跳ね馬の恩返し—元ヤン娘は商店街の華になる

茜琉ぴーたん

文字の大きさ
77 / 113
4

77

しおりを挟む

「真綾、ん、楽になれよ」

「ふゥ…どぉや、るッ…やら、ぁ、」

「気持ち良いんだろ、素直になれよ」

「らって、なんか、なんかぁ♡」


 未体験のことはそんなに恐ろしいか、不良が聞いて呆れる。

 和樹は真綾の頭をガシと掴んで雄みを見せて、

「真綾、お前の初めての外イキ、貰うぞ」

と不敵に笑った。


「あッ♡」

「お、」

 瞬間にぐぐぐと、真綾の腰が持ち上がる。

 口からは金切り声のような悲鳴が薄く漏れる。

 歯を食い縛る姿は我慢比べでもしているかのようで、それなのに眉と目は切なげにとろんと物欲しそう。

「やあッ…♡ッあ♡やらッ♡なにッ♡」

「気持ち良いな、真綾?」

「ぴりぴり、するッ♡やだ、あたま、変にッ♡♡♡」

 びくびくと痙攣する体、和樹が指を止めてもそれは止まらなかった。


「真綾、頭が変になっちゃったか」

「ふわふわ、へんにゃ、かんじ…」

「そのふわふわ、まだ続いてるか?」

「らいじょーぶ、あの、お股のとこが、ジンジンしてるだけ」

「痛い?」

「ううん…あったかいの、中から、ぽかぽかしてる」

「そう、そりゃ良かった」

 生返事と上部だけの会話の間に、和樹はスタンバイを済ませていた。

 目を閉じてくったりしている真綾にも気付かれなかった模様、ほぼ体を離さなかったから事後の余韻に浸れたようだった。

「ん、じゃああったかいうちに」

和樹は力の抜けた真綾の脚を開き、間に挟まる。

「(スマートに、してやりたい。デキる大人の男だ、俺は…角田と比べられんだから、格段に良い男に思われたい。イかせられるかは分からんけど、激しく、体力の続く限り、)」

「え、あ、和樹くん、ゴム、」

「着けてる。見るか?」

「え…あ、本当だ…いつの間に」

「真綾がイってる間に、だ…真綾の嫌がることはしない、絶対だ。でも…セックス中の『イヤ』は聞けないから、マジで嫌ならこう…手でバツ作れな、そしたら止めるから」

「う、うん…」


 親切さに感謝、しかし同時に「そんな酷いことするの?」と真綾は恐くなる。

 強引も自己中もワガママも慣れてはいるが、痛めつけられるのは抵抗がある。

 体の相性はさておき思いやりのあるプレイをお願いしたい、通じ合って当たり前だとは思うが前例が酷いだけに真綾の不安も募る。

「…真綾、力抜いて」

ガクガク震える膝を掴み、和樹は勢いを失いかける。

 強いたい訳じゃない、怖がらせたくない。

「……」

「真綾、ごめん、優しくするより男っぽい方が好きかと思ったんだ。嫌なら止めよう」

 涙目の婚約者を見下ろして、和樹は真綾の脚をゆっくりシーツに下ろす。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです

沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

イケメン副社長のターゲットは私!?~彼と秘密のルームシェア~

美和優希
恋愛
木下紗和は、務めていた会社を解雇されてから、再就職先が見つからずにいる。 貯蓄も底をつく中、兄の社宅に転がり込んでいたものの、頼りにしていた兄が突然転勤になり住む場所も失ってしまう。 そんな時、大手お菓子メーカーの副社長に救いの手を差しのべられた。 紗和は、副社長の秘書として働けることになったのだ。 そして不安一杯の中、提供された新しい住まいはなんと、副社長の自宅で……!? 突然始まった秘密のルームシェア。 日頃は優しくて紳士的なのに、時々意地悪にからかってくる副社長に気づいたときには惹かれていて──。 初回公開・完結*2017.12.21(他サイト) アルファポリスでの公開日*2020.02.16 *表紙画像は写真AC(かずなり777様)のフリー素材を使わせていただいてます。

処理中です...