胸に手を置かれたら、朋也くんのことしか考えられないじゃん。ー無気力系後輩がグイグイ来るのは想定外でしたー

茜琉ぴーたん

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2…胸が躍る

矢向青年の感嘆

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 青年矢向やこう、戦場から自宅へと帰る。

 告白の結果を聞き出すという、生死をかけた戦場から。

「…疲れた……でも良かった…」

美紀みのりさんは俺の申し出を受けてくれて、交際することが本決まりになった。

 即決ではなかったものの感触は悪くなかったし、お泊まりもさせてくれたし酷いフラれ方をするとは思っていなかった。

 しかし延ばし延ばしにされて何となくで断られそうで、惨めな思いをしそうでそれが恐かった。


「ふー…とりあえず、ラッキー…」

 ここから仲良くなって、仕事場でも会えて。

 著しくラブラブにはねらないだろうが、彼女からの愛情を独占して受け取れるならこんな嬉しいことは無い。

 クールというか色気の薄い彼女を興奮させたいし、俺ももちろんしたいし。

 胸がどうとか、まぁ気にはなるが気にかけはしない。

 いつの間にかこんなにとりこになっているのに、彼女は俺のことをずっと無気力だと比喩する。

 ポーカーフェイスの画面の下にどんな情念が隠れているのか、見る気概はあるのか。

 欲望を表情に載せた時に、怯まず受け入れてくれるのか。

「…まぁ、察知してなさそうなところが、元宮さんの可愛いとこなんだけどな…」


 ここ数日の悶々とした気分が晴れて、やっとスッキリする。

 もちろん、この夜も美紀さんを想って独り営んだ。



おわり
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