わかりあえない、わかれたい・16

茜琉ぴーたん

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テ、テンプレだあ〜!

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 電車で帰宅して、スマートフォンを確認すると彼もとい元カレからメッセージが届いていた。

『うちの母さんは感情表現が下手でさ、強い言葉を使っちゃうんだよ。悪気は無いから、気にしないで欲しい。』


「いや、気になるわーい」

 悪気が無い相手の妄言を本気にした私が悪いのか。

「そうかい、そうかい…えーと、」

『うちのムスコはお前になんかやらん!みたいなことをしたかったの?付き合ってらんないよ。以降、ブロックしま~す‼︎』

「送信、えーと、ブロック、ブロック!よし、」


 本当は、彼母についてもっと言いたいことはあった。

 でも彼らを私が更生させてやる必要は無いし、指摘したところで…というところだろう。

「更年期は分かるよ?でも元々の素養もあるんじゃない?…どっちにしろ、私がどうにも出来ないわ」

 嫁候補をイビる彼母、それを止めない元カレ。

 その中に頭を下げてまで入る価値も無し…元カレ家族のことは早めに忘れようと、スマートフォンをベッドへポイと投げた。


 某ネット掲示板のまとめ記事で嫁イビり姑のエピソードを読んだりするのだが、私は毎回「どうしてこんなことを言われて離婚しないんだろう」などと考えていた。

 実際にイヤミを言われて気付いたことといえば、「案外ポカンとしちゃう」ことくらいか。

 こんな失礼な人がいるんだなぁ、と冷静に頭が回った。

 ウィットに富んだ返しは出来なかったしギャフンとも言わせられなかったけど、彼らの価値観にヒビくらいは差せたのではなかろうか。
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