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しおりを挟むイチャイチャするのも柄じゃないとキャラを付けたつもりが仇になった。
歳上だし婚約した高揚感もあったし、上から従えるような感覚になっていたのかもしれない。
つくづくカッコがつかなくてムードに欠ける、スムーズに前戯から進めると思ったのに気まずさに和樹は赤面する。
「…和樹くん、」
「ごめん、走り過ぎた。真綾のことも考えずに」
「待って、やだ、や、やめないで…」
下ろした脚で、真綾は和樹の胴を挟む。
「おわ」
「イヤだなんて言ってない、やめてなんて言ってないよ、」
「でも、震えてたから」
「ちょっと、前の人のこと思い出しちゃったし、ひ、酷いことされるのかなって緊張しちゃったの、あと、脚に力入れてたから、筋肉痛みたいになってガクガクしてるの」
「…脚ピンしてたから、そか…」
「あと、普通にエッチ前は緊張するの!こんな、野暮な説明させないでよ!」
「……」
和樹は「お前が言うか」と一瞬真顔になって、しかしふふと笑い瞑想タイムに入る。
「和樹くん?」
「待ってな、萎えかけたから…もっぺん、元気にするから…」
「フェラしようか?上手じゃないけど」
「今日はいい、また今度な……俺も気負い過ぎてたのかも、真綾はオラオラ系の方が好みだろうって思ってたし。歳上の実力見せてやろうって気張ってたわ」
「…普通で、良いよ?」
手持ち無沙汰な真綾はバスローブのフチを握って、もじもじと胸を隠す。
「…男らしくなくても良いか?」
「あの、普通で…」
「ん、頑張るわ…イヤなら言ってな…ん、」
真綾は脚のロックを外して自分から脚を開き、
「和樹くんなら、何されても良いよ♡」
と再度胸をはだける。
「(あ、いけそ)」
その仕草とはにかんだ笑顔、ぷりぷりの胸に和樹は勢いを取り戻した。
ずりずりと迫って潤いを確認、
「真綾、好きだよ。婚約できて嬉しい」
とゆっくり侵入する。
「あ、あッ♡」
「お、おー……まーや、あー…あー…」
語彙を失った和樹は首を垂れて、しばし感触を味わう。
「和樹くん…あは、大っきいね…」
「…そー?嬉しーこと言ってくれる…あー…気持ちー…」
「こんな、ぎゅうぎゅうなる感じ、初めてだよ…あったかくて、気持ち良い」
「その割に、冷静だな…悔しー…俺ばっか、あー…動けねー…まーや、好きだよ、誰にもやりたくない」
「和樹くん、甘々になってる♡」
「…そーかも…あー…やべー…まーや、あったけぇ」
雄みも男らしさもどこへやら、入ってしまえば和樹は広い海に抱かれたようにとろりと溶けてしまった。
正確には蕩けるように力が抜けて、真綾の体の上にしなだれかかってしまったのだが。
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