天国への階段

惨多

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エピローグ

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人は死んだらどうなるのか。
この世を生きている人間だったら、一度は考えたことのあるお題だろう。
それは死んでみないと分からない。そして、この世にいる限りはその状態のことが分からないのだから、探りようもない。
何か意図があってそうなっているのか。
はたまた必要のない記憶だから、そうなっているのか。
男はそれを考えることも、もはやしなくなってしまった。
男が知っている限りでは、どうやら人は死ぬと雲の上に来て、そこにある階段を上って天国か地獄に行くらしい。どうやって選別されているのかは、男も知らない。
何せ、男は死んでからずっと階段の麓で立っているのだから。
どれだけそうしていたのか。
けれどそれすらどうでもいい。
元々ここにいて、男にそこにいるよう指示した仙人(と言っても過言じゃないくらい風貌が似ている老人)にも、「飽きるまではそこにいていい」と言われているから。
だから、どうせ死んですることもないことだし、飽きるまでここにいることにした。
初めはすぐに階段を上がりたくなるだろうと思っていた。しかし、お腹が空かない眠くもならない、そして感情もないから飽きることもなく。
今では飽きることがないからここにいるのか、仙人にだまされているんじゃないかという気すらしてくる。仙人がただの死んだだけの一般人を陥れて何の得があるのかもやはり分からないが。
そんなこんなで居心地はいいからとりあえず不満はない。
このまま何事も起こらず終わればいいのに。
心のどこかでそう思っていた。
これからその安寧が徐々に切り崩されてしまうことも知らずにーー。
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