15 / 25
15◆マリウス視点
しおりを挟む
マフユのいた世界でのマフユの話を、マフユは私に話してくれた。
実の母に孤児院に捨てられ、そのショックで笑えない子になったこと。
笑えないことで、自分には友達をつくる資格がないと思っていること。
笑えない自分に、周りが気を遣うのが辛いこと。
………過呼吸になった理由も聞いた。
私は、人間の扱いによる心の傷で笑わないのかと思っていた。
………違っていた。
マフユは、ずっと傷ついていたんだ。
マフユの周りにいた者たちは、大人も子供も優しい者たちだったらしいが、優しいからこそ自分が皆の迷惑になっていると思っていたらしい。
………迷惑なんかじゃない。
少なくとも私は迷惑だと思ったことはない。
部下たちだって、マフユを心配はしているが迷惑だとは思っていない。
なんなら、たまにマフユに見舞いの品を渡している。
ある者は子供用パズル、ある者はぬいぐるみ、ある者は子供に人気のお菓子屋のケーキ、ある者は絵本。
リウミアやレインも見舞いの品をマフユに渡していた。
マフユに私の気持ちをわかってほしい。
マリウス「マフユ、私はマフユのことを大事に思っている。すぐに信じられないなら、今すぐに理解しろとは言わない。いつか、私の気持ちが伝わればそれでいい」
私はマフユの瞳をみつめて気持ちを伝える。
マフユの心に語りかけるように。
マリウス「私は、最初はマフユのことを、私の心を撃ち抜いた可愛い子供と思っていた。だが、その気持ちはすぐに、私がこの子を守りたいと思う気持ちになり、日に日にマフユに対する気持ちが強くなっていく。私は、マフユのことが好きなんだ。愛しているんだ。……本当は、ムードのある場所でロマンチックに告白したかったが、今マフユに私の想いを知ってほしい。返事はいつでもいいから、ゆっくりでいいから私のことを考えてくれたら嬉しい」
愛の告白は、今のマフユにどう思われるか……不安がないわけではない。
だが、マフユの気持ちを聞いて思ったんだ。
マフユは、愛に飢え過ぎて愛を拒んでいるのではないかと。
もし私の考えが当たっていたら、私がマフユを誰よりも愛してやる。
……悲しい記憶を思い出せなくなれるほどに。
私の愛で心を満たそう。
実の母に孤児院に捨てられ、そのショックで笑えない子になったこと。
笑えないことで、自分には友達をつくる資格がないと思っていること。
笑えない自分に、周りが気を遣うのが辛いこと。
………過呼吸になった理由も聞いた。
私は、人間の扱いによる心の傷で笑わないのかと思っていた。
………違っていた。
マフユは、ずっと傷ついていたんだ。
マフユの周りにいた者たちは、大人も子供も優しい者たちだったらしいが、優しいからこそ自分が皆の迷惑になっていると思っていたらしい。
………迷惑なんかじゃない。
少なくとも私は迷惑だと思ったことはない。
部下たちだって、マフユを心配はしているが迷惑だとは思っていない。
なんなら、たまにマフユに見舞いの品を渡している。
ある者は子供用パズル、ある者はぬいぐるみ、ある者は子供に人気のお菓子屋のケーキ、ある者は絵本。
リウミアやレインも見舞いの品をマフユに渡していた。
マフユに私の気持ちをわかってほしい。
マリウス「マフユ、私はマフユのことを大事に思っている。すぐに信じられないなら、今すぐに理解しろとは言わない。いつか、私の気持ちが伝わればそれでいい」
私はマフユの瞳をみつめて気持ちを伝える。
マフユの心に語りかけるように。
マリウス「私は、最初はマフユのことを、私の心を撃ち抜いた可愛い子供と思っていた。だが、その気持ちはすぐに、私がこの子を守りたいと思う気持ちになり、日に日にマフユに対する気持ちが強くなっていく。私は、マフユのことが好きなんだ。愛しているんだ。……本当は、ムードのある場所でロマンチックに告白したかったが、今マフユに私の想いを知ってほしい。返事はいつでもいいから、ゆっくりでいいから私のことを考えてくれたら嬉しい」
愛の告白は、今のマフユにどう思われるか……不安がないわけではない。
だが、マフユの気持ちを聞いて思ったんだ。
マフユは、愛に飢え過ぎて愛を拒んでいるのではないかと。
もし私の考えが当たっていたら、私がマフユを誰よりも愛してやる。
……悲しい記憶を思い出せなくなれるほどに。
私の愛で心を満たそう。
35
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
番だと言われて囲われました。
桜
BL
戦時中のある日、特攻隊として選ばれた私は友人と別れて仲間と共に敵陣へ飛び込んだ。
死を覚悟したその時、光に包み込まれ機体ごと何かに引き寄せられて、異世界に。
そこは魔力持ちも世界であり、私を番いと呼ぶ物に囲われた。
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる