクリと唾をのむ

 この家ではお祖母様の名前を出すのは禁句になっている。

 10年以上前の話ではあるけど、お姉様がお祖母様は何で自分に会いに来てくれないのかお母様に聞いた時に『あの人の話を私にしないで』って普段は溺愛しているお姉様を怒鳴ったことがある。

 それからは誰もお母様にお祖母様の話をする人は居ませんし、家のなかでお祖母様の話をすることは絶対にない。

 この家に新しい使用人が雇われる時も、最初の注意事項でお祖母様の話をすることを絶対に禁止されるらしい。

「もしも荷が重かったら断ってくれても構わないわ」

「いえ………、どんな内容を書くのか聞いてもよろしいですか?」

「……………今の私の現状とこの家での扱いを知らせる内容を書くつもりよ。そしてこの家から出たいから協力して欲しいとお願いするつもり。お祖父様達と一緒に暮らすのか、それとも別の家を用意してもらってそこで1人で暮らすのかは、お二人に判断してもらうことになるでしょうけど」

「でしたら………、家を出る時に私もついていく許可を取っていただきたいです!!」

 驚いてマリーのほうを見ると、マリーの顔は真剣で絶対に意見を変えないことは、長年の付き合いですぐに分かってしまう。

「ありがとう。でも今より色々と大変だと思うわよ?」

「構いません。私の主人は旦那様や奥様ではなく、レイラお嬢様だと思ってますので」

 マリーが居てくれたから家族から酷い扱いをされても耐えられた。

 マリーには何度お礼を言っても言い足りないぐらいだわ。

「ありがとう。マリーがついてきてくれたら頼もしいわ。でもご家族に相談してからの方が良いんじゃないかしら?マリーには素敵な旦那さまと息子が居るでしょ?」

「問題ありません!!夫には何が何でもレイラお嬢様の味方に居てあげなさいと言われてます。あの人は根っからの騎士ですからレイラお嬢様みたいに苦労してる人の味方なんです。息子も私の話を毎日聞いて勝手にレイラお嬢様に親近感を持ってるんです。この家でのレイラお嬢様の扱いを聞いて毎日怒ってます」

 我が家の現状を家族に話してるマリーを叱らないといけないのだけど、この家で私の味方をするのは立場が悪くなるから家族に愚痴を言うぐらいは仕方ないわよね。

 私の味方をしてくれるマリーやそのご家族の気持ちが嬉しい

「ありがとう。では手紙にマリー達のお願いも書くわね。今日中に書くからお祖母様に届けて欲しいわ」

「絶対に誰にもバレないようにお渡ししてきます」


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