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4日目(夜)
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しおりを挟むスカートって走りにくいな、階段で踏みそうになるし脚に纏わり付く感じが苦手。短いと楽だけど脚を閉じなさいって叱られるし風で捲れるし男の人はジロジロ見てくるし…秋花はスカートに対してそんなネガティブな印象しか持っていなかった。
しかし今夜の、前日に急ごしらえしたワインレッドのそれは長い脚にぴったりと貼り付いてコーティングして、でもその裾に男の指が差し込まれればするりと肌から離れて。「どうぞ上へ」と進路を簡単に明け渡してくれて…その合理性が気に入った。
「シューカ、脚、すべすべ」
「ん、くすぐったいな…」
二人は車に着くなり後部座席へ乗り、暗い車内で唇を啄んでは体を弄り合う。
車崎の愛車は微かに、ごく微かに揺れていた。
「ごめん、ここまでやから、太ももまで、」
「う、ン…あ♡」
「こっち向いて、シューカ、」
深く、唇も歯も開いて舌を絡ませて、呼吸をしては齧り付いて。飢えた獣のように宝物を愛でるように、抱き合っては細い首筋にもちゅっちゅと口を付ける。
「シンタローさん、好き、あ、どーしよ、止まらへん…」
骨張った顔に手を当てて引き寄せては頬に口付けをして、ペロッと舐めれば車崎は肩をビクつかせた。
「ん、あー……ん、職質されたらアカンからな、もうやめとこか、」
車内で致す者もいるのだろう、駐車場の周りの道路に見回りのパトランプが見える。
気付けばゆうに30分が過ぎて、お互い着衣ではあるものの息は上がって事後の様に身体中が火照っていた。
「…コーフンしてんすか?」
「そらするよ、シューカ可愛いねんから…スカートやと脚触れるし…いや、ジーパンも好きやねんけどな、」
「帰りたくない…」
「おいおい…シューカちゃん、俺も心の準備ができてへんよ…すまん、調子乗りすぎた…前に移ろ、とりあえずここ出ようや」
後部座席から一旦降りて前へ、涼しい風に当たると現実に引き戻されて、何をしていたのかと先ほどまでの興奮が嘘のように冷静になる。
「シンタローさん……お腹空きましたわ」
「せやな…よし、帰ろ」
・
「シンタローさんは、最後にエッチしたのっていつですか?」
「ぶっ……え、そういうの聞く?」
「ええやないすか、もう陽も落ちたし」
しばらく走ってもう地元の隣町、ここからは猥談もOKか…雰囲気次第では食事を抜いてホテルへしけ込んでもいいと秋花は思っている。ここまで出来上がった心と体を落ち着かせて、次回また1からムードを作っていくのは些か気恥ずかしいのだ。
「ん~……耐性ある?風俗とか…」
「あー、プロの方と?」
「うん、そう…プロ、あの~…2ヶ月前、かな…」
「それはなんで?習慣ですか?」
男性のセックスの周期なんてものは知らないが、それはあまり頻繁ではないように彼女には感じられた。
「グイグイ来よるな…あのね……ボーナス支給とか、昇給とか、資格試験の合格とか、そういう…ご褒美的なやつよ、うん、モテへんからね、プロにお相手してもうてんのよ、」
「へぇ…じゃあ初めては?」
「も~~……こ、高校の時、」
車道の脇の街灯に照らされた車崎の顔は本当に恥ずかしそうで、信号で停止している間も助手席の方を見ようとはしない。
足元はそれぞれのLEDが明るく光り、後部座席の足元もクリスマスさながらの雰囲気で賑やかだった。
「へぇー…じゃあ、彼女は何人くらい?」
「モテへんから、お前が2人目や!」
「そう、か、」
「あんまり性欲強い方ちゃうのよ…たまにAVで抜くぐらいか…いや、もう答えへんぞ………シューカは?どないやの…直近だといつ?」
知りたいような聞きたくないような、しかし自分は攻め入った何人目なのかくらい知っておきたい…車崎は勇気を奮った。
「んーと…この前のは未遂やったから、高校の時が最初で最後っすね」
「は、マジか!お前…結構…」
「ギャルは見た目だけやし…男は小さい…小柄な女の子の方が好きでしょ?そないモテへんっすよ」
前にも告げた通り、合コンで出会った男は彼女のナチュラルなシックスパックを見て萎えたらしい。顕示欲の強い男だったから女には弱くいて欲しかったのだろうか、だとしたら長身で銀髪ギャルの秋花を選んだのはそもそもが間違いだったのだろう。
秋花としても剛気な男だと思って誘いに乗ってみたのだが、入室10分足らずで退室したあのホテルにはしばらく近寄りたくないくらいに苦い思い出となりつつある。
「はぁ、したらお前26よな、……10年、くらい?」
「8年っすね」
「マジか…うわ、ごめん勃ってきた」
「どないやねん」
「どないしよ…シューカ、」
いい?だめ?車崎は珍しくステアリングから左手を離して助手席の秋花の太ももをすりすりと摩った。
「焼肉でしょ?」
「え、え?」
「ジョーダンですよ……そこ、薬局ありますよ」
まだ隣町だが知っているドラッグストアチェーンの看板を見つけ、秋花は指差す。
「あ、うん、」
「軽食なら売ってるでしょ……うち…来ます?」
「行く、」
車崎は左手を戻して、両手でしっかりとハンドルを左に切った。
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