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私は三次元に生きているので
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しおりを挟む我々は高校生から数年の付き合いになるが、彼は元々はどちらかといえば現実のアイドルを推す傾向にあった。
ライブに行ってグッズを買ったり、CDを集めたりと一般的な活動をしていたように思う。
しかし推しのプライベート写真が流出して熱愛が発覚して以降、彼は推し変した。
まぁ二次元なら熱愛は無いもんね、絵を推す感覚は分からないものの私は生温かく見守っていた。
そして彼は段々と沼にハマっていき、課金して今ではヘビーなオタクになっている。
学生の身で贅沢だなぁと思うが、彼は実家からの仕送りで潤っているそうなので構わないのだろう。
ちなみに私はひと足先に社会に出ているので、金銭的な余裕はあるが推しに貢ぐより生活重視である。
まぁ自分のお金だし好きにすれば良い、そう思っているが私にも一緒に視聴するよう勧めてくるのがウザったい。
デートをしても会話の内容は推しアイドルのことばかり、もう相槌のレパートリーはとうに尽きている。
嫌いではない、関心が無いということを彼は理解してくれない。
「俺が好きなんだから彼女も好きになるべき」という強要が気に食わない。
訪問する度に増えていく壁のポスター、雑な縫製のぬいぐるみ。
私はコレクターではないので、同じ物を複数集める意味もよく分からない。
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