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しおりを挟むそうしてなんとなくで交際が始まって1週間、あの初デートから毎日真波は
『今夜会えない?』
などと伊東へ連絡を入れていた。
「…いらっしゃい」
「お邪魔しまーす…はい、晩ご飯の材料…台所借りるね」
「……」
ひょいと覗いた買い物袋の中身は肉と長芋とニンニクとニラ、精の付きそうな食材に伊東は「またか…」と股間を押さえる。
今夜でデートは5回目、そのうちお家デートはもう4回目、真波は訪れる度に伊東の精を搾っては元気に朝帰りして行くのだ。
家に来る=セックスがしたいだなんて限らないから部屋へ呼んだものの、来る度に求められては正直伊東もげんなりしてくる。
食事ができて座卓へ運ばれる、仲良く平らげて伊東が口臭を気にしていると、食器を素早く片付けた真波が後ろからぎゅうと抱き付きスタミナ臭を漂わせて
「ヒロアキくん……エッチしよ♡」
と耳元で囁く。
「……今日は…」
「あんまりシたくない?」
「…あんまり…うん…」
「私で興奮せんの?」
「するよ、するけど…毎回セックスするほど性欲ねぇもん」
伊東はまだ20代も前半だが性欲はそこそこだ。観たり読んだりは楽しくても身体を動かしての性行為に毎晩励むほど情熱を持て余してはいないのだ。
「えー、ガッカリ」
「……」
この1週間で消費したコンドームはゆうに1箱を超えるというのに何を言っているのか、これは手に負えないと伊東は早めに逃げる態勢に入る。
「ヒロアキくん、暇さえあればエッチしまくる系の人かと思ったのに…」
「どんな想像じゃ」
「ガッカリぃ…」
「……ほんならヤリチン探して他所へ行けぇや、もう知らん、お前みたいな阿婆擦れ…もう好きにせぇ‼︎」
勝手に人柄を想像しておいて幻滅するとは厚かましい。これでもこの交際期間は頑張ったつもりなのだ、詳しく性格も知らない真波を相手に無理くり興奮して腰を振ったのだから。
抱けなければ真波に申し訳ないしヘタレだと思われるのは癪、その頑張りも認めずガッカリと繰り返すこの女には最高に腹が立つ。
「……」
抱き付いた手を振り払われて伊東の背中は「早く出て行け」と語る。
それは先ほどのセリフからも分かっているが真波は「好きにせぇ」の方をありがたくピックアップしてポジティブに解釈した。
「好きにシていいの?」
「あ?ほうじゃ、出て行…おい、なん」
「好きにスるよ?」
真波は伊東のシャツをまくり上げ一時的に視界を塞いで後ろへ引き倒し、
「いってぇ!マナ、おい、あ、」
と後頭部の衝撃に悶える彼の胸に跨りジャージをずらす。
「んっ…ヒロアキ、包茎だったんじゃね」
「だまれ、放せ」
復活した伊東は引き剥がそうとするも腹の上にどんと乗られては身体が動かせず、かと言って暴力になってはいけないと力に任せることもできない。
髪を躊躇いがちにパサパサ触られながら真波はペニスを観察し、
「んッ…勃たせてあげようね、」
と身体を倒し口に含んだ。
「おい、お…あ、あ、」
伊東の視界にはむっちりとしたジーンズの尻、悔しいがそれが目前で揺れるもんだから嫌がおうにも反応してしまう。
「んっ…フェラチオ、も、ふ…シてみたかった♡ふ…ん…ヒロアキくん、楽にしとって、私が全部、スるけぇ♡んッ」
「おーい…おいぃ…あークソ、あー…」
「んふ…きもちい?」
「あぁ…されるがままでサイコー…」
そうかされるだけならこちらの体力は関係無いのか、いやそれでも勃起させるにはそれなりの元気と集中力と精神力が要るんだけどな。
疲れた身体に真波の肌が当たるのが心地良くて、伊東は彼女の尻をペチペチ叩いては調子を取った。
「ふふ♡んッ♡ん…」
合意と見た真波はそこから奮い、四つ足でじゅぽじゅぽと深い抜き挿しをして遂に…伊東の興奮を開放させる。
「うあッ♡あ、出る、マナ、離れッ、あ、あ♡♡♡あ、ッあー…」
「♡」
ぴくぴく疼く伊東の足先を見ながら真波はやっと萎んだペニスを放し、クイと顎を上げてから
「んッ……は…こんな味するんだ、知らんかった…」
と空になった口で笑った。
「おいぃ…飲むな、吐け、うがいせぇ」
「平気だよ、毒じゃないし…タンパク質だよ」
「…不潔じゃ、洗うて来い」
「はーい」
そうして観念した伊東に再度跨り騎乗位で2発目を、日付が変わる頃に背面騎乗で3発目を搾り取って真波は穏やかな顔で眠りにつく。
そして翌朝はそのまま出勤、夜になるとまた伊東の部屋へと帰って来た。
「…おい、」
「はーい」
「…お前、家に帰らんのか」
「うん、好きにしろって言ったじゃん」
「…はぁ……あ、あー…」
当然この夜も真波は伊東を襲い、あんな事こんな事をしては話題を逸らして立てなくして居座り…数日後に住民票を移して本当に居候してしまう。
・
別段ひとりで不自由なかった生活だがそこに現れた色魔のような真波の存在は有り難いような迷惑なような、しかし料理は美味いし家賃は半額出してくれるしで伊東の生活は潤うようになった。
しかして性生活はどうにも合わない。疲れてぼうっとしているのにいつの間にか自分のペニスをディルド代わりに良いようにされて、けれど気持ちは良いので拒むこともできず。
ある日伊東は「どうにかならんか」と相談を真面目に持ち掛ける。
「…マナ、気持ちはええんじゃけど…勃たすのがしんどいこともあるんじゃが」
「そう?おフェラしたら勃つけど」
「頑張ってコーフンしとるんじゃ…ふにゃふにゃなん見られとうないし…その、ペース落とせんか?」
「えぇ……せっかく一緒に住んどるのにぃ」
果てて皮に籠ろうとするペニスを弄っては、真波は至極残念そうな表情をした。
好きなタイミングでセックスさせてくれる男性なんてそうそう居ないだろう。その点において伊東は彼女の最適なパートナーなのだ。
「…オモチャとかで…オナニーで処理してくれ」
「え、いいの?見てくれる?」
「見たくはない…隠れてシてくれ、ほんまに…そんなに性欲無いんじゃ」
「ふーん…じゃあそうするー」
実は今でもひとりの時は隙を見てオモチャを使っている真波、恋人のお墨付きを貰ったとあってここから底無しの性欲により拍車がかかることとなった。
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