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7◆君の笑顔のためなら悪になれる
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ついに三人になってしまった。
魔術師カーマインと教師ラファエルと学者リアン。
三人は項垂れて、犯人の女を探したいが何をしても死ぬような気がして動けないでいた。
そんな時だった。
『うふふ、探さないの?つまらないわ~。探す気がないなら………もういいわね』
あの女の声がしたと思ったら、カーマインがうっとりした表情で立ち上がる。
リアンとラファエルは、そんなカーマインに怪訝な視線を向けるが、カーマインは二人なんてどうでも良さそうに呟いた。
「わかりましたよ。私の可愛い人」
愛を感じさせる優しい声音。
しかし、リアンとラファエルは咄嗟なカーマインから距離をとった。
「カーマインさん、まさか貴方………」
「犯人の仲間なのか!?」
二人の言葉に、カーマインはニヤリと笑う。
それが答えだった。
「どうしてこんなことを……!それに、どうして僕達だったんですか!?」
リアンの悲痛な叫びに、カーマインはクスクス笑いながら答えた。
「お前達でないといけなかった理由はありませんよ。誰でも良かったんです」
誰でも良かった………なんて酷い言葉だろうか。
理由もなく選ばれて、皆死んだというのか………?
何のために、そんな非道なことをするというのか!
「私の可愛い人のためなら、私は悪になります。私の可愛い人の笑顔のために、こうして私は食事を運んで来るのです。彼女はグルメなんですよ。死にたてホヤホヤの人間の魂を好んで食べますからね」
『うふふ、カーマインったら……愛しているわ♡』
その場に美しい女が現れ、リアンとラファエルは警戒を強めた。
大変セクシーな美女で、黒い翼と角が生えていて………どうみても禍々しい。
おそらくだが、悪魔と呼ばれる存在だろう。
「私の可愛い人。今から殺すので少し待っていてください」
『うふふ……わかったわ』
カーマインは、首からネックレスのチャームを外して構える。
「杖がないと魔術が使えないというのは嘘だったんですね!?」
「嘘ではないですよ?私の杖はこれなんですが、手に持たないと魔術が使えないんですよ」
カーマインは、言うと同時に風の刃を二人に放ち、二人の首はカーマインの言葉が言い終わる頃には床にコロンと落ちていた。
『あぁ!美味しいわ~!』
「それは良かったです。また、私は食事を運んで来ますね。愛しています」
二人は、死体のある部屋で深い口付けを交わして微笑みあうのであった。
とある場所で、10人の人達がデスゲームに参加させられた。
身分も歳も性別も関係なく、職種もバラバラ。
一人また一人と死んで、必ず最後は一人の魔術師が残る。
毎回毎回このデスゲームに魔術師がいることも、魔術師が必ず生き残ることも、その理由も………魔術師以外生存者がいないから誰も知らない。
完
★
読んでくれてありがとうございました!
魔術師カーマインと教師ラファエルと学者リアン。
三人は項垂れて、犯人の女を探したいが何をしても死ぬような気がして動けないでいた。
そんな時だった。
『うふふ、探さないの?つまらないわ~。探す気がないなら………もういいわね』
あの女の声がしたと思ったら、カーマインがうっとりした表情で立ち上がる。
リアンとラファエルは、そんなカーマインに怪訝な視線を向けるが、カーマインは二人なんてどうでも良さそうに呟いた。
「わかりましたよ。私の可愛い人」
愛を感じさせる優しい声音。
しかし、リアンとラファエルは咄嗟なカーマインから距離をとった。
「カーマインさん、まさか貴方………」
「犯人の仲間なのか!?」
二人の言葉に、カーマインはニヤリと笑う。
それが答えだった。
「どうしてこんなことを……!それに、どうして僕達だったんですか!?」
リアンの悲痛な叫びに、カーマインはクスクス笑いながら答えた。
「お前達でないといけなかった理由はありませんよ。誰でも良かったんです」
誰でも良かった………なんて酷い言葉だろうか。
理由もなく選ばれて、皆死んだというのか………?
何のために、そんな非道なことをするというのか!
「私の可愛い人のためなら、私は悪になります。私の可愛い人の笑顔のために、こうして私は食事を運んで来るのです。彼女はグルメなんですよ。死にたてホヤホヤの人間の魂を好んで食べますからね」
『うふふ、カーマインったら……愛しているわ♡』
その場に美しい女が現れ、リアンとラファエルは警戒を強めた。
大変セクシーな美女で、黒い翼と角が生えていて………どうみても禍々しい。
おそらくだが、悪魔と呼ばれる存在だろう。
「私の可愛い人。今から殺すので少し待っていてください」
『うふふ……わかったわ』
カーマインは、首からネックレスのチャームを外して構える。
「杖がないと魔術が使えないというのは嘘だったんですね!?」
「嘘ではないですよ?私の杖はこれなんですが、手に持たないと魔術が使えないんですよ」
カーマインは、言うと同時に風の刃を二人に放ち、二人の首はカーマインの言葉が言い終わる頃には床にコロンと落ちていた。
『あぁ!美味しいわ~!』
「それは良かったです。また、私は食事を運んで来ますね。愛しています」
二人は、死体のある部屋で深い口付けを交わして微笑みあうのであった。
とある場所で、10人の人達がデスゲームに参加させられた。
身分も歳も性別も関係なく、職種もバラバラ。
一人また一人と死んで、必ず最後は一人の魔術師が残る。
毎回毎回このデスゲームに魔術師がいることも、魔術師が必ず生き残ることも、その理由も………魔術師以外生存者がいないから誰も知らない。
完
★
読んでくれてありがとうございました!
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