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しおりを挟むそうかならば存分に味合わせてもらおう、明かりは消さずに茉莉花の胸元へ口付ける。
「そ、空くん、電気」
「見て欲しいんだろ?下着」
ばくばくと心臓が暴れているのが分かる。今までは何となく「ブラジャーだろう」という物の上から触っていただけだった。暗闇の中で脱がせて中身を味わうだけ、外装はおまけにも思っていなかった。
「恥ずかしいよぅ」
「よく言うぜ、見せたいって言ったのは茉莉花だろ」
「着たままエッチは…あ、やだ、」
布地を折って乳頭だけ覗かせる、「生地が傷むからやめて」とか言われるならやめようと思ったが止められはしなかったから良いのだろう。
「可愛い乳首、なぁ茉莉花、」
「ひゃあっ…あ、あ♡」
「ビンビンだな…こっちは?」
背中を倒させて手を脚の間へ持って行けば、つるつるとした女性下着特有の布地がしっとりして指を絡め取る。お気に入りの下着で抱かれる事に興奮してるんだな、触っているとどんどん潤みが増していく。
「そら、くん…」
「びしゃびしゃ、茉莉花…」
「やらぁ…」
「洗えば落ちるだろ?ん、」
跪いて鼻先を丘に付けて、味もしない布を舐めるとガーターストッキングの脚に挟まれた。
「んッ…なに、」
「やら、そんな、舐め方しないでぇ」
「パンツごと茉莉花を味わってんだよ…なぁ、可愛いよ」
「ひぃ…」
脚を俺の肩に担いでバター犬みたいにはふはふ股間を舐って、ストッキングが繋がれた紐をぱちんと弾くとパンツの向こうがひくひく畝る。
いつもより早そうな気がする。やはりこの下着が茉莉花の興奮の後押しをしてるみたいだ。
俺を抱え込む脚がぴんと伸びてぴくぴく疼いて、達するために協力してくれているのだと思えばびしょ濡れの俺の顔も報われる。
茉莉花の良い所を重点的に責めて責めて、吐息混じりに
「茉莉花ぁ、かはいい、」
と唸ると細い腰が浮いた。
そして悲鳴に似た喘ぎ声が寝室に響いて、俺は太ももで圧死するかもというくらいぎゅうっと挟まれこれはこれで良い気分だった。
「ひンっ…らめぇ、は、ア♡あ♡あ♡……ひあ~…」
「ぷは…パンツ越しのクンニでもイけんのな、茉莉花エロいなぁ」
「そんら、こと、言わらいれぇ…」
「嘘だよ、可愛いわ…待ってな、ゴム着ける……っと、」
そうだスキンの件を解決せねばならないんだった。しかし目の前に据え膳があるのに野暮な話をしている場合か。
スキンを摘んだ指が葛藤に震える。あまりに彼女が可愛いから先走ってしまった…ここからシリアスな話をせねばならないのが間抜けでいけない。
「…どしたの?」
「…なぁ茉莉花、その…このゴム、コンドームさ、入れ替えたりしたか?」
「‼︎」
見開いた目だけで、答えは明らかだった。その選択肢しか無いから分かっていたはずなのに、万に一つの裏切りの可能性を考えるとチリチリ腹の底が焦げるような思いがした。
さっきまで愉悦に浸っていた茉莉花は蒼白になって、起き上がり目を泳がせて脚を抱える。白い脚に白いガーターストッキングがいやらしい。
その下着を俺以外にも見せたのか?だとすれば誰に使わせたんだ。職場の男か、まさか客じゃあるまいな。下着集めの話自体が嘘で男を食うためのコスチュームだとしたらどうしよう。
「今日昼間にたまたま箱のな、使用期限見てさ…前に見たやつと変わってたんだよ」
「そ、うなの?気のせいじゃない?」
「…枚数も変わってたんだよ。残り1枚のはずなのに2枚に増えてた」
「……」
「それがさっき見たら箱ごと元に戻ってた。中身も1枚だけ…なぁ茉莉花、持ち出して誰かに使わせたのか?」
茉莉花はふるふると首を横に振る。
俺はそれを見て少し安心して、
「なら、何に使ったんだ。何で箱も替えた?意味が分からん」
と怒ってないことを前面に出しベッドへ掛けた。
清楚でセックスに積極性の無い茉莉花がスキンを何に使うってんだ。あれは男性器に被せる以外に使い道は無いだろうが。興味本位で開けてしまって埋め合わせをしたのか?だったらそう言ってくれれば良いのに。
茉莉花はしばらく黙り込んで、俺の興奮もどこへやらですっかり醒めてしまった。せっかく下着セックスなんて新境地を開拓できたのに、つまらない誤解で駄目になるなんて馬鹿げている。
俺が納得できる理由を無理矢理にでも放り出して安心させてくれ…口を拭ってため息を吐けば、背中に柔らかい接触を感じた。
「空くん……あの、本気で、引かないで欲しいんだけど…」
自供はか細い声で、澄ませなければ聞き取れないほどの囁きだった。
「うん、聞くだけ聞くよ」
「あの、お、お、おもちゃに、使ったの…」
「は?ゴムで遊んだの?」
風船にでもしたのか。
素っ頓狂な声で振り返れば茉莉花は首から鎖骨から全身をピンクに染めて、
