7 / 17
濫觴—らんしょう—
7
しおりを挟むそれから数分、先生に右と左と乳房を吸わせた。吸って「頂いた」と言うよりはその方が合っている。
「ぷはぁ」と自ら離れたのをひと区切りとして、満足げな先生の手首を自由にして差し上げた。
「お可愛らしかったですわ、先生」
「…恥ずかしいね、この歳になっても母に執着しているなんて」
「親を大切に思うのは良いことですわ」
「…生きている間に、良くしてあげられれば良かったんだがね」
先生はさっきまで私を含んでいた口からため息を吐く。
先生のお母さまは、既に鬼籍に入っている。事前情報によると、自宅で倒れて緊急搬送され、数日の入院ののちに亡くなったそうだ。
「随分とヒステリックに怒るようになっていたからね、脳の血管が耐えられなかったのかな」なんて先生は茶化した。
「ショックでしたでしょう?」
「まぁね、しかし…解放されたのが嬉しくもあったし…パートナーを永遠に失ったような気持ちもしたし…色々だ。父親も数年後に逝ってしまって、資産を持て余したのも君と出逢うキッカケのひとつだね」
先生は無意識に私の胸を見遣っては、その向こうに別のものを投影しているらしかった。それは亡くなったご両親だろう、うっすら瞳が潤んでいるようにも見える。
「…今日は、先生の歴史を知れて、嬉しかったですわ」
「オジサンの戯言だよ。…関口くんの生い立ちもあらかた聞いている。僕と君は金で繋がった関係ではあるが、僕が働き続ける限りは衣食住に困らせるようなことはしないと誓う。だから僕はこの趣味を隠すし、関口くんは僕が頑張れるよう支えて欲しい」
「はい」
「君には楽しい恋愛や、子供を持ったり結婚さえも経験させてあげられないが…生活は保障するから」
「充分ですわ、先生…ありがとうございます」
温かい食事を貰えるだけでも有り難いというもの、私は心からの笑みを贈った。
施すことで対価を頂ける、これはただ与えられるだけよりも快い。負い目を感じなくて済むし、達成感だって得られる。生活に張りが出るし自己研鑽に磨きがかかる。
そして相手が先生だということも都合が良い。私は議員として人間として先生を尊敬しているし、彼に仕えることに生理的な嫌悪感が無い。
そうするために訓練を積んだ訳だが、それにしても先生は私に合っていた。敬える人でなければ秘書としての業務にも身が入らないだろうし、体を合わせることは苦痛でしかない。
私の感情を買い上げるために養母に大金が払われているが、この平穏な暮らしがあるなら無償でも良かったくらいだ。どちらにしても、その大金は私に入る訳ではないから関係ないのだけれど。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる