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43◆ソーマ視点

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目覚めると、そこはお城の僕が寝泊まりしている部屋でした。

僕はふかふかのベッドで寝ています。

「「「ソーマ君!!」」」

「ソーマ!!」

部屋には、ギルバードさんとアーノルドさんとマルクスさんとジン様がいました。

皆さんずいぶん顔色が悪くて、目覚めて早々僕は心配になりました。

「ソーマ!目が覚めて良かった!良かった!!」

ギルバードさんが、ベッドにいる僕の頭を撫で撫でしています。

皆さんは安堵したように涙を流しながら笑い、僕の目覚めを喜んでくれました。

「あの……僕は……」

「ソーマ君は、助かったのよ」

ジン様は僕の手を両手で大事そうに握り、優しく微笑みます。

助かったんですね!

良かったです……本当に良かったです!

僕も自然と微笑みました。

「ソーマ君。ソーマ君だけでも助かって、本当に良かったよ」

アーノルドさんの言葉を聞いて、僕は違和感を感じました。

「あの、僕だけでもって………?」

「「「「………」」」」

皆さん、暗い表情になってしまいました。

そして、マルクスさんが言いづらそうに僕に言います。

「………まだ、ナターシャがみつかっていないんだ」

「え?………あっ!!」

僕は、今の言葉でとてもとても大事なことを思い出しました。

「僕、ナターシャさんをしまっています!」

「「「「しまっている??」」」」

「今すぐ出します!!」

不思議そうなお顔の皆さんはさておき。

僕の寝ているベッドに出すため、僕は起きることにしました。

「まだ寝ていないとダメよ!!」

ジン様が僕に、まだ寝ていないとダメだと言います。

「でも、ナターシャさんを床に出すわけにはいきません!」

僕は、ナターシャさんを出すためにベッドに充分なスペースを確保しました。

そういえば、身体のどこも痛くないです。

「あの、僕って怪我していませんでしたか?」

「回復魔法で昨日治したよ」

「昨日?」

「ソーマ君が助け出されたのは昨日で、ソーマ君は今日のこの時間まで眠り続けてたんだよ」

アーノルドさんの言葉を聞いてビックリしました。

しかし、今はそれよりもナターシャさんです。

僕はナターシャさんを出すように意識すると、ベッドに拘束されたままのナターシャさんが出てきました。

「「「「………」」」」

何故かしばらく沈黙の時が流れました。

「「「「ナターシャ!?!?」」」」

皆さんの声がちょっと大きすぎて、耳がキーン!としてしまいます。

うぅ……耳が、耳がぁーーーっ!

皆さん、よっぽど驚いたんでしょうね!

アイテムボックスに長時間入れていたので、僕はナターシャさんの身体が心配です。

すぐにジン様がお医者さんを呼んでくれて、お医者さんはナターシャさんと僕を診てくれました。

僕も診てくれたのは、念のためだそうです。

ナターシャさんは、健康に異常はなくて、状態異常の魔法の効果で眠っているだけだそうです。

もしかして、僕のアイテムボックスは中の時間が止まっているタイプなんでしょうか?

とりあえず、ナターシャさんが無事で本当の本当に良かったです!
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