成長するクズスキルがいつの間にかチートになってました〜世界最強は触れることなく無双する〜

斎宮蓮太郎

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04 門出

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「それじゃあ父さん、母さん。行ってきます!」


僕はバッグを持ってそう言った。
15歳になり成人した僕は今日、冒険者になるためにアークヒルデに向かう。


「ああ。怪我や病気には気をつけろよ。まあ、お前なら大丈夫だと思うけどな」
「リオちゃん、辛くなったらいつでも帰って来なさい」
「ありがとう。落ち着いたら一度戻るよ」


僕はスキルを使って身体を宙に浮かばせる。


「行ってきます!」


そう行って空を駆け出す。



笑顔で送り出してくれた両親の顔が頭に浮かび、一年前のことを思い返した。


◇◇◇◇


これは両親の説得を試みようとした時。


「父さん、母さん!僕やっぱり冒険者になりたいんだ!」

すると2人は驚くのではなく、ついにこの日が来たかという表情でため息をつき衝撃の一言を放った。


「知ってたよ。お前が諦めず努力していたことを」
「あんなにも頑張ったリオちゃんを止めるなんて母さんには出来ないわ」


「……」


僕は開いた口が塞がらなかった。



◇◇◇◇


あっさり認めてくれたこと然り、修行のことがバレていたことにも驚愕したのを覚えている。


今までの緊張と努力に費やした時間を返せーと叫びたくなった。それほどまでに地獄だったのだ。


しかし、今ではあの四年間は後悔していない。
これからの冒険者人生に必ず活きてくると信じているからだ。


徐々に速度を上げていき、大体音速を維持して飛翔すること3分。


目的の街が見えてきた。


「あれがアークヒルデ!大っきいなー」


外壁の百メートルほど手前に降り、歩いて向かうことにした。


「音速移動は楽だなー。念動力で風や塵もないし、何より早く着くのがいい」


側から聞けば明らかにおかしい独り言を言いながら外壁を見る。


15メートルほどだろうか。村には壁なんか無く、柵があるくらいだったため、圧倒されてしまうな。


「こんにちは。ここはアークヒルデで良かったですか?」
「ああ、合っている。冒険者志望か?」


僕は門番らしき人の質問に頷いて答えた。
服装で判断したのだろう。僕のような人が多いのだろうか。


「身分証など持ち合わせて居ないのですが、入れますか?」
「あー、ならこの水晶に触れてくれ。この街に悪しき思いを抱いていたら黒く濁る筈だが……問題なさそうだな!ようこそ、アークヒルデへ。冒険者ギルドなら真っ直ぐ行ったら右に見えてくるよ」



礼を言って門をくぐった。


「おおー!」


中は活気溢れる光景が広がっている。


おっ、街中に武装した人がいるな。あれが冒険者か。


「とりあえず、宿屋探しかなー」


しばらく歩いていると金髪の女の子がこっちに走ってきた。


「ねえねえ、そこのかっこいいお兄さん!宿屋探してるでしょ?宿屋ならウチ、オーガの住処!一泊銅貨3枚で朝食つき!」


ちょうど宿屋を探してはいたんだが、なんだその一瞬躊躇するネーミングゥ…
どうしようか…宿屋を探していたのもまた事実。


「ええと…」
「こっちこっち!」


有無を言わず連れて行かれる。
強引さも商売には必要か…
まあ、とりあえず見て決めようとは思っていたので何も言わない。


「着きましたよ!お父さーん、お一人様入りまーす」


元気よく客の入りを告げると調理場の方から「おう!」と渋い声が帰ってきた。


中を見渡すとなかなか綺麗なことがわかる。隅々まで掃除が行き届いているのが見てとれた。
これで銅貨3枚なら良心的だろう。


「じゃあとりあえず30日頼みます」
「承りました!」


そう言って村に攻めようとした賊から奪った銀貨9枚を村の魔道具技師のステラばあとの共同力作アイテムボックスからバレないように出して支払い、鍵を受け取る。


アイテムボックスは宇宙らへんの空間を念動力でギュッと集めて固定したものを指輪に魔術で固定した魔道具だ。


大変だったのは魔道具が壊れると辺り一帯消し飛ぶことだったが、それはばあ曰くミスリルの指輪を使うことで空間を完全に指輪に定着できたようだ。僕は知らんけど。


「僕はリオ。これからよろしく」
「私はリースよ。こちらこそ、これからもオーガの住処をご贔屓に」


これからお世話になるので自己紹介込みで挨拶をすると、満面の笑みで挨拶?を返された。


「あ、気になってたんだけど、なんでオーガの住処って名前なんだ?お客さん、入りづらくないか?」


ずっと気になっていたことを聞いてみた。
するとリースは苦笑いをして言った


「それはね「俺のあだ名がオーガだからだ」そういうこと」


リースが言いかけたとき、被せるように先ほどの渋い声で言った。
声の主を見ると、まさしく人間よりオーガよりの顔立ちをしたー見たことないけどー大男が立っていた。
先ほどの会話からしてリースの父親だろう。


「な、なるほど…」


店の名前にするくらいだから気にしていないと思うがもしものことがあるので返答に困る。
僕が言葉を返さないでいるとオーガは笑って


「気にしなくていい。俺も結構気に入っているんだ。筋肉を褒められて悪い気はしない」


あんたの場合筋肉だけじゃない気がするが…
あと笑った顔も狂気でした。


「ん?なんか言ったか?」
「言ってないです!!」


顔に出てたか!?まあいい。誤魔化せたようだ。


「冒険者志望か?お前もなかなか良い筋肉だな。柔軟性があってかつ力強い。量は普通だが質が最上のそれだ」 
「あ、ありがとうございます!!」


人に筋肉(努力)を褒められたことがほとんどないため、つい泣きそうになる。
オーガもこんな気持ちなんだろうか。


「登録はしてきたか?」


オーガが突然あっと思い出したように聞いてきた。


「いえ、まだですけど…」
「ならちょうど良かった。先取りで情報をやろう。この街は比較的発展している上に近隣の森では強力な魔物が多いことから死亡率を避けるために試験が設けられている」
「…初めて聞きました」
「そりゃそうだろう。この街だけだからな。だから出来るだけ準備はしていった方がいい」
「わかりました。ありがとうございます」


試験か。やっぱり戦うのかな…?
初めての対人、緊張するな。



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