「違、う……あの、オトナの、おも、ちゃ…」
と項垂れる。
「は……はぁ?」
「おもちゃ、し、知ってるでしょ」
「…バイブとかディルドとかか?」
「そ、う……空くんのスキン借りて、使ったの…」
しおしおと萎える茉莉花はまた泣きそうで、俺は話を止めてなるものかと彼女を抱き締めてポンポン肩を叩き調子を取った。
「…あのさ、俺、茉莉花っててっきり、その…エッチとか好きじゃなくて、俺に付き合ってくれてるもんだと思ってたんだけど」
「…ごめんなさい」
「いや、俺こそ…あれか?ほら、俺に慣れる為に練習したのか?」
そこまで苦痛だったか、慣らさなければ乗り切れないほどに苦行だったか。
しかし次なるショックを受け止めるために息を呑んでいると、茉莉花は「違うの」と断ってもじもじ膝を擦り合わせる。
「わ、私、その…け、結構、エッチ、好きなの…」
「え、そうなのか?」
「うん…でもその、空くんは私のこと、純だとか大人しいとか褒めてくれるから、もっと、シたいとかって、私からは言えなくて…足りなくて…ストレスなのか肌荒れしちゃって会社でも注意されるし、スッキリした方が良いのかなって、む、ムズムズしちゃって、お、おもちゃ、買ったの、」
「なーるほどー…」
何だよ早く言えよ、俺が勝手に貞淑だの清楚だの言っていただけで茉莉花はいけるタイプだったのか。それなのに月に数回しかお誘いが無いもんだから辛抱堪らなかった訳だ。
いじらしい答え合わせに股間がほんのり熱くなる。
「最初は自分でスキンを買ってたの。でも…そ、空くんが使ってるのと違うからか気持ち悪くなっちゃって、試しに空くんのスキン使ってみたら凄く良くて…使っては継ぎ足す、っていう風にしてたの」
「何で継ぎ足し?そのまま茉莉花が買ったやつから使えば良くね?」
「…空くんのゴム、っていうのが興奮するんだからしょうがないじゃん…」
「何それ可愛い」
秘伝のタレじゃあるまいし、何の意味も無い移植作業だ。俺のスキンを使う、自慰に使う、足しておく、そんなことを知らないうちにちみちみこなしていたのか。
「あと箱のことなんだけど…あれは単純に入れ間違い。昨日補充して引き出しに収める時に私のと空くんの箱をテレコにしちゃって…空くんがさっきお風呂に入ってる間に入れ替え直して…こんなことになっちゃって」
「ほー…なぁ、おもちゃっていつ使ってんの」
「や、休みの日とか…」
「あー、昨日は茉莉花休みだったか…どんな風にしてんのか見てみたいな」
「…絶対ダメ」
茉莉花はクローゼットを睨み付けて、また視線を落とす。
実に単純だ、きっとそこがバイブレーターの隠し場所なのだろう。これは詰問が面白くなってきた。セクシーランジェリーの彼女に自慰行為についてインタビューして恥ずかしがらせるなんて攻め所が多くて堪らない。
「じゃあ教えて、どこでシたの」
「り、リビング…」
「昨日って、茉莉花の話では配信の映画を連続で観たんじゃなかったっけ」
「観ながら、シてたの…ごめんなさい…」
「謝るなよ。へぇ…服は?脱いだの?」
「こういう…ランジェリーで…あの、へ、変な趣味してて、ごめんなさい…」
自分ではセックスに使う意図は無いと認めたくせに、とっくにいやらしいことに使ってたんじゃないか。動画配信サービスをテレビで映しお気に入りのランジェリーを身に着けて、昼は出前でも取ってゆったりまったりと出し入れしてたのか。
そんなの言ってくれたら観覧料を払ってでも覗きたいわ…ひとり遊びする茉莉花を想像するだけで興奮が蘇る。
「良いじゃん、男が好きなんじゃなくて、俺に抱かれない寂しさをおもちゃで紛らわしてたんだろ…可愛いじゃん」
「……」
「昼間っから下着でバイブオナニーかぁ…茉莉花、エッチだなぁ」
「やめてってば」
「……ごめんな、茉莉花は俺が初めての男だったしガードも固いしさ、エッチすんの好きじゃないって思い込んでたんだよ…もっと話し合えば良かったな」
「ううん、私も…清楚な振る舞いの方が、空くんは好きなんだと思って…も、元カノさんたちに浮気されたのショックだったんでしょ?絶対、そんな悲しい思いさせたくなくて…エッチな女の子だって思われたら疑われちゃうと思って…イメージは崩さないようにしてたの」
元々はそのイメージ通りの乙女だったんだ、それが俺とのセックスを知って探究心に目覚めたなんて俺の自信も増してくる。
もっともスキンの箱が入れ替わっていなかったら気付かないくらい俺は鈍感だから、上手く隠し通してくれるなら浮気されてても問題なく暮らせていけたのかもしれない。
「もうちょっと、隙を見せてくれても良いよ」
「…そう?」
「うん…とりあえず、下着コレクションを見せてもらおうかな。あとバイブも」
「…なんでよぉ!」
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