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6◆タナトス視点
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先日のルミナスのことが忘れられない。
どうして、彼はあんなことを望むのか………。
私にはルミナスがわからないと思った。
そんなある日のこと。
私は街で買い物をしていた。
考え事が捗らない時は、気分転換が大事だからね。
しかし、私の運命がこの日変わることになるなんて想像すらしていなかった。
「助けてください!」
「え?」
小さな男の子が、私に抱きついて助けを求めてきた。
小さな男の子の後から、黒い魔物が街中なのに現れて襲ってくる。
私は咄嗟に男の子を守り魔法で魔物を退治した。
何故、街中なのに魔物がいたのか………?
そして、何故誰も魔物に驚かなかったのか………。
人々は、魔物に気づかなかったかのように普段の生活を続けている。
私が魔法を使ったことに対しても、不思議そうにしている。
「お兄さん、ありがとうございます。そして、お願いがあります!」
さっき助けた男の子に、抱きつかれたままそう言われて場所を移動した。
なんとなく、わけありの予感がしたからね。
「僕のことはアーミュと呼んでください」
「えっと、私はタナトスだよ」
アーミュという男の子は、とても真剣な表情で語りだす。
「お願いです。歪んだ神を倒してください」
「………中二病かな?」
「失礼な!真面目に聞いてください!」
歪んだ神とは一体?
中二病の男の子なのかなと、遊びに付き合うお兄ちゃんの気分で話を聞いた。
「世界は歪んだ神に管理され、歪な運命を辿ります。神は元々は慈愛の神でした。しかし、悪魔に身体を支配されて歪んでしまいました。………僕は、その神の一部です。完全に支配される前に、自身の一部を切り放しました。そして、歪んだ神を倒してくれる……運命に抗う力を持つ者を探しにきたのです」
中二病の子の発想力って、すごいな。
そんな生暖かな視線を向ける私に、アーミュは真面目に向き合い頭を下げた。
「お願いです!運命に抗う力を持つ貴方に、力を貸してほしいのです!」
「ふふ、私にできることならいいよ」
遊びに付き合うつもりで、笑顔でいいよと言った私にアーミュは満面の笑顔を向ける。
「ありがとうございます!では、歪んだ神に妨害されないようにしますね」
「ん?」
『歪な神の運命を打ち破る力を!』
パリンッ!
何かが割れるような音がして、身体がやけに軽くなったように感じる。
「え……何したの?」
「元々運命に抗う力はあったので、僕の力を足して『抗う』ではなく『打ち破れる』ようにしたんです。これで、歪んだ神の用意している運命に操られなくなりました」
アーミュは慈愛の眼差しで微笑んだ。
どうして、彼はあんなことを望むのか………。
私にはルミナスがわからないと思った。
そんなある日のこと。
私は街で買い物をしていた。
考え事が捗らない時は、気分転換が大事だからね。
しかし、私の運命がこの日変わることになるなんて想像すらしていなかった。
「助けてください!」
「え?」
小さな男の子が、私に抱きついて助けを求めてきた。
小さな男の子の後から、黒い魔物が街中なのに現れて襲ってくる。
私は咄嗟に男の子を守り魔法で魔物を退治した。
何故、街中なのに魔物がいたのか………?
そして、何故誰も魔物に驚かなかったのか………。
人々は、魔物に気づかなかったかのように普段の生活を続けている。
私が魔法を使ったことに対しても、不思議そうにしている。
「お兄さん、ありがとうございます。そして、お願いがあります!」
さっき助けた男の子に、抱きつかれたままそう言われて場所を移動した。
なんとなく、わけありの予感がしたからね。
「僕のことはアーミュと呼んでください」
「えっと、私はタナトスだよ」
アーミュという男の子は、とても真剣な表情で語りだす。
「お願いです。歪んだ神を倒してください」
「………中二病かな?」
「失礼な!真面目に聞いてください!」
歪んだ神とは一体?
中二病の男の子なのかなと、遊びに付き合うお兄ちゃんの気分で話を聞いた。
「世界は歪んだ神に管理され、歪な運命を辿ります。神は元々は慈愛の神でした。しかし、悪魔に身体を支配されて歪んでしまいました。………僕は、その神の一部です。完全に支配される前に、自身の一部を切り放しました。そして、歪んだ神を倒してくれる……運命に抗う力を持つ者を探しにきたのです」
中二病の子の発想力って、すごいな。
そんな生暖かな視線を向ける私に、アーミュは真面目に向き合い頭を下げた。
「お願いです!運命に抗う力を持つ貴方に、力を貸してほしいのです!」
「ふふ、私にできることならいいよ」
遊びに付き合うつもりで、笑顔でいいよと言った私にアーミュは満面の笑顔を向ける。
「ありがとうございます!では、歪んだ神に妨害されないようにしますね」
「ん?」
『歪な神の運命を打ち破る力を!』
パリンッ!
何かが割れるような音がして、身体がやけに軽くなったように感じる。
「え……何したの?」
「元々運命に抗う力はあったので、僕の力を足して『抗う』ではなく『打ち破れる』ようにしたんです。これで、歪んだ神の用意している運命に操られなくなりました」
アーミュは慈愛の眼差しで微笑んだ。
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