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しおりを挟む「あ、ゆき、と、く、」
「ぬるっぬるだ、巴さん、どう、ですかッ」
「抉られてる、感じ、よ、体の中に、他人が入ってる、でも、不快じゃない、不思議、」
「快感は?無いですか?」
「…あの、ぞわぞわ、お腹の底が、むずむず、するの、」
「気持ち、良いですか?」
「分かんない、これがそうなのぉ?」
断言できない感覚に口調も表情も崩れる。
認められないだろうが彼女は感じている…僕は自身の感触からそう断定できる。
無意識に揺れて捩れる腰、僕の尻を押さえ付ける踵。
僕の膝にちょいちょい触れる指先は「気持ち良いからもっと来て」と語っているかのようだ。
「巴さん、気持ち良いです、」
「あふ…ゆぎッ…ぁ、やらァ、なんか、せつ、ないッ」
「切ない、か、ん、恋でしょうか、」
「恋、らろうらけろォっ…あ、悠希斗ぐんッ…きぼぢ、ィ、」
「はぁい、なんですか?」
「きもぢ、イいッ…たぶん、」
たぶんか、誰か彼女に『気持ち良い』の定義を教えてあげてはくれまいか。
「(あ、それを教えるのが僕なのか)」
未熟な僕だが巴さんよりは巧者のつもりだ。
攻めの手を緩めることなく小気味良く中を叩く。
元々狭い所がどんどん僕を追い出すようにみっちり詰まって来る、そうはさせまいと奥へ奥へと侵攻する。
昇天させるなんてことはいきなり無理だろうけど巴さんなら「試してみたいわね」とか後々言うだろう。
そして恥ずかしげもなく「そこをもっとしてみて」とか指南して来そうだ。
どちらが上かは分からない。
けれど共に探り合うことに彼女は抵抗が無さそうだしむしろ知らないことを素直に教えてと頼める人だから、トータルで見れば対等なのかもしれない。
「悠希斗、くぅん、あふ、こえ、あ、きゅんきゅん、すゆ、」
「抽象的、だな、気持ち良い、んでしょう?」
「分かんらいぃ…ふわふわ、むずむず、色んな、感覚なの、」
「それだと思うんだけどなぁ、ん、」
どうして「ドキドキ」が分かるくせに快感を認められないんだ。
自分の体に起こっていることがなぜ分からない。
不感症ということもなさそうだし惚けている訳でもあるまい。
なるほど難攻不落は察しの悪いポンコツだ。
「わがんな、い、ごめんなさい、」
「謝らないで、終わったら辞書でも引きましょう、ん、巴さん、そろそろ、僕、イきそうです」
「あ、ゔ、ん、」
「巴さん、気持ち良かったです、もっと、これから、たくさんッ…あ、気持ち良いこと、しましょうね、ん、出ます、ん、んッ………ん、ん…」
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