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11◆アルム視点
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クラインが可愛くて仕方ない。
俺は、クラインに惚れてしまったんだろうな。
魔王は悪い存在だと思っていた俺は、何も知らなかったんだ。
知らないまま、過ちを犯さなくて良かった。
クラインが悪い存在じゃないということは、短い間だったが一緒にいたらすぐにわかった。
優しくて可愛くて、ちょっと抜けているクライン。
好きにならない理由なんてない。
「クライン、好きだ」
「アルム……いいのか?アルムは、勇者なのに………」
勇者。
勇者でいることが、クラインを愛せない理由なら………。
もう勇者なんてやめよう。
たくさんの人を救うことよりも、愛する人一人を救う方が大切なことだから。
「俺は、勇者の力を放棄する」
俺の身体が一瞬光り、勇者の力が俺の中からなくなった。
勇者の力は、勇者が死ぬか力を放棄するかで次の勇者に移るモノだ。
きっと今頃、どこかに新しい勇者が誕生している。
「アルム!」
「俺は、もう勇者じゃないからクラインを愛していいだろう?クラインだって、俺のこと好きだよな」
「あうあう……!バレていたのか!?」
バレないと思っていたんだ?
俺への好意が伝わる程だったのに。
なぁ、バレてはいるけど言ってくれよ。
「クライン、俺を好きか?」
「ば…バレているなら仕方ない。愛している!心底好きだ!ずっと一緒にいたい!」
真っ赤になって伝えられた愛の言葉。
幸せを噛み締めるように、クラインとキスをする。
さっきの軽いキスではなく、舌を絡める大人のキスだ。
「クライン、抱きたい」
「ふぇ!?抱く……抱く!?抱くとは………子作りか?ま…まだ早いだろう!まずは結婚してからだ!!」
「婚前交渉はダメ?」
「私の心臓が準備不足で死んでしまう!!」
全力で婚前交渉を拒否するクラインに、俺は少しだけ我慢することにした。
まぁ………初夜では覚悟してもらうけどな?
俺はその日を楽しみに待つ。
「最高の夜にするから、早く結婚しような」
「はぅ!………うん」
可愛い俺のクラインは、照れつつも俺の頬に軽いキスをしてくれた。
完
★
読んでくれてありがとうございました!
俺は、クラインに惚れてしまったんだろうな。
魔王は悪い存在だと思っていた俺は、何も知らなかったんだ。
知らないまま、過ちを犯さなくて良かった。
クラインが悪い存在じゃないということは、短い間だったが一緒にいたらすぐにわかった。
優しくて可愛くて、ちょっと抜けているクライン。
好きにならない理由なんてない。
「クライン、好きだ」
「アルム……いいのか?アルムは、勇者なのに………」
勇者。
勇者でいることが、クラインを愛せない理由なら………。
もう勇者なんてやめよう。
たくさんの人を救うことよりも、愛する人一人を救う方が大切なことだから。
「俺は、勇者の力を放棄する」
俺の身体が一瞬光り、勇者の力が俺の中からなくなった。
勇者の力は、勇者が死ぬか力を放棄するかで次の勇者に移るモノだ。
きっと今頃、どこかに新しい勇者が誕生している。
「アルム!」
「俺は、もう勇者じゃないからクラインを愛していいだろう?クラインだって、俺のこと好きだよな」
「あうあう……!バレていたのか!?」
バレないと思っていたんだ?
俺への好意が伝わる程だったのに。
なぁ、バレてはいるけど言ってくれよ。
「クライン、俺を好きか?」
「ば…バレているなら仕方ない。愛している!心底好きだ!ずっと一緒にいたい!」
真っ赤になって伝えられた愛の言葉。
幸せを噛み締めるように、クラインとキスをする。
さっきの軽いキスではなく、舌を絡める大人のキスだ。
「クライン、抱きたい」
「ふぇ!?抱く……抱く!?抱くとは………子作りか?ま…まだ早いだろう!まずは結婚してからだ!!」
「婚前交渉はダメ?」
「私の心臓が準備不足で死んでしまう!!」
全力で婚前交渉を拒否するクラインに、俺は少しだけ我慢することにした。
まぁ………初夜では覚悟してもらうけどな?
俺はその日を楽しみに待つ。
「最高の夜にするから、早く結婚しような」
「はぅ!………うん」
可愛い俺のクラインは、照れつつも俺の頬に軽いキスをしてくれた。
完
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