不遇ショタ勇者は魔王様の過保護に今日も幸せ！！

13◆レイン視点

レイン「陛下、ガレがリックを連れて会いに来てるぜ？」

ガレというのは陛下の兄で、リックは兄夫婦の子供だ。

陛下は子供好きだからたまに遊びに来るんだよ。

マリウス「……リックか。………マフユ、友達はほしいか？」

マフユは少し困った顔をしている。
まぁ、いきなり知らない子に会うのは不安なのかもな。

リックは13歳だ。
マフユより年上だが、優しい子だからたぶん仲良くなれるだろう。

マフユ「………友達は…いりません………」

悲しそうな表情で、消えてしまいそうなか細い声でそう言った。

…………それは、本心なのか？

マリウス「リックに会うのは怖いか？」

陛下の問いにマフユの呼吸が浅くなる。

マフユ「友達は…いりません。友達は………いりません………」

[友達はいりません]しか言わないが、泣きそうな顔で言われてマフユが心配になる。

なんでそんなに友達を拒むんだ？

何かトラウマでもあるのか？

マリウス「………。わかった。レイン、悪いが二人には今日は会えないと伝えてくれ」

マフユの[ヒュッ]という息が詰まる音がした。

顔色がひどく悪くなる。

マリウス「どうした？気にしなくていい。二人にはいつでも会えるからな」

微笑みをみせた陛下に、マフユの呼吸がおかしくなった。

マフユ「はっ……っ…はっ……はっ……！！」

過呼吸！？

マリウス「マフユ！？」

陛下がマフユに過呼吸の対処法でなんとかしている間にリウミアを呼びに行く。

なんで急に過呼吸になったんだ！？