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「あわ…巴先輩…」

「ふぅ…どうかしら、彼女の半裸よ。興奮してみると良いわ」

「いえ、あの、」

「ブラジャーも外すわ」

「えええ」

 ありがたいけど興奮より狼狽が勝ってしまって猛りは今ひとつ。

 ピンクのブラジャーを外した先輩はサッと双眼鏡を構えて「はぁ?」という表情を見せる。

「ちょっと悠希斗くん、どういう了見かしら。彼女の裸を見ておいて反応しないなんて…恥をかかせるのもいい加減にしなさい」

「待って下さいって…いきなりでビックリしてるんです」

「セクシーさが足りないかしら」

「そうじゃない、待って…集中しますから」

僕は双眼鏡の視界に入っていることを意識しつつ、巴先輩の白く神々しい上半身に目を凝らした。

 誰にも触れさせたことのない体だ。

 腕にも首元にも日焼けの跡すら付いていない。


「(…キレイだな…色っぽいけど…人形みたいだ)」

 双眼鏡を持っているから胸は腕で隠れている。

「先輩、おっぱいを見せて下さい」

とお願いすれば

「どうぞ」

と快く腕を下ろしてくれた。

 丸い、白い、柔らかそう、鳩胸というのか少し乳房が外向きに開いている。

 もしかしたらコンプレックスなのか。

 僕が身を乗り出してまじまじと見つめれば

「あの、形は気にしないで」

と今さらに恥じらいを醸してくれた。

「あは…色っぽいです」

「でも、そこまで大きくなってないわ」

「そりゃあこれだけ距離がありますから…先輩、隣に行って良いですか?」

「い、いけど…当然襲うのはナシよ、あくまで双方の合意のもとにしなきゃ犯罪なんですからね」

「はいはい」

僕は半勃ちをぶら下げてベッドへと迫り、明らかに怯え出した先輩の隣へと腰掛けた。

 明け透けだったり隠したり、豪気かと思えばしおらしくなっちゃって。

 彼女を動かしているのが欲求なのは間違いないだろうが、好奇心と理性とがせめぎ合ってるみたいだ。

 しかし理性というか彼女なりの恥じらいなのか怖気付いてるのか、大股開きで座っているというのに巴先輩はこちらを見ようともしない。

「先輩、見て下さいよ」

「わ、分かってるわ」

「先輩が見たがったから来たんですよ」

「分かってるわよぅ」

「ほら、天井を向きそうです」

 恥じらう巴先輩のなんと可愛らしいこと。

 しかも半裸だし震えてるしでぞくぞくと興奮してしまう。

 先輩の好奇心が首をこちらへと持って来ようとする。

 少し指で支えてドーピングして見せれば彼女は「わあ」と言ったきり動かなくなってしまった。


「……」

「……」

「(大丈夫かな)」

恥がメーターを振り切ったのかキャパオーバーになったのか、煙は出てないようだが手の指先だけがもじもじと揺れている。
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