成長するクズスキルがいつの間にかチートになってました〜世界最強は触れることなく無双する〜

斎宮蓮太郎

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03 伴う制限

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僕のスキル「念動力」が成長スキルだと判明してはや一年。


そして、大体のものを動かせるようになった。今では生えている木を一本引っこ抜けるほど強くなった。
ちなみにまだ成長限界は来ていない。


だが、まだ戦えるほど強くなったわけではない。


今も、森にいる熊の魔物に隠れて怯えている。こんなことではいけないとわかっているのに。
 

やっとの思いで逃げ帰り、これからのことについて再考してみる。


まず「念動力」の制限として挙げられるのが二つある。


一つ、ある物体に対して同時に掛けられるのは一方だけである。
二つ、意識外での「念動力」の固定には成長に伴う距離制限がある。


一つ目は、例えばある物体に対してそれぞれ逆方向に力を加えて破裂させたり出来ないということだ。
「念動力」は「物体に干渉する力」のようなので、「上から力を加えた結果浮く」というわけではない。


二つ目は、「念動力」を使い、それを固定して浮いたままにした時に意識しなくとも念動力が働くが、常に供給している必要があり、供給できる距離があるということだ。


出来ることが若干狭まる制限ではあるが、これらはさして重要ではない。


一つ目により、直接的に相手を攻撃することが出来ないとなると道具を使う必要があり、それを相手に当てるには数を操る集中力、また操る速度が必要なのだ。


また、冒険者になるには自信も鍛えなければいけない。


能力での戦闘力と自身の戦闘力。これらを高めてこそ、両親を説得できるだろう。


成長スキルを隠すためにも、チャンスは一度。
「なんかスキル覚醒したー」と言えるのは一回きりだ。


父もまた、元冒険者だ。パーティメンバーがクエストで亡くなり、引退した。
冒険者の夢とその厳しさを知っている父さんだからこそ、僕を止めるだろう。


だから、僕はスキルなしで父さんを余裕で倒せるようになる。


15歳の時いきなり言うのは急すぎだから、期限は14歳まで。



ストレッチ
毎日二十キロ走り込み
二百回の腹筋
百回の腕立て伏せ
ストレッチ
「念動力」による筋肉治療
スキル成長
格闘技
スキル応用



家から少し離れた場所。
森の、少し開けた場所にある切り株に書いた地獄のような練習メニューを見て、心から呟いた。


「経った四年。元々クズスキルなんだ。どうせやるならとことんやってやろうじゃねえか」


僕は自ら地獄へ足を踏み入れた。



  ◇◇◇◇



地獄へ足を踏み入れたあの日から四年間。僕は自分が決めた練習メニューをコソコソとしっかりこなしていた。


その結果。僕は見事、限りなく理想に近い細マッチョな体を手にしていた。


戦闘における一つ一つの動作邪魔することのない適度な筋肉量に加え、質も文句のつけようがない。


この四年、地獄以外の何物でもなかったが、これものちの冒険者ライフのためだと思うと我慢できた。


そして今日、とうとう両親を説得する。
成功率を上げるために誕生日にした。


最後の鬼門、果たしてどんな反応をされるのか。
不安で胸がはち切れそうになる。


親不孝かもしれない。けど、父さんたちだって家業を継いで農業しているわけではない。


「きちんと、思いを伝えよう」


鼓動が速くなるのを感じる。期待と不安を胸に、僕は両親に秘めた思いを打ち明けた。






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