負けないふたり、勝てないふたり〜最強剣士の弱いとこ〜

茜琉ぴーたん

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めぐはめぐに負けない

5(最終話)

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 さて、現在。
「萌、かぁわいい♡」
「がふッ…おッ♡おッ…♡♡♡」
「チョロいね、メグちゃん♡」
 最近の萌は、奥を突くとすぐにイってしまう癖が付いてしまった。これも鍛錬の賜物だな、白いうなじをちろちろと舐めてやる。
 僕は相変わらずマルチタスクが苦手なので、舌が動いていると下が疎かになる。けれど今の萌は自分から、挿されに動くくらいに積極的になった。
「ふにゃ、あ♡あ♡」
「可愛い、萌……あー、ごめんね、やっぱそんな保たないなぁ……しっかりくっ付いてイこう、奥で、たっぷり出してあげるからね」
「あふッ♡あ、あ♡」
「子宮でごっくんね、萌、上手にね、」

 妊活解禁した僕ら夫婦は、子作りセックスに精を出している。自然に任せるにしても本気で「作ろう!」と気合を入れて臨みたい、と両者の意志が一致した次第だ。当たり前に剥き身で、堂々と膣内射精…堪らなく甘美で幸福である。
 僕は教員という立場上、キチンとしなければと自らを律する機会が多かったし意図的に律してきた。その反動か、同棲セックス中は荒く下品な言動をすることが増えていた。
 しかし一周したのか、未来の子を想定しているからなのか、萌への敬意なのか、セックス中も普段の言葉遣いで出来るようになっている。心の声はいまだにエロガキのままだが、対外的には配慮が利くようになった。
 大人になったのか、充分暴れきったのか。いずれにしても、僕の振る舞いに萌は「カッコいい」と言ってくれる。

「あ、あ…周、もぉ、抜い、でェっ♡イったア、じゅーぶん、出たァ♡」
「ん、もっと注ぎたい♡萌、愛してる」
「分がるけろぉ、もぉ、脚、立たないッ…」
「ん?萌はそんなに弱っちかったっけ?」
 震える尻をペチペチ叩いて挑発すれば、負けず嫌いな妻は
「……もっど、出来る、もんッ…」
とへたった脚を真っ直ぐ伸ばす。

 僕はこの負けん気が好きなんだ…
「萌、どっちが強いか勝負ね、」
首を精一杯伸ばして彼女の唇を探す。
「……負け、ないッ」
「ん、僕も負けない」

 負けず嫌いな妻を泣く手前まで虐める快楽、これは人道に反するかもしれない。でも同意だし良いんだ、そして僕が負けるから良いんだ。
 萌に搾られる感覚は、勝負に負けた時の悔しさに似ている。だからその瞬間は、気持ち良さに反して面が歪んでしまう。彼女も負けたつもりになるだろうけど、僕の最後の顔を見たら考えは変わるんじゃないかな。
 僕もたまには勝たせてもらうけど…僕は萌の笑顔には勝てない。涙にも勝てない。
 僕の闘志は彼女のそれに当てるだけ、本当は屈服なんて望まない。

「じゃ、2回戦ね」
 純粋にいちゃいちゃラブラブする空気感が僕らは薄い、だから戦いという名目を立てて手合わせの感覚で交わる。いずれはとろとろ甘々になるのかもね、でも強い萌を見ていたい。
「もッ、イぐッ♡勝て、ないィ♡♡♡」
 心地良い優越感、湧き上がる興奮と悦楽。
 君の負け顔を確認してから、僕も試合を降りる。
「あッ……あ、あー…いっぱい出た……ふふッ…」

 羞恥と疲弊でげんなりした萌は、ベッドにぱたんと倒れる。
 そして僕に振り返り、
「周、強ぉい」
と…極上の褒め言葉をくれるのだった。



おわり
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