27 / 30
能事畢矣—のうじおわれり—
27
しおりを挟む先生はお誕生日を十数回迎えて、還暦を超えた。
初老を駆け抜けて、老人と呼ばれても自然な年頃だ。
それでも、こと母性へのこだわりは変わっておらず…私の乳房に埋もれて、水枕のようにぽよぽよ感触を味わっている。
「こんな姿…人に見せられないね…」
「見せたくありませんわ、私の先生ですもの」
「ふふ…この先大臣になろうという男が…情けないね」
「自虐ばっかり」
まぁ、こうして自分を落としてでもしなければ、興奮して痛い目を見るので仕方ない。
分かっているので私も虐めたくなる。
「月のものが終わったら、いっぱい尽くして差し上げますわ」
「……勃つから、やめてくれ…痛い…」
先生のソコはまだ有り難いことに現役で、しかし体力面の問題から一般的なセックスは難しくなってきた。
男性の意思で責めるような、勢いのあるセックスが出来ないのだ。
その代わり私が上になり頑張っているのだが、新しい楽しみも生まれた。
長時間繋がってねっとり焦らす正常位や対面座位などだ。
これは大抵、私が「もう、イカせて下さいませ」と懇願することになる。
長年寄り添って育んだ相性の力かなのか、私は肌を合わせるだけでうっとり蕩けてしまうのだった。
「勇ちゃん、透明な液が出てませんこと?いやらしいわ」
「ぐっ…待っ…勃つ、痛てて、くそっ…」
「明日は亀甲縛りに致しましょうか♡」
「ダメだ、貞操帯とダブル拘束はキツい」
「あら、では来週で」
「くぅ……早く抱きたい、聖美ッ…」
頼りなく私の腕に胸に縋る姿は、偉い議員先生には見えない。
けれど、これが私の大好きな先生、生涯の伴侶だ。
「私も、早く先生をお迎えしたいですわ…お慕い申しておりますもの、先生」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる