成長するクズスキルがいつの間にかチートになってました〜世界最強は触れることなく無双する〜

斎宮蓮太郎

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05 登録試験

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冒険者ギルドは酒場がとなりにあるようで少数だが昼間から酒飲む人もいた。


ほとんどは依頼を受けるか完了の手続きをしているようだ。


「すみません。冒険者登録をしたいのですが…」
「承りました。ではこちらの用紙に必要事項を記入してください。代筆は必要ですか?」
「いえ、大丈夫です」


字を書けない人も登録に来るのだろう。


「書けました」
「リオさんですね。では、当ギルドについてご説明させていただきます。……」


整理するとこうだ。


冒険者には階級があり、下F~Sまである。

クエストー依頼は自分の階級から一つ上の階級まで受けることができるが、原則F級だけは討伐クエストを受注できない。
また、F級からE級に上がるには教官との戦闘試験で合格するしかない。

そのほかは依頼達成数にて昇格できる。
C級からは昇格に試験もあり、合格すると指名依頼も増える。
指名依頼は冒険者を指名する依頼のことで、主に貴族が依頼するようだ。
一応断れるようだが、それが目立つようになると降格もあり得るという。

まあ、この辺りは目指す人なら誰でも知っている常識だ。


また、冒険者ギルドの規則が書かれた冊子を手渡された。
かなり薄いので依頼を受ける前に読んでしまうか。


「さて、リオさん。E級昇格試験は今からでも構いません。ちょうど人もいませんし、どうです?受けていかれますか?」


なるほど、オーガの言っていた試験はこのことか。
本当の意味での冒険者になるための試験。
なら、受けない手はない。


「はい!受けます!」
「ではこちらへ」


登録早々、E級昇格試験開幕である。


E級昇格試験はC級冒険者が受けてくれるようだ。


試験とはいえ戦闘。しかも相手は格上のC級冒険者、格上だ。


今の僕がC級相手にどこまで通用するか。スキルは無しだ。単純に、努力(肉体)挑みたい。


よし!勝つつもりでやらないと相手に失礼だ。
胸を借りるつもりでやろう!

 
◇◇◇◇


先日、C級冒険者になったガイルにギルドから指名依頼が来た。


なんでも、E級昇格試験の教官をしてほしいらしい。
要は、E級として戦っていけるか判断する依頼だ。
報酬は良くないが元より指名依頼。この手の依頼は頻繁にあると聞くし、今回俺に回ってきただけだ。


ちょっくら新人に格の違いを見せつけてやるとするかな。



「これよりF級冒険者リオのE級昇格試験を開始する。準備はいいですね?それでは始めてください」


ほう、なかなか構えはいいようだ。木剣で言うのもなんだが迫力がある。


だが、こっちは毎日実践実践の日々を過ごしているんだ。雑草取りなんかには負けないだろうさ。


「行きます!」
「来い」


木剣対木槍。間合いが大きい方が有利だよって…な!?消えた!?


そう思った直後、相手の姿は既に目前にあった。
辛うじて一撃目は防いだが、


「くっ…!」
「まだまだ!」


クソッ!なんてパワーだ。
こいつ、増強系のスキルか。厄介だな…


というか、俺押されてる!?パワーとスピードは明らかに相手が上。これは仕方がないことだ。
だか「上級槍術」の俺が技術でもこいつに劣っているというのか!?


いや、そんなことあるはずがない!圧倒的なパワーとスピードに戸惑っているだけだ!


クソックソックソッ!!

全然当たらないじゃないか!


ガキッ!


相手の木剣が上に弾かれる。


見えたぜ!ようやく隙を見せたな!


初めて相手が見せた刹那の隙。俺は試験であることを忘れて思い切り突き込む。


「ふっ」


相手が笑ったような気がした。


なっ!誘い込まれた!?
リオは突き込まれた胴を捻らせて避け、槍を引く。


強く握っていたガイルは槍とともに引っ張られ、決着…はさせないぞ。せめて敗北だけは!


俺は飛んだ。リオの胸に。
これは想定外だったのかリオも態勢を崩し、相打ちとなるのではなく俺はリオに押さえ込まれた。


「僕の勝ち…ですね」


見ると木剣が俺の首に当てられていた。



◇◇◇◇



相手は手加減をしてくれていたようであっさりと勝った。


それにしても最後僕の胸にダイブしてきたのはどういう意味なんだろう。


あ!もしかして、そっち系の人なのかな。


あまり希望を持たせるのは酷だな。

僕は相手を押さえ込んだまま


「すみません。僕は女性がタイプですので…」
「何がどうなってそうなった!?あー、これか。いやこれは別にそんな意味じゃないからな!?」


あまり他の人に知られたくないのだろうか、誤魔化そうとしている。


「分かっています!言いふらすつもりもありません。安心してください!」
「いやいや、俺嫁いるから!ちゃんと女の!」


まさか!お嫁さんにも秘密だったなんて!


「そうですか…でも僕は応援していますよ」


この人も苦労しているのだろう。僕は満面の笑みで励ましてあげた。


「ちっげえよ!!もう、なんで伝わらねえんだ!ったく…」
「あ、試験はどうでしたか?手加減していただいたおかげで善戦することができましたが、僕にE級として戦える力はあるでしょうか…?」
「変わり身速えな…」


これが一番不安だ。ずっと独学でやってきた武術がちゃんと合っていたのか。


「いや、もはやE級なんてレベルじゃないな」


E級なんてレベルじゃない…E級なんてもってのほかだ…E級なんて一生かかってもなれない…


ガーンと頭を強く打ち付けたような衝撃が走る。
僕の四年間は一体なんだったんだ…


「じゃ、じゃあE級には…」
「ああ、合格だ」
「えっ…?」


ゴウカク?


「でも、でもE級としてやっていくなんて一生かかってもできないって…」
「そんなこと言ってねえよ!?どうなってんだよお前の脳内!?…お前の実力は既にE級を超えていると言ったんだ」


おお!本当に優しい先輩だ!
試験で僕に花を持たせてくれただけでなく、世辞まで言って褒めてくれている!


だけどこれは僕が身の程を知っているから世辞だとわかるが他の人に言うと間に受けてしまうかもしれない。
すると実力に見合わないクエストを受けて、自分の身を危険に晒してしまうかもしれない。


「おめでとうございます。リオさん!」


僕がお世辞に照れていると横から受付の人から祝福をいただいた。


「ありがとうございます。えっと…」


そういや名前を聞いていなかったな。


「あ!失礼いたしました。私、ミラと申します。これからよろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしくお願いします」


丁寧にお辞儀をされたので僕も習って頭を下げて挨拶をする。


「こちら、ギルドカードになります。再発行は銀貨3枚かかりますので紛失にはお気をつけ下さい。尚、身分証としても使えますので、常時持ち歩くことをお勧めいたします」


渡されたのは金属のプレート。E級と書かれており、裏には何やら情報が載るような空欄がある。


二つ名?


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