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4日目
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しおりを挟む車崎は対岸の明石の橋の麓の公園に車を停めて、芝生を抜けて手摺りまで歩き頭上にそびえる橋梁を秋花と揃って見上げた。
「ライトアップ…きれい」
無数のLEDが青く、僅かに夕陽が明かる空にぼんやりと涼しげに光って浮かぶ。
「うん…俺の車と同じや」
「私も青でええのに…はぁ……もしかして、この付き合いが上手くいかへんくても、じきに辞めるから気まずないって思うて告白してきたんすか?」
「んー…それも思ったけど…なかなか勇気が無くてなぁ……言うた通り、合コンされる前に引き留めな思うたからよ。会社辞める直前に言うても良かったけどな…職場恋愛も味わってみたかってんな、ひゃは」
がたがたの歯に光が当たって輪郭だけ明るくなって、細い目の奥の瞳にも青が少し反射して。そこに映りたい、そんなことを本能で感じれば行動は素早く、秋花は車崎のパーカーの襟元を掴んで引き寄せていた。
「…お?シューカ、」
「シンタローさん、好き」
「え、あら、あ」
その瞳に映ったかなんて分からない。確認する前に秋花の目だって閉じられて、ゼロ距離で口付けをしていたのだから。
「…好き、居らんくなるとさみしい、嫌や…」
「積極的…シューカ、」
唇は離してキツく抱き合って、ぽんぽんと車崎が背中を叩けば秋花は柄にもなく目に涙を浮かべる。
「なに、泣いてんの?どしてん、ごめん、楽しいときに言わんかったら良かったな、」
少し背を屈めて顔を覗き込む車崎は兄の様で、その優しい瞳にはしっかりと秋花の泣き顔が映っていた。
「シンタローさん、キス、して、」
「うん、ん、」
「もっと、シて、」
スタンプのようにちゅっちゅと軽いキスでは足りない、盛り上がってしまった熱い心はそれ以上の深い愛を強請る。
「シューカ、これ以上は公然ではでけへん、」
「なら、車で、シて、だめ?」
「ダメやないよ、ほなおいで、」
今生の別れでもないし今日が最後の日でもないのに、この数日で気付いた気持ちと数年無自覚に溜め込んでいた想いがロマンティックなロケーションで爆発し…秋花は足早に歩く車崎に手を引かれて小走りで駐車場へと戻った。
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