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1章…人生計画
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しおりを挟む敷かれたレールの上を走る人生、私の生きてきた道はまさしくそれだ。
幼少期に親元を離れて施設を経て養母に引き取られ、様々なことを教えてもらいながら大人になり。
とある殿方に体を捧げるのは既に決められた未来計画で、二十歳になった今では抗う気も無くその計画に沿って生きている。
私の名は浦船聖良、苗字は自前だが名は養母が付けたものだ。
改名したので戸籍もこの名、親に付けてもらった名はドブに捨てたも同然で…今さら思い出す気も無い。
私は高校を卒業後は専門学校へ通い、将来のための勉強を積んだ。
入学前から就職先は既に決まっていた。
甕倉市を地盤に持つ国会議員・城廻伸夫先生の秘書だ。
どうして決まっていたかって、それは私がそれに沿うように育てられていたから、である。
優秀な秘書になり、実績を積み、自分を磨き…とある方に取り入って目的を成す、それが私に課せられた使命だ。
順調に学を修めて就職して、私は予定通り伸夫先生付きの秘書となれた。
しかしまだまだ目標達成までの1ステップに過ぎず…余暇は主に資格取得のための勉強に費やした。
私は昔からこれといって趣味など無い。
趣味どころか、私には自由な生き方だとか自主性だとかそんなものを排除されて育ってきた。
だから養親の元を離れても、逃げようなんて考えも浮かばず更なるスキルアップを求めて研鑽に励む日々である。
働いて、学んで、休んで…とある方の同行をチェックしては記録を綴じる。
これは課せられた仕事で、将来的に必要になるので欠かせない。
私が取り入る予定のあの方、私は彼に是が非でも好かれなければならない。
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