幼馴染はイケメン高学歴リア充、だけどぽっちゃり喪女の私に夢中でなかなかの変態だからもったいない。

茜琉ぴーたん

文字の大きさ
5 / 38
episode:2…格差

5

しおりを挟む

 篤人の眉がぴくんと揺れたその時、
『♪~~♪~~』
ホームから電車の到着メロディーが聞こえてはっと腕の時計を確認する。
 下りの電車が入線するようだ、篤人に目線を戻すと奴は乗る予定でもないだろうになんだかソワソワしているように見えた。
「珠ちゃん、じゃあ…また連絡するから。お友達待ってるし行って、」
「うん?これ乗るやつじゃねぇけど」
「行って、いいから!またね!」
「うん…じゃあな」
 追い払われた気分だ、これはきっと勘違いじゃない。おそらくこの便に待ち人が乗っているんだろう?その人を駅舎の前で今か今かと待ち構えていたのだろう。
「(話しかけておいて厄介払いか…偉くなったもんだな)」
 解放されたとはいえホームと改札は今の電車から降りて来た客や学生で溢れていて、わざわざ割って入るほど急いでもない私は端に寄ってやり過ごそうとベンチに座った。
 そうすると人混みの中からふわふわ妖精さんみたいな可愛らしい女子高生が抜け出して、私の前を通過し目を奪われる。
「(…わ、可愛い…)」
 同性から見て可愛いのは男性受けし難いと聞くけれどその子は例外だったよう…彼女は外で待つ篤人の元へ駆け寄って、お天道様の下にも関わらずぎゅうと堂々ハグをしてのけた。
 そうか篤人は恋人を待ってたんだ。そりゃイケメンリア充だし居ない方がおかしいわな、まことお似合いな制服カップルは自転車の2人乗りをして駅舎から離れて行く。
 彼女との待ち合わせか、どうりでベルが鳴ったらそわそわし始めた訳だ。
 もし私が男子なら「こいつ、中学の同級生だよ」なんて紹介してくれたのかな。まさか冴えない私と居るところを見られたくなかったから先にサヨナラしたのかな、哀しいけれどきっとそれが正解だと思う。
 しかし可愛い子だった、細くて白くて化粧もしていたし髪も巻いて華があった、篤人と同じ学校の制服だから偏差値も高いことだろう。
 でも本当のことを言うと本能で察する『悪い女』みたいなものを感じた。非リア充は人間とも思ってないような冷酷な…とそこまで妄想してひがみはいかんと正気に戻る。
 もしそうだったとしても自分には関係無いし納得して篤人が交際しているなら問題は無い。美形は美人とくっ付いて遺伝子を継いでいくのが地球のためだ。
 そして「あんな美人になりたいなぁ」と考えるのは私自身の問題、篤人はともかく引く手数多あまただろう美人の存在は純粋に思春期の心に羨ましく映った。



「おたま?どしたの?」
街に向かう電車の中で、友人が問う。
 私があまりにも呆けているから嫌でも気になったのだろう。
「ううん、なんでも」
「さっきのオケ大附属の男子、すごいイケメンだったね。同級生?」
「んー、幼馴染み的な」
「えーすごーい。イケメン幼馴染み設定とか乙女ゲーかよ」
「僻むなよ…へへ」
 確かにイケメンな幼馴染みなんて乙女ゲームの王道パターンだよな、でも大概そいつは後から現れたキザな男前にヒロインを取られちゃうもんだ。
 私に関してはその男前の出番も今後見込めないだろうし篤人ともそこまで深く関わることは無いだろう…関わる理由が無い。

「(あいつ…私のこと『可愛い』って…半端に褒めやがって…)」
篤人がくれた言葉をぼんやり繰り返し再生しつつ、自分とあの美人は何がどう違うんだろうなんて不毛なことを考えたりした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです

沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました

Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。 そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。 お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。 挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに… 意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。 よろしくお願いしますm(__)m

結婚式に結婚相手の不貞が発覚した花嫁は、義父になるはずだった公爵当主と結ばれる

狭山雪菜
恋愛
アリス・マーフィーは、社交界デビューの時にベネット公爵家から結婚の打診を受けた。 しかし、結婚相手は女にだらしないと有名な次期当主で……… こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載してます。

処理中です...